ジェラルド・ジェンタの「ジェンティッシマ ウルサン」にメテオライトを文字盤に用いた新作が登場

ジェラルド・ジェンタは、従来モデルよりも大径で、スポーティーな仕立ての「ジェンティッシマ ウルサン 41」を発表した。メテオライトのランダムで直線的な組織の構造を際立たせた文字盤と、特徴的なビーズ装飾と呼応するラバーストラップを組み合わせており、コレクションの中でもマスキュリンな存在となっている。

新たなケース径を加える「ジェンティッシマ ウルサン」

　ジェラルド・ジェンタは、従来のコレクションに新たなケースサイズを加える「ジェンティッシマ ウルサン 41」を発表した。2024年にデビューした「ジェンティッシマ ウルサン」は36.5mm径で展開されてきたのに対して新作は41mm径であり、存在感のある仕立てである。また、従来の6モデルはマザー・オブ・パールやオパール、オニキスなど、地球が育んだ天然素材を文字盤に用いてきたが、本作は、地球外の星から訪れたメテオライトを用いることで、マテリアルの物語を一段とスケールアップさせている。用意されるのはブルーとグリーンの2色で、文字盤カラーとラバーストラップのカラーを合わせたコーディネートだ。

　ジェンティッシマ ウルサンの起源となるのは、1994年の地中海のある島で起きた出来事である。ジェラルド・ジェンタは、ウニ（フランス語ではウルサン）の球体のフォルムからインスピレーションを受け、円形ケースにビーズをちりばめるという、後のコレクションの核となる造形を着想した。

　このような経緯により生み出された作品は、秩序立っていながら有機的な、棘のある彫刻的形状という“自然のパラドックス”を表現しており、常に新しいデザインを探求していたジェラルド・ジェンタの創造性を象徴している。また、ジェンタの妻のイヴリン・ジェンタはこのデザインを一目見て賞賛したとされ、1995年にジェンタからプレゼントされたウルサンの特別モデルは、30年経った現在でもイヴリンのお気に入りである。このような歴史的背景から、ジェンティッシマ ウルサンはメゾンを代表するモデルと言えるだろう。

　ケースは、従来モデル同様の、サンドブラスト仕上げのグレード5チタニウムにホワイトゴールド製ビーズをあしらった構成である。従来モデルは36.5mm径であったのに対し、本作は41mm径へと一回り拡大されたことで、コレクションの中でもよりマスキュリンな存在となっている。

　さらに、従来のレザーに対して、ビーズの造形を取り入れたラバーストラップに改められており、ケースサイズとストラップの仕立てによる存在感のあるスポーティーさを備えつつ、彩度を落とした色調とビーズの輝きによって、シックな仕立てである点が、本作の大きな特徴だ。

　文字盤に用いたメテオライトには、組織の構造が浮かび上がっており、ランダムで直線的な表情からはラフでスポーティーなテイストが感じられる。この構造は同じものがないため、本作は1本1本、ユニークな存在となっている。