【87点】ロレックス/オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー

FEATUREスペックテスト
2013.08.03

新型キャリバー9001は、ボールベアリング式のローターやロングパワーリザーブといったデイトナのムーブメントの長所を受け継いだばかりか、ガンギ車にもパラフレックス ショック・アブソーバが追加されるなど、さらなる長所も盛り込まれている。

回転式リングコマンドベゼルのメカニズム

ロレックスの特許を見ると、設定および操作機構がどのように機能するかが分かる。リングコマンドベゼルを回すと、ベゼルに固定されたピンによって歯車(D)がひとつ分、先に送られる。その結果、中間車(R1)がこの機構の心臓部である、セレクターウィール(R2)とここに固定されたカムディスク(C1)、そして、板バネ(SP)によってセレクターウィールを定位置に留めるロッキングプレート(C3)を動かす。セレクターウィールのカムディスク(C1)には窪みがついており、ここに選択した操作に応じてカム(L1、L2、L3)のいずれかがはまる。これにより、修正ディスクが噛み合うようにブリッジ(B1)あるいはブリッジ(B2)が動く。ブリッジ(B2)には3つのポジションがあり、どの修正ディスクも噛み合っていない状態、日付修正ディスク(COR1)が噛み合っている状態、あるいは時針修正ディスク(COR2)が噛み合っている状態のいずれかのポジションになる。ブリッジ(B1)は、動かされることで歯車(R5)を介して2番車と連結し、こうして分針、時針および24時間表示ディスクを設定することが可能になる。巻き真(T)が回転する、つまり、巻き上げポジションになっている場合でも常に、歯車(R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10)が一緒に回転するのは興味深い。つまり、巻き上げポジションで何らかの設定も同時に行われてしまわないように、もうひとつ装置が必要になる。そのためにあるのがカムディスク(C2)である。カムディスク(C2)はカムディスク(C1)と同軸上で回転するが、両者は固定されていない。カムディスク(C2)には3つの窪みが付いており、リュウズが設定ポジションになると、これらの窪みがカム(L1、L2、L3)のちょうど向かい側に位置するようになる。これらのカムは、カムディスク(C1)とカムディスク(C2)の窪みが重なり合って初めて、窪みにカムがはまり込むような厚さに設計されている。設定ポジションから巻き上げポジションに押し込まれると、どのカムも窪みにはまり込まないようにリュウズがレバー(Ti)を介してカムディスク(C2)をさらに動かす。
リュウズを設定ポジションに引き出すと、巻き真に連結するオシドリとカンヌキがウルフティースホイール(ツヅミ車)と呼ばれる歯車を押しやり、これにより巻き上げ機構が切り離される。