理想の腕時計とは何か？ それは、僕らの想いを託すことができる分身であり、僕らに寄り添いともに歩んでいける相棒であり、僕らを鼓舞し、勇気づける存在だ。肌身離さず身に着けているからこそ、それは実用的でなくてはならない。働くときも、遊ぶときも、それは常に自分らしく自然体でいられる腕時計──。
そんなデイリーユースをかなえてくれるのが、スポーツウォッチである。
そして、スポーツウォッチは、季節の変化にも負けない強靭で堅牢なスペックを持ち、そこに豊かな個性が宿る。何よりスポーツウォッチが面白いのは、ケースに採用される素材によって、その個性にさらなる広がりを見せるところにある。それは、多様な趣味嗜好や感性と共振するかのような一体感をもたらす。1年の中で最も過酷な環境にさらされる、高温多湿な日本の夏。そんな夏をものともせずに、むしろ、その夏にこそ手元で映える“夏時計”。
モードな雰囲気をたたえる漆黒の腕時計。その艶やかで滑らかな輝きを演出するのが、ケースとダイアル、そしてベゼル上のリングに用いられたブラックセラミックスだ。部位によってポリッシュ&ブラッシュ仕上げが使い分けられ、多彩な黒を実現している。針やインデックス、ダイビングスケールの白も際立ち、ダイバーズウォッチに必要な優れた視認性の確保にもつながる。
バッグ／4万4000円、ホワイトマウンテニアリング×ミレー。問ホワイトマウンテニアリング Tel.03-6416-5381。その他／スタイリスト私物。
菊池陽之介：スタイリング
竹井 温（&’s management）：ヘア&メイク
Soche ：モデル
安部 毅：編集・文（スタイリングページ）
野島 翼、佐藤しんいち、クロノス日本版（広田雅将、鈴木幸也、細田雄人、土井康希）：文
Photographs by Masayuki Shimizu（models / mili）, Masanori Yoshie（watches）
Styling by Yonosuke Kikuchi
Hair & Make by Tazuru Takei（&’s management）
Modeled by Soche
Edited & Text by Takeshi Abe（Styling pages）
Text by Tsubasa Nojima, Shinichi Sato, Chronos Japan Edition
（Masayuki Hirota, Yukiya Suzuki, Yuto Hosoda, Kouki Doi）
ブラックセラミックスの艶やかで透き通るような輝きがeramic 漆黒に豊かな表情を与える
いわゆる焼き物であるセラミックスの魅力は、艶やかな色合いと透き通るような光沢だ。
そして金属よりも軽量ながら、一般的なステンレススティールに比して約10倍の硬度を備える。錆びることも変色することもなく、その美しさを半永久的に維持する実に優れたケース素材である。
自動巻き（Cal.8806）。35石。2万5200振動／時。パワーリザーブ約55時間。ブラックセラミックス（直径43.5mm）。300m防水。103万4000円。問オメガお客様センター Tel.03-5952-4400
自動巻き（Cal.82100）。22石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約60時間。セラミックス（直径43.8mm、厚さ13.9mm）。10気圧防水。134万2000円。問IWC Tel.0120-05-1868
自動巻き（Cal. 12.1）。27石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約70時間。高耐性ブラックセラミック×SS（直径38mm）。200m防水。数量限定発売。105万6000円。問シャネル（カスタマーケア） Tel.0120-525-519
自動巻き（Cal.HUB1280）。43石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約72時間。セラミックス（直径42mm、厚さ13.45mm）。10気圧防水。世界限定250本。281万6000円。問LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055
自動巻き（Cal.BR-CAL 301）。37石。2万8800振動／時。パワーリザーブ約40時間。マットブラックセラミックス（直径42mm、厚さ12.8mm）。100m防水。世界限定500本。71万5000円。問ベル＆ロス 銀座ブティック Tel.03-6264-3989
『クロノス日本版』編集長がアドバイス！
セラミックウォッチ選びのポイント
シャネル「J12」以降、時計業界で広まったセラミックス素材。軽い、錆びない、傷もつきにくいといった特性は、腕時計用の外装素材としてピカイチ。とはいえ、いくつかの注意点がある。
例えばホワイトセラミックス。無名メーカーの使うものは、つなぎに使われる樹脂が変色して、だんだん色が変わってしまう。できれば、定評のあるメーカーのものを選ぶこと。また、落とすと、ケースが欠けたり、最悪割れたりする場合がある。仕上げ直しができないため、その場合はケース交換の必要がある。丈夫だが、扱いには気をつけること。
