タグ・ホイヤーは、サンクスラボ社と提携した「里海珊瑚プロジェクト」の開始を発表した。この取り組みは、サンゴの養殖と海への移植を通じて沖縄の海洋生態系の回復を目指すと同時に、障がいを持つ人々の雇用創出を推進するものである。
タグ・ホイヤーが「里海珊瑚プロジェクト」を始動
近年、サンゴ礁は海水温の上昇と汚染による深刻な危機に直面しており、世界中でその存続が脅かされている。今回タグ・ホイヤーがスタートした「里海珊瑚プロジェクト」は、そんなサンゴの生息地を回復させると同時に、回復力のある種を研究することで、将来の世代まで続く生態系の保護を目指す取り組みである。
また本プロジェクトでは、障がいを持つ従業員にサンゴの陸上養殖を管理する機会を提供することで、スキル向上と雇用機会の創出を図っている。事業の核となるこの陸上養殖では、飼育技術を習得した障がいのある従業員が、独自のデジタル技術を駆使することで水槽の環境管理を行い、安定的なサンゴの生育を支えている。
養殖においては、気候変動に適応するために、高い酸性度と温度に耐性のあるサンゴ株の繁殖に焦点を当てた研究が進められている。養殖されたサンゴ株は、実際に海中に設置されることで、小魚や他の海洋生物を引き寄せる漁礁として機能し、バランスの取れた生態系の再構築にも寄与している。
なお、これらの養殖、移植されたサンゴは、モニタリングや水中カメラ、センサーを使用した「POCシステム」の導入により、継続的に観察されている。最先端技術の導入や、海洋酸性化や温暖化といった課題に対応する種の研究が、長期的なサンゴの保護や海洋生態系の再構築を支えているのである。

自動巻き(Cal.5)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SSケース(直径36mm、厚さ11.4mm)。300m防水。59万9500円(税込み)。
サンクスラボ社と里海珊瑚プロジェクト
「IT×福祉」をテーマに、障がい者の就労を支援する地方創生企業。障がい者が有用なスキルを身に付けて経済活動に参画しながら社会的・経済的に自立できる環境と、自身の能力や個性を存分に発揮できる環境の創出を目指している。現在は、海洋環境保全を推進する企業、自治体、漁協等と協働し、サンゴを陸上で育成し海に還すことで、“里海づくり”を目指す「里海珊瑚プロジェクト」を推進している。