水中でのクロノグラフ操作が可能なジンの新ダイバーズ・クロノグラフ「206」シリーズ

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2019.06.23

 1990 年代に誕生したジンの伝統的なダイバーズ・クロノグラフ203 シリーズの外観を映し、現代的仕様で再設計した2 つのダイバーズウォッチ206 シリーズが発売開始となった。ブラックダイヤルの206.ST.ARは、1995 年にArドライテクノロジーを初めて搭載したジンの歴史的モデル203.STと203.TI.ARの流れを汲んでいる。

どちらのモデルも可能な限り203シリーズのオリジナルに忠実であるために、クロノグラフのプッシャーはスクリュー式が採用された。ただし、ジンのD3システムという技術の採用により、外観はねじ込み式のプッシャーだが、その構造は非ねじ込み式であるため、厚いダイビンググローブをはめていてもクロノグラフにアクセスしやすく、簡単に操作できるようになっている。非ねじ込み式でありながら、プッシャーを二重のパッキンで時計ケースに隙間なく取り付けているため、高い密封性が得られ、水中でのクロノグラフ操作が可能となった。これは203シリーズにはなかった構造である。

さらに、ダイバーズウォッチでもムーブメントを見えるようにしてほしいという、ジンのダイバーズウォッチユーザーからの声を活かし、ダイバーズウォッチで初めてシースルーバックを採用した。ジン社独自の特殊結合方法により取り付けられた逆回転防止ベゼルは衝撃でも外れることはなく、30気圧の防水性能はジンの他のダイバーズウォッチと同様に世界最大級の船級・認証機関DNV GLにおいて、欧州潜水器具規格EN205/EN14143に基づきテスト・認定を受けている。これらの点もオリジナルの203シリーズ時代にはなかった特徴だ。
■ジン「206.ST.SA」
自動巻き。25 石。28,800 振動/時。SSケース(直径43 mm)。パワーリザーブ約46 時間。300 m防水。560,000 円(税別)

ブルーダイヤルの206.ARKTIS.IIは、1999年にジンのダイバーズウォッチとしては初めて特殊オイル66-228 による熱抵抗テクノロジーを搭載し、北極海における極限潜水のために開発された203.ARKTISの20 周年で、次世代に向けて開発したダイバーズ・クロノグラフだ。ローターには-45℃の気温での作動が可能な証として、雪のマークと「-45℃」という文字が刻印された。
■ジン「206.ARKTIS.II」
自動巻き。25 石。28,800 振動/時。SSケース(直径43 mm)。パワーリザーブ約46 時間。300 m防水。590,000 円(税別)

■ジン特殊オイル 66 228
機械式時計のムーブメントのパーツが円滑な運動を行えるよう使用されている潤滑オイルは、通常- 25 ℃で粘性が高くなり時計の精度が維持できなくなるが、ジン社開発の特殊オイルは- 66 ℃まで粘性を維持し 228 ℃まで蒸発が起きない。このオイルの使用により急激な温度変化に耐え、- 45 ℃から+80 ℃の温度範囲で DIN (ドイツ工業規格)の定めた刻時精度の維持を可能にした。このオイルが使用されているモデルは、ドイツ出荷の際に全品-45 ℃と +80 ℃での検品が行われている。

■ドライカプセル
ジンの開発したドライカプセルは、Ar ドライテクノロジーの最も重要な要素だ。このカプセルには特殊乾燥剤である硫酸銅が充填されており、これはケース内の水蒸気を吸収し時計ケース内の湿気を取り除く。ドライカプセルに吸収された水分量が増すにつれて、淡いライトブルーからネイビーブルーへと色が変化していく。

■ Ar ドライテクノロジー
時計内部の空気に含まれている湿気や時計内部に拡散した水蒸気によるムーブメントの潤滑オイルの劣化は、機械式時計の精度に悪影響を及ぼす。ジンの Ar ドライテクノロジーは、ドライカプセルの搭載、EDR パッキンの使用、プロテクトガスの充填という3つの技術的要素により、ムーブメントはほぼ無水の環境となりこの問題を解決。オイルの劣化プロセスと突然の気温低下によるサファイアクリスタル風防の曇りが防止され、信頼性の高い機能と精度が保証される。

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