カルティエが東京・銀座2丁目のブティックで、没入型ポップアップイベントである「INTO THE WILD」を開催中だ。期間は11月3日(月・祝)まで。会場であるブティックに足を踏み入れると、そこには趣向を凝らした「パンテール」の世界、そしてカルティエが長い歴史の中で築いてきたブランド価値とサヴォアフェールを体感できる、特別な空間が広がっている。

Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2025年10月29日公開記事]
【11月3日】まで。カルティエ 銀座2丁目ブティックで「INTO THE WILD」が開催
カルティエは東京都中央区銀座2丁目に構えるブティック、「Maison de Panthère(メゾン ドゥ パンテール)」にて、没入型のポップアップイベントである「INTO THE WILD」を開催中だ。このイベントでは、今年このブティックのテーマとなった、カルティエのエンブレムであるパンテール(豹)の世界観を存分に楽しめるプログラムが用意されている。
今回、メゾン ドゥ パンテールとなってからは、このブティックにとって初イベントとなるINTO THE WILDに行ってきたので、これから訪問する読者は本記事を参考にしてほしい。
イベント概要
【期間】2025年10月22日(水)〜11月3日(月・祝)
【時間】11時〜20時(19時最終入場)
【場所】Maison de Panthère(メゾン ドゥ パンテール)
カルティエ 銀座2丁目ブティック:東京都中央区銀座2丁目6-12
【入場料】無料
【予約方法】入場は要予約。カルティエLINE公式スペシャルサイトにて、来場日時を選択のうえ、予約することができる。
公式サイト:https://miniapp.line.me/cartier/events/intothewild
各種プログラムを通じて、カルティエを知っていく
銀座2丁目の、いつものブティックの扉から一歩足を踏み入れると、まったく異なる世界が広がっていた。
出迎えるのは、天井からきらびやかに釣り下がる、オーナメントだ。

このオーナメントはひとつひとつがレオパードとなっているのみならず、全体で1匹のパンテールが表されており、背面の壁にはその影が映し出されている。
そんな特別なお出迎えで始まる今回のイベントで用意されるプログラムは、大きく分けて6つだ。カルティエの歴史の中で「パンテール」がどのように生まれ、どのような歴史をたどってきたのかに加えて、カルティエの卓越したサヴォアフェールを見て、聞いて、触って楽しめる、まさに“没入型”のプログラムとなっている。
カルティエとパンテールの歴史

カルティエとパンテールの歴史を知るプログラムがこちら。パンテールが1914年、初めて同社の歴史に登場してから現代に至るまでの、100年以上にわたる歴史を、壁いっぱいに広がる映像で観賞することができる。
1914年の初代パンテールを筆頭に、次々と表れる名作の数々は、映像の中でも語られていたように、いずれも「エレガントで直感的で、カルティエの歴史になくてはならない存在」だ。
ジャンヌ・トゥーサン

ジャンヌ・トゥーサンをご存じだろうか? 彼女は1933年から約40年にわたってカルティエでクリエイティブディレクターを務めたデザイナーであり、1948年に発表されたブローチをはじめとした、アイコニックなパンテールの名作を生み出したことから、自身も“ラ パンテール”と称された女性である。
このプログラムは、彼女がデザインを生み出した静謐なオフィスから始まる。トゥーサンと彼女が生きた時代のフランス・パリ、そして彼女が生み出した作品の数々がプロジェクションマッピングでオフィスいっぱいに映し出され、観客は彼女の物語に引き込まれていく。

「パンテール」のデザインコード

2階に上がると、鏡張りの空間に誘われた。このプログラムはパンテールのデザインコードを表したものだ。力強さ、人々を引きつける魅力、揺るぎない気高さが息づくカルティエの創造性の究極を表現するパンテールは、「ナチュラリスト」「グラフィック」「アブストラクト」という3つのデザインコードに分類されており、会場にはそれぞれのコードに即して描かれた作品が展示される。

なお、ナチュラリストはパンテールそのものが、グラフィックはパンテールの一部が、アブストラクトはパンテールを表す抽象的な要素がモチーフとなったデザインを有している。
サヴォアフェール

サヴォアフェールのスペースでは、パンテールの製造に欠かせない、カルティエの匠の技が紹介されている。デザイナー、彫刻職人、鋳造職人、ジュエリー職人、宝石鑑定士、宝石細工職人、研磨職人、石留め職人らといった、それぞれの分野のエキスパートの匠が結集されることで、カルティエが求める高い水準を満たした作品が製造される様を、彼・彼女らの丁寧な仕事を通して学ぶことができる。

サヴォアフェールが結実して生み出されたハイジュエリーを、什器越しとはなるものの、実際に見ることができるのも本イベントの醍醐味だ。
ワイルド ファウナ

ワイルド ファウナとは、野生的な動物を意味している。このプログラムではパンテールのみならず、さまざまな動物を主役としたカルティエのジュエリーが展示されている。
カルティエが描く自然は、女性らしさ、自由、そしてありのままの自分を受け入れる姿勢に満ちている。そうした共通のビジョンが、動植物を取り入れた作品の中にも息づいており、飼い慣らすことのできない野生動物の獰猛さもが表現されている。ワイルド ファウナでは、そんなカルティエの一面を知ることができるだろう。

アニメーション作品『LA PANTHÈRE DE CARTIER』

会場内に用意されたシアタールームでは、クリエイティブパートナーである漫画家の浦沢直樹をはじめ、日本を代表する俳優陣が制作に携わったアニメーション作品、『LA PANTHÈRE DE CARTIER』が上映される。
ジャンルを超えて集結した才能が交錯し、Free Spirit(自由な精神)、Individuality(個性)Beauty(本質的な美しさ)、LOVE(普遍的な愛)というカルティエの精神を宿した唯一無二の作品となっている。加えて会場内では、浦沢直樹によるキャラクター原案やイメージボードの特別展示、インタビュー動画も用意されている。
パンテールから、カルティエの世界観を理解するイベント
カルティエが東京・銀座2丁目のブティック、「Maison de Panthère(メゾン ドゥ パンテール)」にて開催している、没入型のポップアップイベント「INTO THE WILD」を取材した。
なお、本記事で紹介したプログラムは、オーディオガイドとともに楽しむことができる。俳優の山口智子と玉森裕太がオーディオの声を担当した。この両名は、イベントのオープン前日に会場を訪れ、各プログラムを体験した。
併せて、作品をタッチ&フィールできるスペースも設けられている。この機会に、パンテールを通じて、カルティエの歴史やサヴォアフェールに没入してみてはいかがだろうか。



