ヴァシュロン・コンスタンタン スポーティエレガンスを着替える

2017.02.07

スティールブレスレットが演出してくれる
ジェットセッターの行動力

ビジネストリップといえどもフライト時はジャケットスタイルが快適といえるだろう。時計もスティールブレスレットに着替えれば、そのシャープな存在感が軽快な着こなしを行動力あふれる装いに昇華してくれる。ジャケット:9万8000円(タリアトーレ)、シャツ:3万5000円(ルイジ ボレッリ)、パンツ:3万5000円(PT01)。すべてビームスF 03-3470-3946/肩にかけたセーター:11万2000円(キートン)。キートン 0120-838-065/トロリーケース:23万円(ファブリカ ペレッテリエ ミラノ)。サン・フレール 03-3265-0251

オーヴァーシーズ・ワールドタイム
ブルーダイアルのワールドタイマーを、付属のスティールブレスレットに換装。自動巻き(Cal.2460WT)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SS(直径43.5mm)。390万円。


すべてが洗練された第3世代オーヴァーシーズ、
インターチェンジャブル・ストラップの利便性

 2016年のフルチェンジを経て、第3世代へと進化したオーヴァーシーズ。ヴァシュロン・コンスタンタンが擁する〝スポーティエレガンス〟の象徴である。同社アーティスティックディレクターを務めるクリスチャン・セルモニ氏が強調するように、新しいオーヴァーシーズの本質は、〝スポーツではなくスポーティ〟。そうしたキャラクターの変化は、よりソフィスティケートされたデザインの随所から読み取ることができよう。前作の8葉から6葉へと変化を遂げた、マルテーゼクロスを模したベゼルにも目が馴染んできた現在ならば、その裏側に隠された緻密なディテールの数々にまで、注意を向けることができるだろう。ケースのラウンド感を強調するために、ベゼル下に配された(外端部分がケースからはみ出すほど)オーバーサイズのプレート。ベゼルの幅を絞ってダイアル開口部を大きく取り、さまざまな仕上げを駆使して〝アニメーション効果〟を持たせたダイアルをより強調する手法。ケース側面をバックケース側に向かって絞り込み、ケースボリュームに軽快感を加味する手法など、新しいオーヴァーシーズに盛り込まれた〝ラグジュアリーウォッチ然としたディテール〟は枚挙に遑がない。このあたりは本誌2016年5月号、7月号に詳しいが、再読していただければ、既に本機を手にしているユーザーでも新しい発見があるだろう。新しいオーヴァーシーズのディテールは、目に馴染んでくるに従って、より深みを増すようだ。

第3世代オーヴァーシーズで初採用されたブレスレットのインターチェンジャブル・システム。一体化されたラグの中央部分に、ブレスレット先端の“ハーフマルテーゼクロス”部分で固定。

 また分割式のラグを採用していた第2世代までに対し、第3世代のラグは一体式に改められている。〝プロ〟と呼ばれるセンターピンを介してラグを接続していた第2世代までは、ブレスレット仕様では目立たないものの、レザーストラップを取り付けた際に、〝デザインの流れ〟が断ち切られてしまったという。第3世代オーヴァーシーズで実現された流麗なケースフォルムは、このラグデザインの変化も大きい。さらにインターチェンジャブル式のストラップを初採用したことで、第3世代オーヴァーシーズには、新たな楽しみが加えられることになった。全モデルに2〜3種類のストラップが付属し、簡単に脱着交換が可能なのである。