日付表示窓大型化への挑戦

2017.04.11

H.モーザー エンデバー・パーペチュアル・カレンダーゴールデンエディション
視認性に優れたシンプルで機能的な永久カレンダーに加え、7日間のロングパワーリザーブも魅力のひとつ。9時位置に置くパワーリザーブ計もまた、造作はさりげなく、ミニマルな外観に影響を与えない。手巻き(Cal.HMC 341)。28石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約7日間。18KRG(直径40.8mm)。3気圧防水。1300万円。

Cal.HMC 341
ツインバレルによる7日巻き。また、単独で取り外し、調整・修理を容易にする独自のモジュール型脱進機を備える。1万8000振動/時のロービートは、好事家向き。リュウズは1段引きでカレンダー、2段引きで時刻合わせが行えるが、1段引きで必ず一度停止するダブル・プル・クラウンと名付けられた機構を備え、誤操作を防ぐ。パーツのほぼすべてにゴールドを用いた特別仕様。


吉江正倫:写真 Photographs by Masanori Yoshie
髙木教雄、広田雅将:取材・文 Text by Norio Takagi, Masayuki Hirota

カレンダー機構の外観をモダンにし、省スペース化を図ることができる窓表示は、一方で、開口部のサイズに限界があり、それが視認性を損なう原因となる。
表示窓の巨大化は、視認性を高める上で、またカレンダー表示を際立たせるデザイン的なアプローチとしても取り組むべき大きな課題であろう。
H.モーザーの永久カレンダーは、この日付表示の巨大化に挑み、見事に美しく、機構的にも優れた解決策を見いだした。
複雑機構でありながら、シンプルを極めたダイアルであるが故に際立つ大きな日付表示窓は、見やすいだけでなく、その切り替わる動きにも見せ場を持つ。