2014年ジュネーブ時計ランキング / 今年のジュネーブに心は震えたか?

2014.04.03

堅実なるウォッチメイキングという高評価の一方で、堅実すぎるという声も囁かれた今年のジュネーブ。本誌ランキングコーナーの選考委員たちは、いったいどんなモデルに心を振るわせたのか? 今年は例年になく、高評価を集めたブランドの偏りがものすごく気になるんですけど……。

 

今年のジュネーブに心は震えたか?

1位 68point / 4persons

ピアジェ / ピアジェ アルティプラノ 38㎜ 900P

Photo:「ピアジェ アルティプラノ 38mm 900P」。手巻き。18KRG。332万5000円。問ピアジェカスタマーデスク ■0120-73-1874

●単なる薄型は、今やどこでもお目にかかるが、ピアジェのこのような設計はまさに名案。パーツをデザイン要素に生かす演出も洒落が効いている。(菅原)
●ケース内側を地板にするという発想に驚いた。実際に製作過程を見たが、加工精度は非常に高かった。オフセットした時分針にもちゃんと耐衝撃性を高める意味合いがあり、薄型時計のピアジェの面目躍如。(髙木)
●輪列を逃がし、かつムーブメントとケースを一体化させることで、機械式時計としては、現在最も薄いケースを持つ。どちらのアイデアもすでに他社が採用しているが、ここまで薄くできたのは、優れた加工技術があればこそだろう。(広田)



今年のジュネーブに心は震えたか?

2位 65point / 5persons

A.ランゲ&ゾーネ / リヒャルト・ランゲ・パーペチュアルカレンダー “テラ・ルーナ”

Photo:「リヒャルト・ランゲ・パーペチュアルカレンダー “テラ・ルーナ”」。手巻き。18KPG。2138万円。問A.ランゲ&ゾーネ ☎03-3288-6639

●理由のある大きさと重さ。トルクマネージメントが改善されたのか、ランゲ31に比べて振り角も改善された。テコの原理を最大限に生かして瞬時に切り替わる永久カレンダーも、ランゲらしい緻密さを持つ。(広田)
●レギュレーターの永久カレンダーは、各表示のレイアウトが実に巧み。裏側のムーンフェイズは、地球との位置関係を見せ、さらにテンプを太陽に見立てたことで、天体時計としての機能を果たす。ディスクの仕上がりも見事!(髙木)


今年のジュネーブに心は震えたか?

3位 58point / 4persons

ヴァン クリーフ&アーペル / ピエール アーペル ユール ディシ エ ユール ダイヨール

Photo:「ピエール アーペル ユール ディシ エ ユール ダイヨール」。自動巻き。18KWG。予価382万円。問ヴァン クリーフ&アーペル ル デスク ■0570-00-8202

●レトログラード分針+ダブルジャンピングアワーによるデュアルタイムという機構がユニーク。レトログラード分針と対象位置にモデル名を配したデザインも美しい。アジェノー製のムーブメントは、肉抜きされて審美性も高い。(髙木)
●最近のトラベルウォッチの中でも、デザインとメカニズムが独創的で秀逸。シンプルで上品なダイアルと、裏面から見える複雑ムーブメントの対比もいい。(菅原)


今年のジュネーブに心は震えたか?

4位 36point / 2persons

カルティエ / カリブル ドゥ カルティエ ダイバー ウォッチ

Photo:「カリブル ドゥ カルティエ ダイバー ウォッチ」。自動巻き。18KPG。予価277万円。5月発売予定。問カルティエ カスタマー サービスセンター ■0120-301-757

●シリーズ3作目にして「カリブル」の個性がようやく確立された印象。ダイバーズウォッチ規格を満たす高性能もガンガン使えそう。(菅原)


今年のジュネーブに心は震えたか?

5位 29point / 2persons

カルティエ / トーチュ ウォッチ MM

Photo:「トーチュ ウォッチ MM」。手巻き。18KPG。予価153万円。6月発売予定。問カルティエ カスタマー サービスセンター ■0120-301-757

●これは女性用との設定だが、メンズでも十分にいけるサイズ。というより個人的にはこのぐらい小振りなモデルのほうが好ましく、薄型というのも好感触。(名畑)