オーデマ ピゲは、2025年12月8日に、同社の歴史において極めて重要なタイムピースで、「グロス ピエス」と呼ばれる「S.スミス&サン アストロノミカル ウォッチ」を、サザビーズオークションで取得した。1921年に完成したグロス ピエスは、19種類の機能を搭載する複雑さと、最も包括的な天文時計という特徴、そしてオーデマ ピゲにとって星座盤を搭載した初期の作品のひとつであるという歴史を持つ懐中時計だ。今回の出来事は、100年以上にわたって一般には公開されてこなかった歴史的な作品が、ブランド創業150周年という節目の年にスイスのル・ブラッシュへと戻ってくることを意味し、時計製作の遺産とオートオルロジュリーの芸術を守り続けるという同社の使命を象徴する出来事と言える。

オーデマ ピゲが同社の重要なタイムピース「グロス ピエス」をオークションで落札
オーデマ ピゲは、同社の歴史において極めて重要なタイムピースのひとつとされる「S.スミス&サン アストロノミカル ウォッチ」、通称「グロス ピエス」をオークションで落札した。1921年に完成して顧客に納品された後、1990年代まで一般公開されることなく秘蔵されていた本作が、オーデマ ピゲ創業150周年の節目となる2025年にオーデマ ピゲの元へ帰還したことは、時計製作の遺産とオートオルロジュリーの芸術を守り続けるという同社の使命を象徴する出来事である。
「グロス ピエス」は、イギリス・ロンドンの時計店のS.スミス&サンからの依頼を受け、1914年にプロジェクト始動、7年後の1921年に完成した天文懐中時計である。文字盤には、時分秒表示と、永久カレンダー、クロノグラフ機能、ムーンフェイズ表示に加え、地球から見た恒星の位置が同じ場所に戻るまでの時間を基準とする恒星時と、太陽が南中する時間と“12時(正午)”との差を意味する均時差が表示される。さらに、ミニッツリピーター、グランドソヌリ、プチソヌリ、そして、オーデマ ピゲの懐中時計では当時唯一のトゥールビヨンを備えている。

最大の特徴は、ロンドンの空を基準として、315個の星を描いた星座盤である。恒星時と均時差との組み合わせにより、専門的な天体観測を補助する最も包括的な天文時計が本作であり、オーデマ ピゲにとっては星座盤を搭載した初期の作品のひとつである。
19種類の機能を搭載するグロス ピエスは、1899年の伝説的な「ユニヴェルセル」と並び、オーデマ ピゲ史上最も複雑な懐中時計である。ユニヴェルセルと同様、スイス・ジュウ渓谷のエタブリサージュ(分業)システムの生き証人であり、専門職人たちが集結し、20世紀初頭に最も複雑なタイムピースを生み出した歴史を今に伝える重要なアイコンである。

この貴重なタイムピースは1921年にS.スミス&サンへ納品されたのち、グロス ピエスは長きにわたって公の場から姿を消し、設計時の検討資料やアーカイブ資料、限られた写真によってのみ知られる存在となっていた。その後、この懐中時計は名高い「オルムステッド コンプリケーションズ コレクション」に収蔵され、厳重な管理のもと、限られた人のみが鑑賞できる“秘蔵の一本”として扱われてきた。
状況が大きく変わったのは12月8日である。ニューヨークで開催されたサザビーズ「インポータント ウォッチ オークション」に、オルムステッド・コンプリケーションズ・コレクションの一部としてグロス ピエスは出品されたのだ。
オーデマ ピゲはこれを受け、時計製作の遺産とオートオルロジュリーの芸術を守り続けるという同社の使命のもとでこれを取得。故郷であるル・ブラッシュへの帰還が実現した。
オーデマ ピゲは、この歴史的なタイムピースを単にコレクションとして保護するだけでなく、世界中の愛好家と共有する計画も明らかにしている。グロス ピエスは今後数年にわたりワールドツアーを行い、各地のオーデマ ピゲハウスやイベント会場で公開される予定である。
その後、同社のミュージアムであるル・ブラッシュの「ミュゼ アトリエ オーデマ ピゲ」に展示され、ブランドの複雑機構史を語るキーピースとして、継続的に一般公開される。



