【89点】ロレックス シードゥエラー4000

FEATUREスペックテスト
2006.03.03

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高性能と誉高い自社キャリバー3135。精度の良さと耐久性の高さは、テンプ受けとブレゲヒゲゼンマイがものをいっている。

サブマリーナ姉妹の出来の良い末っ子

 時計界のロングセラーモデルとして、ロレックスのサブマリーナーにかなうものはまずないだろう。サブマリーナーはあらゆるダイバーズウォッチのお手本にされてきた。それは、動物界で例えるならば海亀のようなものかもしれない。腕時計の初期時代から現在に至るまで、悠久の時を超え化石のごとく存在している。デザインも50年来、基本的に変わらぬままである。

 そのサブマリーナーの一番末の妹として登場したのがシードゥエラーだ(訳者注:ドイツ語では時計は女性名詞)。“海に住む者”という意味を持つこのモデルは、サブマリーナーとはデイト表示が異なりサイクロップレンズが付いていない。ロレックスのデイト表示付きモデルの中で、拡大レンズがないのはこれだけだ。シードゥエラーのトピックスは、サブマリーナーとは比較にならないほどの高い防水性だが、それよりも単に拡大レンズのないもの珍しさからこのモデルを選ぶ人もいるだろう。しかし、拡大レンズが搭載されていないのは、非常に深く潜水したときにかかってくる、とてつもない水圧にも耐えるための配慮なのである。

サブマリーナよりも2mm厚い、1220m防水ケース

 ヘリウムガス排出バルブを装備し、主艦部をサブマリーナーよりも2mm厚く装甲しているシードゥエラーがデビューしたのは1971年である。当時は2000フィート深水のダイバーズウォッチとして登場した。そして1980年には2倍深く潜れる4000フィート、つまり1220m深水にバージョンアップ。300m深水止まりの、お姉さん格ウォッチであるサブマリーナーに4倍もの差をつけたのである。

 そもそも、ロレックスの歴史は防水性とは切り離せない関係にある。まず、ねじ込み式リュウズを採用した初の防水ケースは、1926年に同社から登場している。さらに、翌年には各メディア協賛のドーバー海峡横断遠泳の際、スイマーに防水ケースのオイスターを着用させて大成功を収めた。1954年当時、サブマリーナーは世界初の回転ベゼル付きダイバーズウォッチとして注目を集めた。