日付ディスクの文字がムーブメント造形を隠さないデザイン性と、中空のチタン製ケースによる軽量化。新しいサブマーシブルは野心的な1本だ。
Text by Shin-ichi Sato
Edited by Yuto Hododa (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年7月号掲載記事]
デザイン性と軽量化を追求したダイバーズ
「サブマーシブル GMT」は、かつてないほどに野心的な1本だ。ダイビングに適した高い防水性能を備えながら、軽量で、軽快に仕立てている。目を引くのは文字盤とムーブメントのスケルトナイズである。船舶で用いられるネットを意匠として取り入れ、中央部にはベルトでつながれたプーリーを思わせる造形を配置。センターには時分針に加えて12時間式のGMT針が配される。

海洋から着想を得たスケルトンデザインのムーブメントと、DMLSによって中空に仕立てた軽量なチタン製ケースのGMT表示モデル。ベゼルにはマットブルーのセラミックディスクを組み合わせ、ストラップもブルーのラバー製となっている。自動巻き(Cal.P.4001/S)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径47mm)。500m防水。749万1000円(税込み)。
また、9時位置にはGMT針と連動する昼夜表示と、同軸のスモールセコンドを備える。3時位置の日付表示は、日付窓部分に設置されたフィルターを通した時のみ、透明に見える日付ディスク上の文字を読み取ることができる偏光日付システムである。このシステムにより利便性を確保しつつ、ムーブメントは日付ディスクに覆い隠されず、機構を鑑賞可能となっている。また、薄型化に寄与するマイクロローターを採用しており、パワーリザーブ表示はケースバック側に配されている。

もうひとつの注目点である本作のケースは、直接金属レーザー焼結(DMLS)によって製造されたものだ。ケース径は47mmと存在感があるが、持った感じは極めて軽量。DMLSとは、粉末の金属をレーザーによって焼結しながら成形する技術で、本作はグレード5チタン製となっている。
軽量の秘密はここにある。積層して形を作るDLMSの特性を活用し、本作は機械加工では難しい中空構造のケースを実現したのだ。これにより無垢のチタン製ケースより25%、スティール比では50%以上もの軽量化を達成している。さらに、軽量にもかかわらず本作は500mという優れた防水性能を確保している。表面はサンドブラスト仕上げによるマットな質感で、ストイックなツールウォッチのテイストを醸し出している。



