3つのサブカウンターで地球の自転・公転速度を示す、ウルベルク「UR-10 スペースメーター」

2026.01.02

私たちが立つ大地である地球は、宇宙空間を高速で駆け抜けている。「UR-10 スペースメーター」はその速度を腕時計で可視化するウルベルクの意欲作だ。この地球は想像以上に「速い」。

Photographs by Yu Mitamura
Text by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
Edited by Yukiya Suzuki (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年1月号掲載記事]


地球の「自転」と「公転」を針で描き出すウルベルクの挑戦

UR-10 スペースメーター

UR-10 スペースメーター
ウルベルクといえば、アワーサテライト機構にSF感あふれる未来的なデザインの腕時計が代表的だ。だが本作は、一見オーソドックな腕時計のような外観を備えるが、そのコンセプトは同ブランドらしい。自動巻き(Cal.UR-10.01)。44石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約43時間。Ti+SSケース(直径45.40mm、厚さ7.13 mm)。3気圧防水。世界限定25本。7万スイスフラン(税抜き)。

 大地は静止しているように見える。だが実際のところ、地球は赤道上では1秒間に約465mで自転し、秒速約30kmで太陽のまわりを公転している。つまり、地球とは“秒速で旅する大地”なのだ。

 ウルベルクの「UR-10 スペースメーター」は、地球の自転と公転という高速運動を視覚的に示す腕時計だ。本作は一見クロノグラフのようだが「地球がどれだけ動いたか」を表示することができる。2時位置のEARTHと記されたサブカウンターは、赤道上の自転距離を示し22秒で1周すると地球が10km分回転する。4時位置のサブカウンターは公転距離を表示し、34秒で1周する間に1000km進む。そして9時位置のORBITと記されたサブカウンターは、36分で1周し、赤道上で1000km、公転軌道上で6万4000km進んだことを示している。

UR-10 スペースメーター

トランスパレント仕様の裏蓋には24時間表示が設けられており、地球の自転と公転が、どの程度進んでいるのかを読み取ることができるスケールが刻まれている。さらに、回転ローターには特許取得のダブルフロー・タービンを搭載。ムーブメント巻き上げ時の回転負荷を抑える、独自の構造となっている。

 これら3つの針の動きは想像以上に速い。自分が立っている惑星がこれほどの速度で動いているとは思いもしない。その事実を眼前に突きつける、まさに蒙を啓く腕時計だ。

 ウルベルク共同設立者フェリックス・バウムガルトナーは、本作をこのように語った。「私たちは日常で、地球がこれほど速く動いていることをほとんど意識していません。本作を通じて、その力強さを感じてほしいのです」。

UR-10 スペースメーター

ケースはベゼルとミドルケースが一体化したツーピース仕様。側面からビスで留める珍しい方式だ。
UR-10 スペースメーター

文字盤はグレーのPVD仕上げのモデルだけでなく、ブラックPVD仕上げのモデルもラインナップされている。どちらも25本限定。

 時間を計測するためではなく、私たちが立つ世界の運動そのものを針の動きによって感じさせる。本作は、私たちが日常の中で気にも留めない「地球は動いている。それも高速で」という感覚を呼び覚ます腕時計だ。

 見た目は確かにおとなしい。だが、宇宙のダイナミズムを、計時を用いて詩的に表現しようとする姿勢は、いかにもウルベルクらしいと言えるだろう。

フェリックス・バウムガルトナー

ウルベルク共同設立者のフェリックス・バウムガルトナー。彼の父が見つけた、地球の自転距離を示す装置が本作のヒントとなった。



Contact info:アワーグラス銀座 Tel.03-5537-7888


地球、止まってない。実は超高速で移動していることを教えてくれるウルベルク「UR-10 スペースメーター」

FEATURES

ウルベルクの共同創業者、フェリックス・バウムガルトナーとマーティン・フレイにインタビュー「私たちは独立時計師のパイオニアである」

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ウルベルクから、太陽光が惑星へ到達するまでの時間を可視化した「UR-100V ライトスピード」が登場

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