モデル、女優、歌手、映画監督と多彩な才能を発揮する池田エライザ。「自撮りの神」として時代を先取りするSNS戦略でブレイクした彼女が、2021年からアンバサダーを務めるのが「セイコー ルキア」だ。池田エライザ、そしてセイコー ルキアとも、どちらも相反する魅力を併せ持つ、似たもの同士の関係性なのである。
Text by Yukaco Numamoto
土田貴史:編集
Edited by Takashi Tsuchida
[2025年6月29日掲載記事]
「セイコー ルキア」のイメージキャラクターに抜擢
常に新たな挑戦を続け、多彩な才能を輝かせる池田エライザ。現在、NHKで放送中の連続TVドラマ「舟を編む~私、辞書つくります~」では、元読者モデルで人気ファッション誌の編集部から突如、辞書編集部に異動になった主人公の岸辺みどりを演じ、話題となっている。
「セイコー ルキア」のイメージキャラクターには2021年に就任。自身がプロデュースした2本の限定モデルは、ブランド通算999本目と1000本目に当たる記念すべき製品だ。そして2024年にはフラワーガーデンをテーマにした新作のCMに出演するなど、彼女の活動は多岐にわたり、CMやメイキングムービーでは多彩な一面を披露する。
プロデュースした時計に対しては、このようにコメントしている。
「自分の二面性を表してくれるような、キレイだけど斬新さがあるとか、自分らしさの感じられる時計を、もっともっと欲張ってほしいなと思ってデザインしたのが、今回の2種類の時計です。自分が描いた理想どおりの形になっていると思います」
モデル出身らしく腕時計をコーディネートすることにも触れ、「カジュアルなTシャツにデニムやスラックスという格好にはオールブラックを着けて、今日はハンサムにいきたいなとか、そういう気持ちを助けてくれるような存在として使いたいですね」と、語っている。
並外れたチャレンジ精神と時代を先読みする感覚
ファッション雑誌のモデルとして2009年にデビュー。わずか半年足らずという異例の速さで表紙を飾ったのは、持って生まれた素質もあるのだろう。モデルとして活動するかたわら芸能界入りを果たし、2011年に「高校デビュー」で映画初出演。globeの楽曲「FACE」のミュージックビデオで主演を務めるなどの経験を重ね、2019年にはホラー映画「リング」シリーズの「貞子」にて、主役の座を射止めている。さらに同年、「夏、至るころ」では映画監督に初挑戦するなど、その活動範囲は驚くほど幅広い。
「ぐるぐるナインティナイン グルメチキンレース・ゴチになります!23」といったTVバラエティにも出演しながら、音楽番組の司会役にもチャレンジ。2021年以降はELAIZA名義で音楽アーティストとしても活動を開始し、さらにはスチールカメラマンの仕事をこなすなど、マルチな才能を発揮し続けている。
ちなみに、池田エライザの名前が知られたきっかけのひとつに“自撮り”がある。「現代は自らの情報は自ら発信するのが得策である」という考えのもと、所属事務所のスタッフらがまだ誰もアカウントを取得していなかったツイッターを始め、無名時代から次々とフォロワーを獲得。投稿する自撮り写真が評価され「自撮りの神」の異名を得るようになったエピソードも有名だ。
2014年に自身のツイッターアイコンとして口元をつまんで唇を尖らせたポーズをとった自撮り写真を使ったところ、ファンによって「エライザポーズ」と名付けられ、同年に出演したバラエティ番組内で紹介されるとさらなる反響を呼んだ。世界で活躍する俳優の浅野忠信がシンガーソングライターの岡村靖幸との写真でエライザポーズをとるなど、芸能界にもエライザポーズは浸透。時代を先読みしたSNS戦略が功を奏した形となった。
インスタグラムでルキアとの思い出を共有
2020年にツイッターでの発信終了を報告し、現在はインスタグラムに絞って情報発信することを宣言。プライベートな日常から仕事の舞台裏まで、彼女らしい感性で切り取った投稿は多くのファンを魅了し続けている。その中でも注目すべきは、アンバサダーを務める「セイコー ルキア」との自然な関係性だ。
2025年6月17日の投稿では、ボーダーのカットソーにRef.SSQV099ブラックを合わせたオフショットを公開し、「私の相棒はSSQV099ブラックで華奢なデザインがお気に入り。作品でもお衣装に合わせてたまにつけたりします!」とコメントしている。
この投稿からは、単なる商品PRを超えた、本当に愛用している様子が伝わってくる。艶感のある鏡面仕上げをリクエストし、クールなイメージの中に繊細なダイヤモンドが煌めくデザインバランスにこだわった自身のプロデュース製品を、撮影現場でも私生活でも身に着けているという事実は、池田エライザとルキアの深い結びつきを物語っている。
「セイコー ルキア」ブランド999本目のRef.SSQV099
本作について、池田エライザは発売時のインタビューで次のように語っている。

ソーラー電波クォーツ(Cal.1B35)。Tiケース(直径28mm、厚さ7.6mm)。10気圧防水。国内限定700本。11万円(税込み)※2021年11月6日発売当時。現在はほぼ完売。
「個人的にすごく魅力が詰まっているなと思っているのは、6時から11時のところにダイヤモンドが施されているところです。オールブラックというと、ちょっとカッチリしていたり、勇ましかったり、かっこいいというイメージがあるかもしれないですけど、近くで見ると、すごく美しい繊細なダイヤが施されているんですよ。そういうかっこよさと美しさのバランス感覚が今を生きる女性にすごくハマるんじゃないかなと思い、私自身もそんなぜいたくな時計があったらいいなと思ってデザインしました」
相反する魅力が同居するものに引かれ、自身もそういう存在でありたいと考えている池田エライザ。オールブラックの力強さの中に繊細なダイヤモンドの輝きを宿すRef.SSQV099は、まさに彼女の理想を体現した一本である。
モデルとして始まったキャリアから、女優、歌手、映画監督、そしてフォトグラファーまで、ジャンルの壁を軽やかに飛び越え成長していく姿は、目を見張るものがある。「自撮りの神」として時代の先を読み、SNSという新たなステージで自らの可能性を切り拓いてきた彼女の歩みは、常に革新を求め続けるルキアブランドの姿勢と重なって見える。
年齢が読めない艶っぽさと、あどけなさも感じさせる不思議な魅力。相反する要素を自然に併せ持つ池田エライザと、クールさと美しさを両立させるルキアとの組み合わせは、一つの枠に収まらない自分らしさを追求する現代女性にとって、まさに理想的なロールモデルと言える。仕事では凛としたプロフェッショナルでありながら、プライベートでは自然体の魅力を発揮する。そんな多面的な女性像を、池田エライザとルキアは共に体現しているのだ。