ジン(SINN)「356.SA.FLIEGER.Ⅲ」/ 編集部の気ままにインプレッション

FEATUREインプレッション
2020.01.22

「クロノス日本版」の精鋭?エディターたちが、話題の新作モデルを手に取り好き勝手に使い倒して論評する連載企画。
今回のテスト機は、ドイツが誇るジンの「356.SA.FLIEGER.Ⅲ」だ。直径38.5㎜のオールドスタイルの自動巻きクロノグラフだが時代の変遷を経て、よりブラッシュアップされていた。

356.SA.FLIEGER.Ⅲ


ジンの定番クロノグラフを試してみたら

356.SA.FLIEGER.Ⅲ

文字盤の仕上げはジンらしからぬ放射状のギョーシェ彫りが施されているが、彫りは余り深くなく、ドレッシーな感じはない。スマートなミリタリークロノグラフといった趣だろうか。

クロノグラフの操作感は節度があって快適

 初出は1996年。わずか20数年前のリリースである。にもかかわらず、このモデルにはどこか枯れた古典の趣が強い。今回のインプレッションモデルであるジンの「356.SA.FLIEGER.Ⅲ」である。ケースの厚みは15㎜あるものの、直径はわずか38.5㎜。ここ数年で登場した数多くクロノグラフにおいて、メンズ仕様で38.5㎜は数えるほどもないのではないか。加えてケースはマット仕上げ、スリーインダイアルにデイデイト表示というスペックである。かつてのクロノグラフに求められたフルスペックをこの時計は備えている。ベゼルは細く、したがって文字盤は大きくレイアウトされているが、やはりサイズゆえだろうか、凝縮感が際立つ。白いステッチが入った型押しのブラックカーフ、もしくは5連のブレスレットが揃うが、やはり気分としては型押しのカーフだろう。実直にして実用性をひたすら追求した、ドイツ製クロノグラフ ならではといった好サンプルだ。

 新しい356.SA.FLIEGER.Ⅲのダイアルはシルバーのベースにギョーシェ仕上げが施されている。事前情報として聞いていたのでジンらしからぬ仕上げだなと思ったのだが、現物を手に取ると、ギョーシェはそれほど深くなく、ドレッシーに依らないギリギリの案配がなんとも心憎い。

 ピンバックルを通して腕にのせてみる。型押しのカーフはやや硬いかなという印象だが、時間の経過とともに馴染んでくるだろう。驚いたのはやはりサイズ感だ。この連載で立て続けにオーバー40㎜の時計を着用しているからだろうか、38.5㎜というサイズが驚くほど小さく感じられる。これで厚さが10㎜前後であればパーフェクトな付け心地となるだろうが、搭載するSW500の厚みを考えるとやむなしといったところだろうか。

 クロノグラフの操作感はなかなか心地よい。ETA7750のような硬いプッシャーの押し加減を想像すると、ちょっとびっくりする。垂直クラッチのムーブメントには及ばないものの、操作性はなかなか節度がある。つまり、軽すぎず、重すぎもしないのだ。インプレッション中に何度もクロノグラフの操作をしたが、針飛びなどの不良は、いうまでもなく皆無だ。また、着用から数日経って、別の(40㎜オーバーの)時計を身につけてみると、その大きさに今度は軽い違和感を覚えるようになった。わずか数㎜とはいえ、サイズ感がもたらす錯覚には驚かされる。

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