チューダーの2025年新作モデルから、時計ライターが本当に欲しい3本を選んでみた

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2025.12.28

魅力的なモデルが次々と発表された、チューダーの2025年新作。今年は大迫力のダイバーズウォッチから小径モデルまで、幅広くラインナップに加わった。それぞれに異なる魅力を備えるこれらの新作から、時計ライターが本当に欲しいと感じた3本を厳選して紹介する。

チューダー ブラックベイ

野島翼:文
Text by Tsubasa Nojima
[2025年12月28日公開記事]


幅広い層にリーチする、チューダーの2025年新作

「ブラックベイ」や「ぺラゴス」などのスポーツウォッチを中心に豊富なコレクションを展開するチューダーは、ミドルレンジの中でも一際注目されているブランドだ。長らく日本での正規販売がなかったため、“知る人ぞ知る”ブランドであったが、2018年に日本上陸を果たして以降は、一気に知名度を高め、現在ではメジャーなブランドとして幅広い層の時計愛好家から人気を集めている。

 1926年に創業したチューダーは、その歴史の中で生まれた豊富なアーカイブピースと、実用時計を中心に培ってきた時計製造技術、傘下に擁するケニッシのハイスペックなムーブメントを組み合わせた、毎年驚くような新作を発表することでも知られている。

 2025年も「ブラックベイ 68」や「ペラゴス ウルトラ」によって、大型ダイバーズウォッチに新たな選択肢を加えつつ、男女問わず着用しやすい小ぶりな時計も複数リリースした。チューダーが幅広い時計愛好家から支持を集めていることを象徴するようなラインナップであったが、今回はその中から本当に欲しいと思ったモデルを3つ厳選し紹介する。もちろん、この3本以外にもそれぞれの魅力があり、おすすめできるモデルであることは言うまでもないだろう。

チューダー「ブラックベイ 58」Ref.M7939A1A0RU-0001

チューダー「ブラックベイ 58」Ref.M7939ALA0RU-0001

チューダー「ブラックベイ 58」Ref.M7939A1A0RU-0001
「ブラックベイ 58」に加わったバーガンディダイアルモデル。METASによるマスター クロノメーター認定を取得している。自動巻き(Cal.MT5400-U)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39mm、厚さ11.7mm)。200m防水。67万4300円(税込み)。

 2018年に登場し、直径39mmのコンパクトなケースによって幅広いユーザーから愛されている「ブラックベイ 58」は、1958年に発表された大型のリュウズを特徴とするダイバーズウォッチ、「サブマリーナー Ref.7924」に敬意を表するコレクションだ。レトロなカラーリングのブラックダイアルモデルからはじまり、ブルーダイアルモデル、シルバー925ケースモデル、ブロンズケースモデル、18Kイエローゴールドケースモデル、さらにはGMTモデルまで、幅広いラインナップを揃えている。

 そこに2025年新作として加わったのが、上品なバーガンディーダイアルモデルだ。チューダーは1990年代にプロトタイプとしてバーガンディーベゼルを備えた「サブマリーナー Ref.79190」を製作しており、ブラックベイもバーガンディーベゼルモデルを皮切りにコレクションの展開を開始した。つまりバーガンディーは、チューダーにとって特別なカラーなのだ。本作にあたっては、ダイアルにサンレイ仕上げを与え、これまでのブラックベイ 58とは異なる印象となっていることも特徴だ。

 ケースはステンレススティール製。直径39mmのケースは男女問わず着用しやすく、11.7mmの厚さは、200mの防水性を備えたダイバーズウォッチとしては薄型だ。ブレスレットはポリッシュとサテンに仕上げ分けた5連タイプ。ひとつひとつのコマが小さいため、しなやかな装着感を得ることができる。

 そして実は、本作は単なるカラーバリエーションではない。METASによるマスター クロノメーターを取得し、精度、耐磁性、防水性、パワーリザーブなど、多岐にわたる項目で優れたスペックを備えていることが公的に認定されているのだ。それでありながら、価格は従来のブラックベイ 58よりも僅か数万円増しに抑えられていることにも注目したい。チューダーの良心が垣間見える価格設定に脱帽だ。

チューダー「ブラックベイ 54 “ラグーンブルー”」Ref.M79000-0001

チューダー ブラックベイ 54 “ラグーンブルー”

チューダー「ブラックベイ 54 “ラグーンブルー”」Ref.M79000-0001
「ブラックベイ 54」に加わった、ラグーンブルーダイアルモデル。ポリッシュ仕上げのベゼルとサンドテクスチャーを施した爽やかなブルーダイアルが、南国の浜辺を想起させる。自動巻き(Cal.MT5400)。27石。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径37mm、厚さ11.2mm)。200m防水。61万9300円(税込み)。

 2023年に登場した「ブラックベイ 54」は、回転ベゼルを持つブラックベイとしては最小となるコレクションだ。1954年に誕生したチューダーの初代ダイバーズウォッチ、「サブマリーナー Ref.7922」に着想を得たデザインが与えられており、直径37mmのケースや5分ごとに目盛りが振られたベゼルを特徴としている。

 そのブラックベイ 54の2025年新作が、ラグーンブルーダイアルモデルだ。ゴールドカラーを取り入れたブラックダイアルがレトロな既存ラインナップとは打って変わって、ポリッシュ仕上げのステンレススティールベゼルと爽やかなライトブルーのダイアルは、南国の浜辺を想起させる、モダンなダイバーズウォッチらしい佇まいを見せる。ポリッシュ仕上げのベゼルが燦々と降り注ぐ太陽光を想起させ、サンドテクスチャーを施したダイアルは、さながら異国の砂浜のようだ。

 ステンレススティールブレスレットは、エレガントな5連タイプ。中央の3列をポリッシュ、両端をサテン仕上げとすることで、コントラストの際立ったデザインに仕上げられている。細かに分割されたコマはしなやかな肌触りを実現し、リゾート地でゆったりとした時間を過ごす際にもふさわしい上質な着け心地を味わうことができる。バックルには“T-fit”機構が備わっており、工具を使うことなくワンタッチでサイズを微調整することが可能だ。

 ムーブメントは、COSC公認クロノメーターを取得した機械式自動巻きムーブメントのCal.MT5400を搭載する。約70時間のパワーリザーブを備えていることも魅力である。

 チューダーの新作につきものなのが、品薄で購入しにくいということだ。2023年に発表されたブラックダイアルも、発表後しばらくは店頭に並ぶことが稀であった。続くラグーンブルーダイアルも同様だ。ショーケースに並ぶことは珍しく、それは2025年12月現在でも解消されていない。チューダーの広報担当者によると、男女問わず着用しやすいサイズ感であることも関係しているのか、本作は今までで最も問い合わせの多いモデルとのこと。しかし、「現在は品薄だが、待てば買える」というので、気になっている方は気長に待ってみると良いだろう。

チューダー「レンジャー」Ref.M79930-0007

チューダー レンジャー

チューダー「レンジャー」Ref.M79930-0007
チューダーを象徴するシンプルなツールウォッチ、「レンジャー」。デューンホワイトダイアルと直径36mmケースが登場し、一気にラインナップが拡充された。自動巻き(Cal.MT5400)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径36mm、厚さ11mm)。100m防水。50万3800円(税込み)。

「レンジャー」は、1952年から1954年にかけて行われたイギリス海軍の北グリーンランド遠征探検で携行され、極地での優れた信頼性を発揮した「オイスター プリンス」をベースに誕生したコレクションだ。チューダーは“レンジャー”を1929年に商標登録しているが、その名前がアラビア数字インデックスと矢印型の時針を組み合わせたデザインに紐づくのは1960年代になってのことである。

 現代のレンジャーは、そのデザインを継承し2022年に誕生している。ケース径は39mmへモダンにアップデートされ、程よい存在感を備えたシンプルなツールウォッチとして人気を博していたが、小径化を望む声も少なくなかった。

 そのような中、2025年新作として発表されたのが、直径36mmに小径化されたレンジャーだ。さらに、従来のブラックダイアルだけではなく、新たにデューンホワイトダイアルも追加されるというサプライズ付きである。

 世界で最も過酷なレースと言われるダカールラリーにオマージュを捧げるデューンホワイトダイアルは、クラシカルなクリーム色をベースとして、マットブラックのインデックスを組み合わせている。アイコニックなアラビア数字インデックスと矢印型の時針は、もちろん健在だ。時刻表示に特化した、洗練されたツールウォッチらしさが光る。

 小径化されたケースは、よりオリジナルに近いサイズ感。11mmという厚さは、シャツの袖口にもすんなりと収まる。小ぶりでありながらもしっかりと100m防水を備え、悪天候時やレジャーシーンでも安心して使用することが可能だ。

 3連タイプのスポーティなステンレススティールブレスレットは、ダブルロック式のバックルを備える。このバックルには、工具を使用することなく簡単に腕周りを微調整することのできる“T-fit”機構が搭載されている。



Contact info:日本ロレックス / チューダー Tel.0120-929-570


時計オタクが大歓喜したチューダー「レンジャー」2025年新作モデルを実機レビュー!

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チューダー「ブラックベイ セラミック “ブルー”」を着用レビュー! 「さすがチューダー」と評すべき1本

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【84点】チューダー/レンジャー