技術研鑽の歩みを知る。シチズンが光発電エコ・ドライブ誕生50周年記念イベントを開催【6月14日まで】

2026.06.13

2026年6月13日(土)、14日(日)の2日間にわたって、シチズンは東京の表参道ヒルズで光発電「エコ・ドライブ」誕生50周年記念イベントを開催する。国内初公開のアーカイブが並べられるほか、体験型コンテンツも用意されており、国産時計愛好家はもちろん、ライトユーザーや家族、恋人、友人同士で立ち寄るのに適したイベントとなっている。

鶴岡智恵子(クロノス日本版):写真・文
Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2026年6月13日公開記事]


光発電「エコ・ドライブ」が誕生50周年!

 光を電気に換えて駆動するソーラーウォッチ。一次電池と異なり、繰り返し充電しながら使えるため、定期的な電池交換を必要としない。近年では国産時計ブランドのみならず、カルティエやタグ・ホイヤー、ティソといったスイス時計ブランドも展開をスタートさせており、各社の技術力の進化には毎年目を見張るものがある。

 このソーラーウォッチで存在感を示す国産ブランドがシチズンだ。シチズンは1976年8月、世界で初めてとなる太陽電池充電式のアナログソーラーウォッチ「シチズンクリストロンソーラーセル」を発売。以降、技術研鑽を重ね、現在では手頃で高品質なモデルはもちろん、かつて高級感を持たせにくいと言われていたソーラーウォッチの課題を克服したハイエンドモデルや、GPS受信機能を備えた多機能モデルなど、幅広い、そして深い製品展開を行っている。

クリストロン ソーラーセル

1976年8月に発売された「シチズンクリストロンソーラーセル」。当時の販売価格は4万5000円だったという。現在は生産終了。

 そんなシチズンにとって、2026年はシチズンクリストロンソーラーセルの誕生から50周年の節目を迎える。「シチズンの光発電時計を世界中の人々に伝える」ことを目指し、1990年代半ばから光発電時計に名付けられた「エコ・ドライブ」にフォーカスした特別なイベントが2026年6月13日(土)、14日(日)の2日間にわたって表参道ヒルズで開催されることに。

 このイベントのコンセプトは“Powered by Any Light”だ。開催にあたってシチズンは、「『エコ・ドライブ』の腕時計があらゆる光をエネルギーに換えて時を刻み続けるように、身に着ける人それぞれの輝きが未来や社会を明るく照らし、前進させる力があるというメッセージをさまざまなコンテンツを通してお届けします」というメッセージを発している。

 イベント会場では50本以上のアーカイブが展示されることに加えて、製品のデザイン画やプロトタイプ、文字盤やムーブメントパーツも用意される、国産時計愛好家にとって垂涎の会場となっている。一方で展示品に細やかな説明が加えられていたり、体験型コンテンツが用意されていたりもするので、家族連れや友人、恋人同士で訪れても楽しいだろう。

イベント概要

イベント名:Eco-Drive 50th Anniversary Event
日時:2026年6月13日(土)11時~20時(最終入場19:30)、6月14日(日)11時~18時(最終入場17:30)
場所:表参道ヒルズ 本館B3F スペース オー
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目12
入場:無料/事前予約優先
※予約状況により、当日案内可能な時間帯を設ける場合あり。
▼予約はこちらから
https://peatix.com/event/4980858


エコ・ドライブ50周年の進化に触れる

 開催日の前日、本イベントのプレス向け内覧会があったため、私も行ってきた。これまで一般ユーザー向けの展示会をあまりやってこなかったシチズンが開催する大規模イベントだけあり、時間がいくらあっても足りないと感じてしまうほど、見どころにあふれるものであった。

メイン会場に向かう通路だけで30分くらい滞在したくなる

1924年、シチズン時計の前身である尚工舎時計研究所で製造された懐中時計。シチズン時計にとって第一号製品となる。東京市長であった後藤新平に「CITIZEN」と名付けられ、その後、この名称が社名にも取り入れられた。

 メイン会場に続く通路には、エコ・ドライブ以前の、シチズンの草創期から発展期にかけてのアーカイブが展示されている。同時に、古い工具や工作機械、あるいはアーカイブが販売されていた時代の広告、そして現在の時計製造の工程が撮影されたムービーが展示されており、メインではないにもかかわらず、すでに見どころが多数用意されていた。

みんな大好き「ANA-DIGI TEMP」。1982年製。

メイン会場に向かう通路だけで30分くらい滞在したくなる

 メイン会場に出ると、広々とした空間に歴代モデルが並べられていた。1976年発表はもちろん、プロトタイプまでもが公開されているのだ。

太陽電池充電式腕時計のプロトタイプ。シチズンクリストロンソーラーセルが太陽電池を8枚備えていたことに対し、5枚を扇形にレイアウトしている。

 またモデルによってはパーツやデザイン画が用意されていたり、製品化までの熱心な試行錯誤を思わせる試作品も展示されていた。

2012年発表の「Eco-Drive RING」。ケース側面から動力を取り込むというユニークなエコ・ドライブウォッチである。近年ではデザインとしてケースサイドをシースルーとするスイスブランドも見られるが、美観のみならず機能面での役割を果たすというのがさすがシチズン。

Eco-Drive RINGの文字盤パーツ。

これまたみんな大好き、「ザ・シチズン」Cal.0100搭載モデル。試作サンプルやムーブメントパーツの展示も必見。

 今年発表された50周年記念限定モデル「Eco-Drive PHOTON」も国内で初めてお披露目されており、かつタッチ&フィールも楽しむことができる。

「Eco-Drive PHOTON」の実機。肉抜きされた文字盤の下に、さらに構造色文字盤が配置されており、光が当たる角度によって多彩な表情を見せてくれた。スーパーチタニウム™製なので軽くて耐傷性に配慮されているのも実用時計の作り手であるシチズンらしい記念モデル。

 ちなみに読者の皆さんにも注目してほしいのが、モデルによって一緒に並べられている「DESIGNER’S EYE」「ENGINEER’S EYE」という、デザイナー、エンジニアからのコメント。文章から、並々ならぬ製品への愛、技術研鑽への邁進が伝わってきて、私も原稿を書く時に参考にしなくてはと思わされるものばかりなのだ。

参加型コンテンツも楽しい

 エコ・ドライブを体を動かしながら体験できるコンテンツも用意された。ムーブメントがどのような構造になっているか学べる「Eco-Drive Mechanism Experience」、どんな光でもエネルギーとなることを直感的に体験できる「Powered by Any Light Challenge」、そしてカプセルトイコーナーがあるので、楽しんでほしい。


身近なソーラーウォッチの歴史と技術革新に触れる

 シチズンのソーラーウォッチを所有している時計愛好家は少なくないだろう。便利で扱いやすいソーラーウォッチは気軽にデイリーユースできる一方で、その製品化には技術研鑽や審美性の追求という歴史があってこそなのだと、今回のシチズンのイベントで改めて実感した。

 わずか2日間の開催はもったいないほどの充実したこのイベント、時間が許す読者は、ぜひ足を運んでみてほしい。



Contact info:シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807


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