2023年 IWCの新作時計まとめ

FEATURE2023年新作時計
2023.03.30

Watches & Wonder 2023で発表されたモデルを中心に、IWCの2023年新作をまとめて紹介する。最も注目を集めたのは、“ジェンタ”デザインで復活を遂げた「インヂュニア・オートマティック 40」。ほかにもIWCのセラミックケースを持つパイロットクロノグラフとしては初の41mm径を実現した「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン」も発表された。


インヂュニア・オートマティック 40

インヂュニア・オートマティック 40

IWC「インヂュニア・オートマティック 40」
自動巻き(Cal.32111)。21石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.8mm)。10気圧防水。156万7500円(税込み)。

 1970年代のジェラルド・ジェンタによるデザインを色濃く受け継いだ「インヂュニア・オートマティック 40」が発表された。初代インヂュニアからの伝統である高い耐磁性能も復活した。

 55年発表の初代インヂュニアは軟鉄製インナーケースを備えることで8万A/mの耐磁性能を実現した、IWCのアイコンである。名前の由来はドイツ語とフランス語の“エンジニア”であり、電気機械の普及が進む時代のエンジニアに向けたモデルであった。

インヂュニア・オートマティック 40

IWC「インヂュニア・オートマティック 40」
自動巻き(Cal.32111)。21石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.8mm)。10気圧防水。156万7500円(税込み)。

 76年にジェラルド・ジェンタによるデザインで「インヂュニア SL(Ref.1832)」として刷新され、そのデザインは現在でもファンに支持されている。

 新作である「インヂュニア・オートマティック 40」は、インヂュニア SLの 5個の凹みのあるねじ込み式ベゼル、グリッドダイアル、H型リンクの一体型ブレスレットといった特徴を備えつつ現代的な解釈が加えられている。

インヂュニア・オートマティック 40 ブレスレット

 SLに対してリュウズガードが追加された他、ブレスレットのセンターリンクをはじめとしてポリッシュが併用され、その品質は昨今のIWCに準じた良好なものとなった。

インヂュニア・オートマティック 40

IWC「インヂュニア・オートマティック 40」
自動巻き(Cal.32111)。21石。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径40mm、厚さ10.8mm)。10気圧防水。156万7500円(税込み)。

 約4万4000A/mの高い耐磁性能を備えつつ厚さ10.8mmに抑えられており、ラグ間距離45.7mmと湾曲されたケースリングによって良好なフィット感も期待できる。ムーブメントは巻き上げ効率が高く、パワーリザーブ約120時間を備えるCal.32111であり、実用性も高い。

 SSケースモデルとしてブラック、シルバーカラー、アクアの3つのダイアルカラーと、Tiケースにグレーダイアルの合計4モデルが用意される。

インヂュニア・オートマティック 40 チタンケース

IWC「インヂュニア・オートマティック 40」
自動巻き(Cal.32111)。21石。パワーリザーブ約120時間。Tiケース(直径40mm、厚さ10.8mm)。10気圧防水。195万8000円(税込み)。





パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン

パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン “オセアナ”

IWC「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン “オセアナ”」
自動巻き(Cal.69380)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。セラミックケース(直径41.9mm、厚さ15.5mm)。10気圧防水。156万7500円(税込み)。

 アメリカ海軍の戦闘機戦術教育特別コース、通称”トップガン”との協力関係によって開発されたパイロットウォッチ「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン」に新たなふたつのバリエーションが追加された。いずれも同社のセラミックケースを持つパイロットクロノグラフとしては初の41mm径だ。

 ブルーモデルは、アメリカ海軍の空母艦上でメカニッククルーが着用するオーバーオールに着想を得たもので、Pantoneの協力の下で開発された「オセアナ」カラーのセラミックスを採用する。

 ダイアルもケースカラーとマッチするブルーが採用される。また、ラバーストラップの表面にも、ブルーデニムの布製インレイが与えられ、トータルコーディネートがなされている。

 面積の広い蓄光部を備えるダイヤ型の針は、ベースがブラックで引き締まった印象を備える。プッシュボタンと裏蓋はチタン製となり、セラミックス製のケースと相まって軽量さが追求されている。

パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン

IWC「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41・トップガン」
自動巻き(Cal.69380)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。セラミックケース(直径41.9mm、厚さ15.5mm)。10気圧防水。121万1100円(税込み)。

 ブラックモデルは「ジェットブラック」の酸化ジルコニウム・セラミックケースを採用する。ジェットブラックセラミックは、超音速ジェット機の技術部品にインスピレーションを受けたもので、2007年にIWCトップガンが確立されて以来、このラインの特徴的な素材となってきた。

 この特徴的なケースカラーとあわせて、ダイアルとストラップもブラックに統一されている。プッシュボタンと裏蓋はチタン製であり、軽量な着用感が期待できる。

 共に搭載されるのは自動巻きクロノグラフムーブメントCal.69380だ。クロノグラフCal.6900系は堅牢性、信頼性、耐久性を重視して設計されているほか、分積算計を12時位置に配置することで視認性を高めるなど、厳しい任務で誤認識を防ぐ配慮がなされている。

 また、軟鉄製インナーケースが組み込まれ、電子機器に囲まれたコックピット内でも磁気の影響を受けづらいよう対応されている。そのほか、急激な気圧低下にも耐えられるように風防に特別な固定方法が取られるなど、トップガンに向けたモデルとして細部が煮詰められている。

トップガン ケースバック



Contact info: IWC Tel.0120-05-1868



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