インハウスムーブメント最前線 ランキング8

FEATURE時計ランキング
2020.03.28

選考委員の選定モデル詳細


菅原 茂(66歳) 時計ジャーナリスト
「量産型の健闘に期待する」
自社製をうたう例は今や珍しくない。奇抜さや複雑さを競う好事家向けの自社製は評価外とし、べーシックな量産型の良品に注目した。

1 ロレックス/32系搭載モデル 全般
2 ショパール/L.U.C XPS ツイスト QF
3 グランドセイコー/エレガンスコレクション SBGK007
4 オメガ/マスター クロノメーター搭載モデル 全般
5 グランドセイコー/メカニカルハイビート メカニカルハイビート36000 プロフェッショナルダイバーズ600m
6 タグ・ホイヤー/オータヴィア アイソグラフ
7 オリス/ビッグクラウン プロパイロットX キャリバー115
8 シチズン/ザ・シチズン キャリバー0100搭載モデル
9 オリエントスター/ダイバー


篠田哲生(43歳) 嗜好品ライター
「実用的なメリットも大きいが、今はムーブメントで時計を遊ぶ時代」
現在の自社ムーブメントのトレンドとして見逃せないのが「ペリフェラルローター」。この技術の実用化によって、薄型化などで大きな進化があった。また、デザイン重視で独自ムーブメントを開発する事例も増えた。持続時間や精度など、基本性能のスペックアップも大切だが、個性を楽しむための自社ムーブメントこそ、褒めたたえたいと思うのだ。

1 カール F. ブヘラ/マネロ パワーリザーブ
2 ブルガリ/オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック
3 ブレゲ/クラシック トゥールビヨン エクストラフラット スケルトン 5395
4 ヴァシュロン・コンスタンタン/オーヴァーシーズ・トゥールビヨン
5 ピアジェ/「アルティプラノ」 アルティメート・オートマティック
6 H.モーザー/エンデバー・パーペチュアル・カレンダー
7 HYT/H5
8 オーデマ ピゲ/コード 11.59 byオーデマ ピゲ ミニッツリピーター・スーパーソヌリ
9 カルティエ/サントス ドゥ カルティエ スケルトン
10 ゼニス/デファイ インベンター


野上亜紀 時計・宝飾ライター
「ユーザーへの訴求と時計の未来とのバランスで」
折角なので女性向けの改良や趣向、ユニセックス向けの展開、宝飾化を見据えたものなどをあえて織り交ぜて選んでみた。精度の追求やユーザー向けのスペックアップなどももちろん含めた、各ブランドの“今”の在り方を一気に振り返ることができるのも、この究極のテーマが持つ面白さかと。

1 シャネル/J12
2 グランドセイコー/9S2系ムーブメント搭載機 全般
3 ピアジェ/「アルティプラノ」 アルティメート・マニュアル
4 シチズン/ザ・シチズン キャリバー0100搭載モデル
5 リシャール・ミル/RM 67-01 オートマチック エクストラフラット
6 ジャガー・ルクルト/マスター・ウルトラスリム・ムーン・エナメル
7 IWC/パイロット・ウォッチ・オートマティック・スピットファイ
8 ブルガリ/オクト フィニッシモ オートマティック
9 ボヴェ/リサイタル22 グランドリサイタル
10 ゼニス/デファイ インベンター


KIH Watch-Media-Online.com 副編集長
「インハウスだから〝良い時計〟とは限らない」
インハウスムーブメントを使った“良い時計”を選んだ。個人的には、正直な開示があり、かつトータルで良ければ別にすべてインハウスである必要はないと考える。小型ブランドや独立系が自社ムーブメントでも水平分業でも、質の高さを広く認めてもらえる環境になってきて、うれしい限りだ。

1 クロノメトリー フェルディナント・ベルトゥー /クロノメーター FB 1L.4
2 ローマン・ゴティエ/ロジカル・ワン
3 グルーベル フォルセイ/コンテンポラリーテンプ
4 アーミン・シュトローム/ミラード・フォース・レゾナンス
5 ショパール/L.U.C フライング T ツイン
6 アクリヴィア/クロノメーター コランポラン
7 グローネフェルト/1941 ルモントワール
8 クレヨン/エブリウェア
9 オーデマ ピゲ/コード 11.59 byオーデマ ピゲ クロノグラフ
10 シチズン/ザ・シチズン キャリバー0100搭載モデル


名畑政治(60歳) 時計ライター
「選択肢が多すぎる」
自社製ムーブメントを、といわれてピックアップしたら軽く10を超えた。それほど現代は自社製ムーブメントが多く、単に自社製というだけではアピールしにくい時代である。だから外装も含め個人的な好みで選んだ。例によってすべて同列、順位なし。

・ オメガ/スピードマスター ムーンウォッチ 321 ステンレススティール
・ ブライトリング/ナビタイマー B01 クロノグラフ 46
・ チューダー/ブラックベイ ブロンズ
・ ショパール/L.U.C XPS
・ グランドセイコー/エレガンスコレクション SBGW231
・ H.モーザー/ベンチャー・スモールセコンド
・ モリッツ・グロスマン/アトゥム
・ A.ランゲ&ゾーネ/リヒャルト・ランゲ
・ ジャガー・ルクルト/マスター・ウルトラスリム・スモールセコンド
・ F.P.ジュルヌ/クロノメーター・レゾナンス


広田雅将(45歳) 『クロノス日本版』編集長兼アートソルジャー
「現行の魅力は良質な実用ムーブメントにあり」
ベーシックなムーブメントばかりを選んだのは、今が優れた基幹ムーブメントの最盛期だから。理論上は1950~60年代のものほどの耐久性は期待できない。しかし、精度は極めて高い上、磁気帯びもしにくく、自動巻きはデスクワークでも十分巻き上がる。理想を言うと、優れた手巻きムーブメントを期待したいが、これは難しいだろう。

1 オメガ/マスター クロノメーター搭載モデル 全般
2 ロレックス/オイスター パーペチュアル GMTマスターⅡ
3 パテック フィリップ/カラトラバ・ウィークリー・カレンダー Ref.5212A
4 ブルガリ/オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT オートマティック
5 チューダー/ペラゴス
6 ショパール/L.U.C XP
7 ブレゲ/クラシック クロノメトリー7727
8 ゼニス/エル・プリメロ搭載モデル 全般
9 IWC/ポルトギーゼ・オートマティック
10 グラスヒュッテ・オリジナル/セネタ・エクセレンス


ランキングの集計ルール
●選考委員は、各号のテーマに沿った腕時計を10本選び、順位をつける。
●選考委員ひとりあたりの所持ポイントを110点とし、これを1位20点、2位18点…… 10位2点として選考モデルに振り分ける。
●選考された時計が順位無しの場合は、所持ポイントを10等分して、各モデルに11点を与える(選考本数が10本に満たない場合でも、1モデルあたり11点とする)。
●獲得点数が同点となった場合は、選考者数の多いモデル、その中で選考順位の高いモデルの順で優位とする。
●最低有効得票数を2票とする。