【74点】ティソ/ラグジュアリー オートマティック

FEATUREスペックテスト
2013.06.03

フォールディングクラスプとスティールブレスレットは抜群の加工品質で、美しく頑丈。

ベースキャリバーETA2824-2に比べて緩急調整システムが改良されているのが分かる。

我々編集部が知りたかったのは、果たしてラグジュアリー オートマティックは、実際に長距離ランナーなのかということと、その場合、歩度の様子がどのようになるかということだった。テスト開始から24時間経過しても正確な時を刻んでいたが、48時間後には10秒の進みが見られた。72時間後には、進みは20秒に及んでいた。測定が進行するにつれ、テスト機の心拍数はさらに上がっていく。78時間後になると、進みは30秒になっていた。急速に進んでいった原因はテンプだろう。改良にあたり、香箱からのエネルギー流入のロスが減少した関係で、テンワのスピードが上がりやすいようだ。最終的に、テスト開始から79時間34分経過後、テンワの動きは停止。テスト機では少々早く息切れしてしまったが、パワーリザーブ約80時間と謳われている時計で、この程度の目減りは許容範囲内だろう。週末に腕から外して置いていたとしても、月曜日の朝に針合わせをする必要はないので、少なくともその間はエネルギー切れの心配をせず放っておける。

まとめると、ラグジュアリー オートマティックはロングパワーリザーブの最高峰とまではいかないが、その価格においてはほとんど天下無敵と言える。機械式で新開発のキャリバーを載せ、かつロングパワーリザーブの腕時計として、8万5050円(SSケースとブレスレット)は超がつくほどお買い得だ。さらに、2万5200円(同じSSケースとブレスレットの場合)上乗せすれば、C.O.S.C.認定クロノメーターバージョンもある。その上、金属素材や文字盤の色違いのものもあり、バリエーションは合計10種類。シンプルでエレガント、そして、扱いがややこしくない日常使いの時計を探すなら、ラグジュアリー オートマティックは飛びつきたくなる逸品に違いないだろう。

技術仕様
ティソ/ラグジュアリー オートマティック

製造者: ティソ
Ref.: T086.407.11.031.00
機能: 時、分、秒(ストップセコンド仕様)、日付表示
ムーブメント: ETA C07.111(ベースキャリバー:ETA2824-2)、自動巻き、2万1600振動/時、23石、穏急調整用偏心スクリュー付きテンワ、耐震軸受け(KIF使用)、パワーリザーブ約80時間、直径26㎜、厚さ4.6㎜
ケース: ステンレススティール製、両面無反射加工のサファイアクリスタル風防、トランスパレントバック(ミネラルガラス使用)、5気圧防水
ブレスレットとバックル: ステンレススティール製ブレスレットおよびダブルフォールディングバックル
サイズ: 直径41㎜、厚さ9.8㎜、重量155g
バリエーション: 他金属仕様および文字盤色各種あり、C.O.S.C.認定クロノメーター仕様モデルあり
価格: 8万5050円

*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。

精度安定試験 (T24の日差  秒/日、振り角)

   平常時         
文字盤上 -4  
文字盤下 +5  
3時上 0  
3時下 +1  
3時左 +3  
3時右 -3  
最大姿勢差: 9  
平均日差: +0.3  
平均振り角:    
水平姿勢 281°  
垂直姿勢 279°  

評価

ストラップとバックル(最大10pt.) 7pt.
操作性(5pt.) 4pt.
ケース(10pt.) 7pt.
デザイン(15pt.) 10pt.
視認性(5pt.) 4pt.
装着性(10pt.) 7pt.
ムーブメント(20pt.) 14pt.
精度安定性(10pt.) 7pt.
コストパフォーマンス(15pt.) 14pt.
合計 74pt.