ベートーヴェンに敬意を表したノモスの新作4本はまさに“調和のとれたカルテット”だ

FEATUREWatchTime
2020.03.11

ルードヴィッヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)は言うまでもなく、世界で最も有名な作曲家のひとりだ。ドイツ(当時は神聖ローマ帝国)のボンで生を受けたベートーヴェンを誇りに感じ、バッハやブラームスと並んで3Bと称するドイツ人にとって、彼の生誕250年を迎える2020年は特別な年に違いない。それを証明するかのように、同じくドイツ生まれであることを誇りにしているノモス・グラスヒュッテより、ベートーヴェンにちなんだモデル名を与えた4つのモデルが発表された。

テトラ ベートーヴェン

(左)ノモス「テトラ 不滅の恋人」
(中左)ノモス「テトラ 歓喜の歌」
(中右)ノモス「テトラ 神々の霊感」
(右)ノモス「テトラ フィデリオ」
いずれも手巻き(Cal.アルファ)。17石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約43時間。SS(縦29.5×横29.5mm、厚さ6.3mm)。3気圧防水。26万9500円(税別)。
Originally published on watchtime.com
Text by Mark Bernardo

ノモスが送る4つのベートーヴェンモデル

 テトラの4つの新作は神聖ローマ帝国のケルン大司教領、つまり現在のドイツに生まれたベートーヴェンの生誕250周年を祝すべく誕生した。そのため、いずれのモデル名もベートーヴェンに由来している。

テトラ 神々の霊感

 具体的に見ていこう。コッパーカラーの文字盤を備える「テトラ 神々の霊感」はベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調作品125番(いわゆる第九)コーラス部の最初のフレーズから。オリーブグリーンダイアルの「テトラ 歓喜の歌」は言わずもがな第九の第4楽章のフレーズ。ターコイズのダイアルが美しい「テトラ 不滅の恋人」は1812年にベートーヴェンが送った恋文の一節、そしてダークブルーの「テトラ フィデリオ」はベートーヴェン唯一のオペラのタイトルより付けられている。

テトラ 歓喜の歌

 ノモスでは今回紹介したカラフルな4つの新作はケース径が縦29.5×横29.5mmと小径のため、レディースモデルとして考えているようだ。しかし、手首の細い男性にとっても魅力的に映るに違いない。

テトラ 不滅の恋人

 全てのモデルに同色のステッチを効かせたグレイのベロアレザーストラップが用意され、文字盤のカラーは4色展開となっている。

テトラ フィデリオ

 4モデル共にドイツの高級時計製作の故郷、グラスヒュッテにある工房で自社製造される手巻きムーブメント、Cal.アルファが搭載。直径わずか23.3mm、厚さ2.6mmのムーブメントは3/4プレートやグラスヒュッテ式の退却型コハゼなど、“グラスヒュッテ様式”とも呼べる作りが取り入れられている。また、ラチェットとリュウズの歯車にはサンバースト仕上げ、ネジは青焼き、地板とブリッジには伝統的なグラスヒュッテ・ストライプやノモス独自のペルラージュモチーフが施される。

Cal.アルファ


Contact info: 大沢商会 Tel.03-3527-2682