無敵のアイコンが構築するハリー・ウィンストンのラグジュアリー&スポーティー

2021.12.10

今、高級時計の世界ではラグジュアリースポーツウォッチの人気が沸騰し、その勢いはとどまるところを知らない。ハイジュエラーとしてその名を馳せるハリー・ウィンストンが手掛ける「HW オーシャン」コレクションは、その中にあって唯一無二の魅力を放つ。

プロジェクト Z15
2004年から始まった限定シリーズ「プロジェクト Z」の15作目。時・分・秒表示を独立させたレギュレーターを「プロジェクト Z」の流儀で表現。ジルコニウムをベースとした特殊合金「ザリウム」をケースに採用し、独自性と汎用性を高める。自動巻き(Cal.HW3207)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。ザリウム(直径42.2mm、厚さ10.7mm)。10気圧防水。世界限定300本。297万円。
奥山栄一:写真 Photographs by Eiichi Okuyama
鈴木幸也(クロノス日本版):文 Text by Yukiya Suzuki(Chronos Japan)
2021年12月 掲載記事

「HW オーシャン」コレクション

 ラグジュアリースポーツウォッチは「スポーツウォッチに近い性能と、ドレスウォッチ譲りの良質な外装、そして優れた装着感を持つもの」(『クロノス日本版』第97号42ページより)と定義できるが、ハリー・ウィンストンが手掛ける「HW オーシャン」コレクションも、その要件を満たす。例えば、2021年の新作「プロジェクト Z15」は10気圧防水を備え、「プロジェクト Z」シリーズ最大の特徴である特殊合金ザリウムを採用することで、高い剛性と耐食性をかなえつつも軽量化を実現。さらに低アレルギー性のため、日常生活において何不自由なく使用できる十分なスペックを持つ。

(左)メインダイアル外周に配されたミニッツトラックには、八角形のエメラルドカットのダイヤモンドから着想した「セミヘキサゴン」(六角形を二等分した造形)をかたどったインデックスが5分置きに配される。
(右)6時位置に配された30秒ごとに帰零するレトログラード式秒表示の目盛りもセミヘキサゴンのラインを描く。これまでの「プロジェクト Z」でも30秒レトログラード表示はあったが、セミヘキサゴン型は初めて。

 その実力に加えて、ブランド創業の地、ニューヨークを象徴する摩天楼やマンハッタンブリッジのトラス構造をモチーフにした立体的なダイアルデザインは、ひと目でハリー・ウィンストンと認識させる唯一無二の個性を演出する。特に、この最新作では、「キング・オブ・ダイヤモンド」と呼ばれたブランド創始者ハリー・ウィンストン本人が愛したダイヤモンドの形、八角形の「エメラルドカット」から着想した、六角形を二等分した「セミヘキサゴン」の形状を採り入れた5分ごとのインデックスと、6時側に置かれた30秒で帰零するレトログラード式秒表示のセミヘキサゴンのラインが、ハリー・ウィンストンらしさを一層横溢させている。

 ザリウムはその素材特性上、貴金属とは異なり、むしろ実用的な要素が強い。にもかかわらず「プロジェクト Z」シリーズが、見る者にあまねく〝ラグジュアリー感〞を覚えさせるのは、随所に盛り込まれたブランドを強烈に想起させる気の利いたモチーフの数々にほかならない。

(左)ストラップは一見、ファブリックのようだが、実はテキスタイルエフェクトを施したラバー製で、見た目の質感と防水性を両立している。ストラップにはおなじみの“手裏剣” マークが配される。バックルもザリウム製。
(右)センターの分針先端、12時側にオフセットされた時針とアワーマーカー、5分ごとのミニッツインデックス、さらに12時位置のブランドロゴにはブルーに光る蓄光塗料が塗布され、暗所での視認性が確保される。

 ハリー・ウィンストンが手掛ける〝ラグスポ〞のフロントランナーが「プロジェクト Z」ならば、そのリリース後に再解釈されて「HW オーシャン」から発表される新作は、そのアイコンとしての役割をさらに拡張するエバンジェリスト(伝道師)と言える。16年に発表された「プロジェクト Z10」のデザインを受け継ぎつつ、オレンジやイエローといったビタミンカラーを与えることで装いを新たにした「ザリウム バリエーション」は、ブルーを基調とする「プロジェクト Z」とは異なる、よりフレッシュでエネルギッシュな印象を放ち、一層アクティブな場面へと活用の幅を広げた。対して、昨年発表された「プロジェクト Z14」をベースにケース素材をザリウムからゴールドへと変更した「HW オーシャン・レトログラード セコンド オートマティック42㎜」は、ザリウムケースと同じ面取りされたベゼルやニューヨーク本店のファサードをモチーフにしたアーチを採り入れたケースの造形が、ポリッシュされたゴールドの輝きとヘアライン仕上げの洗練された質感の組み合わせによって、華やかさとラグジュアリー感をさらに高めた。

〝ラグスポ〞の魅力はフォーマルでもインフォーマルでも活躍するマルチパーパス性にあるが、ハリー・ウィンストンのアイコン要素をふんだんに採り入れた「HW オーシャン」コレクションは、その中にあって今や向かうところ敵なしだ。

HW オーシャン・レトログラード セコンド オートマティック 42mm
2020年に発表された「プロジェクト Z14」のケース素材をローズゴールドに変更した2021年の新作。「プロジェクト Z」シリーズの特徴であるオープンワークダイアルを踏襲し、6時位置には30秒で帰零するレトログラード式の秒表示を配する。自動巻き(Cal.HW2202)。34石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18KRG(直径42.2mm、厚さ10.7mm)。10気圧防水。555万5000円。

ザリウム バリエーション・オレンジ
2016年に発表された「プロジェクト Z10」のデザインを継承したカラーバリエーション。4時位置に曜日表示、8時位置に30秒で帰零するレトログラード式の秒表示を配したダブルレトログラード表示をマンハッタンブリッジのトラス構造で表現。自動巻き(Cal.HW3305)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。ザリウム(直径42.2mm、厚さ10.6mm)。10気圧防水。世界限定100本。280万5000円。


Contact info: ハリー・ウィンストン クライアントインフォメーション Tel.0120-346-376



 

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