ボーナスで買いたい腕時計はこれ! 『クロノス日本版』編集部が選ぶ8本を紹介

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2025.12.30

待ちに待った年末の賞与……そう、冬ボーナスだ。時計愛好家なら、その使い道に「時計」が入ることは少なくないだろう。では、どんな時計を購入しようか? 本記事では、時計専門誌『クロノス日本版』の編集部のメンバーに、「ボーナスで買いたい時計」を調査したので、参考にしてほしい。なお、「現行モデル」のほか、「自身のボーナス支給額を鑑みて、現実的な価格の時計」を選定のうえでの条件としている。

Text by Chronos-Japan
[2025年12月30日公開記事]


時計専門誌の編集部が「ボーナスで買いたい時計」とは?

 例年12月は、時計業界にとって、年間を通して最大の繁忙期となる。その理由は、“冬ボーナス”の存在が大きい。ある程度まとまったお金が入るボーナスは、時計愛好家にとって、新しい時計を購入するのに絶好の機会となるだろう。では、いったいどんな時計を購入しようか? 今回、時計専門誌『クロノス日本版』の編集部のメンバーが、「ボーナスで買いたい時計」を2本ずつ挙げ、その理由を記した。選定にあたって、自身が買いたいということはもちろん、「現行モデル」「自身のボーナス支給額を鑑みて、現実的な価格の時計」を条件として設けている。選者は編集長の広田雅将、編集部の細田雄人、鶴岡智恵子、大橋洋介だ。


編集長・広田雅将が「ボーナスで買いたい時計」


①チューダー「レンジャー」36mm径モデル

チューダー レンジャー

チューダー「レンジャー」Ref.79930-0008
自動巻き(Cal.MT5400)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径36mm、厚さ11mm)。100m防水。45万6500円(税込み)。(問)日本ロレックス / チューダー Tel.0120-929-570

 直径36mmの小ぶりなケースに、見やすい文字盤と上質な外装を合わせた、(一部)時計好きの夢がぎゅっと詰まった新作。39mmサイズの「レンジャー」は申し分ない時計だが、個人的にはぶん回せる36mmサイズがツボ。普通、このサイズならラグ幅は18mmだ。対して本作は「ブラックベイ ワン 36」と同じ19mmに広げることで、スポーツウォッチらしさを打ち出した。ちなみにケースはブラックベイ ワン 36の転用ではなく、仕上げも別物。ラグ角の面取りを控えめにすることで、高級感を押さえたのも好感が持てる。こういう味付けをさせると、チューダーは本当にうまい。

 搭載するムーブメントは、小径のCal.MT5400。しかし、別のモデルでテストした経験を言うと、精度も巻き上げ効率も“兄貴分”であるCal.MT5600系に相違ない。つまり、36mm径レンジャーの性能はずば抜けて良いはずだ。

 ブレスレット版は未見だが、ファブリックストラップ版は腕への収まりも良かった。ケースが小さく、ヘッドが軽いのが一因か。また、あえて引通しのストラップを用意していることが示す通り、裏蓋の張り出しも控えめだ。というわけでブレスレット版の実物を見たいが、売り切れでまったく確認できず。お持ちの方がいれば、ぜひ見せてください!

②ジン「206.ARKTIS.II」

ジン 206.ARKTIS.II

ジン「206.ARKTIS.II」
自動巻き(Cal.Concepto C99001)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径43mm、厚さ17mm)。30気圧防水。105万500円(税込み)。(問)株式会社ホッタ Tel.03-5148-2174

 年末になると温泉に出かけたくなる。寒いほど良く、大雪が降っていればなお良い。というわけで、一種のライフワークとして、寒さに強いダイバーズウォッチを探し続けている。そんなものはどこにも存在しないが、カシオ(G-SHOCK)、チューダー、ダマスコにジンあたりを選べば、外れはなさそうだ。

 寒さを考えると、選に残るのはジンの「ARKTIS(アークティス)」になる。そもそもジンは「303.KRISTAL」というドライバー向けのクロノグラフで、-45℃でもちゃんと動く性能を実現してしまった。ちなみに極寒で使う時計はクォーツでは駄目。というのもバッテリーが持たないためだ。機械式でもちゃんと動かすのは大変だが、ジンは「ジン特殊オイル66-228」を開発し、極寒で油が固まるという課題をクリアした。この303のダイバーズウォッチ版が、203である。ジンは「203.ARKTIS」という、やはり極寒でも使えるモデルを加え、筆者はめちゃくちゃ欲しかったがお金がなくて買えなかった。

 その最新作が「206.ARKTIS.II」だ。203.ARKTISのケースが直径41mm、厚さ16mmであったことに対し、206.ARKTIS.IIは43mm×17mmと、大きくなったのは、衝撃を受けても外れない特殊結合のベゼルと、水中でも操作可能なプッシュボタンを採用したため。ヘッドは明らかに重くなったが、ブレスレットの幅を20mmから22mmに広げることで、重さを腕全体にうまく散らしている。正直、時計は重いし、時計の重心も高いが、これは慣れる類いの着け心地だろう。

 個人的な萌えポイントは、サンレイ仕上げのブルーの文字盤だ。あえて筋目を付けたブルーを採用したのは、雪が光を反射して光りすぎる環境でも、時間を読み取りやすくするため。つや消しの黒の方が良さそうに見えるが、この組み合わせは、強い光源下ではホワイトアウトして、時間が読み取れない場合があるのだ。さすがジン。もっとも筆者の見た限りで言うと303.KRISTALと203.ARKTISの文字盤は、耐久性に難があった。最新作の206.ARKTIS.IIでは、おそらくこういった問題は起こらないはずだ。

 206.ARKTIS.Ⅱを腕に巻き(当然ストラップは引通しのファブリックだ)、極寒の露天風呂に浸かったらさぞいいだろうなあ。同好の士はぜひぜひ。


細田雄人が「ボーナスで買いたい時計」


①ジャガー・ルクルト「マスター・コントロール・クラシック」

マスター・コントロール・クラシック

ジャガー・ルクルト「マスター・コントロール・クラシック」Ref.Q4008520
自動巻き(Cal.899)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径36mm、厚さ8.15mm)。5気圧防水。世界限定500本。133万7600円(税込み)。(問)ジャガー・ルクルト Tel.0120-79-1833

 景気のいい企画ですね。ボーナスが仮に入ったとしても、必ずしも趣味にすべて使えるわけではないだろうし、場合によっては1円もそこに回せないなんてこともあるだろう。しかし、夢ぐらいは見させてもらってもいいかなと。

 正直、この時計の価格を見た時、「時計は高くなったなぁ……」と感じざるを得なかった。SSのシンプルな3針が100万円を超えるとなると、一端のサラリーマンには一気に遠い存在になってしまう。しかし、まとまった金額の収入が入るというならば、無理をしてもいいんじゃないかなという金額感。そして、一度そう思ったら、思考力を奪い、先のことなど考えずに購入させてしまうだけの魔力がこの時計にはあると思います。あと、何がいいって、時計に興味のない人ならこの時計の金額は当てられないだろうから、妻にry。


②カルティエ「タンク ルイ カルティエ」Ref.WGTA0091

カルティエ タンク ルイ カルティエ WGTA0091

Vincent Wulveryck © Cartier
カルティエ「タンク ルイ カルティエ」Ref.WGTA0091
手巻き(Cal.1917 MC)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約38時間。18KRGケース(縦33.7×25.5mm、厚さ6.6mm)。30m防水。224万4000円(税込み)。(問)カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-1847-00

 一括で買えるくらいの実入りがなかったとしても、なんなら販売価格に到底届かないくらいの寸志だったとしても、それを頭金にローンで購入したい。単にボーナスを言い訳に購入したいのが、「タンク ルイ カルティエ」のRef.WGTA0091だ。イエローゴールドとブラックダイアルという黒×金の配色に、リュウズのカボションのコンビネーションが醸す、なんとも言えない大人の色気。こんな大人の時計を、さらっと着けられたらカッコいいんだろうなぁ。


鶴岡智恵子が「ボーナスで買いたい時計」


①オリエントスター「M45 F8 メカニカルムーンフェイズ ハンドワインディング」

M45 F8 メカニカルムーンフェイズ ハンドワインディング

オリエントスター「M45 F8 メカニカルムーンフェイズ ハンドワインディング」Ref.RK-BW0001S
手巻き(Cal.F8A62)。20石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.9mm)。3気圧防水。41万8000円(税込み)。(問)オリエントお客様相談室 Tel.042-847-3380

 十八番は「衝動買い」の自分にとって、ボーナスを元手に貯金を足して、ずっと欲しかった時計を手にするというより、今欲しいものを購入するという無計画な買い方になるに違いない(そもそも本記事公開時点で、貯金はない)。そのため、「ボーナスで買いたい時計」は、すなわち「今欲しい時計」。ひとつ目に取り上げるのは、オリエントスターの新しい「M45 F8 メカニカルムーンフェイズ ハンドワインディング」だ。本作は、“高級”ムーンフェイズウォッチである。

 ムーンフェイズ表示は人気の機構のひとつであり、ムーンフェイズディスクや月の意匠がブランド・モデルによって個性があるのが面白い。これまでオリエントスターも「M45 F7」コレクションで同機構を採用しており、オリエントスターらしい作り込まれた、独創的な文字盤上に浮かぶ月と夜空は、所有欲を刺激するものだった。

 一方、新作のM45 F8 メカニカルムーンフェイズ ハンドワインディングは、従来モデルから、ムーブメントも文字盤も一新している。この一新は、“高級”ムーンフェイズを作ろうとしたためだ。

オリエントスター F45

従来は金属メッキシールであった月が、マザー・オブ・パール製に。ツヤのあるディスクにちりばめられた星々と相まって、見る者を引きつける力を持つ。

 本作は新開発の手巻きムーブメントCal.F8A62を搭載しており、これまで一体型であったムーンフェイズを、精緻な表現を目的に、ディスク、マザー・オブ・パール製の月、月齢車の3層構造とした。また、文字盤は針高を下げ、針との間のクリアランスを詰めることで、文字盤の見返しの高さも抑えられた。秒針は廃されて2針表示に変えられており、一方で分針は従来通りに文字盤外周のミニッツサークルまでしっかりと届く長さだ。

 従来からあったムーンフェイズモデルも好ましい1本だが、12時位置のパワーリザーブ表示をはじめとした基本レイアウトは大きく変えず、洗練された高級腕時計として生まれ変わらせたオリエントスターの手腕には脱帽した。手にとって引かれたことはもちろん、オリエントスターの技術研鑽や高級時計ブランドとして跳躍したことの証しとして、本作を手元に置きたいと強く思う。

②オメガ「シーマスター プラネットオーシャン」

オメガ シーマスター プラネットオーシャン

オメガ「シーマスター プラネットオーシャン」Ref.217.30.42.21.01.001
自動巻き(Cal.8912)。39石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS×Tiケース(直径42mm、厚さ13.79mm)。600m防水。130万9000円(税込み)。(問)オメガ Tel.0570-000087

 もうひとつ、今欲しい時計としてマストで挙げたいのが、オメガが2025年11月にリニューアルした「シーマスター プラネットオーシャン」だ。この新作時計もメディア向けの新作内覧会があり、実機を見たのだが、副編集長の鈴木と広告営業の青島は内覧会に来ることができず、このふたりには「あの新作プラネットオーシャンを見てないとか、人生の半分損してますよ」などと言い放っていた(読者の皆さんも、別に人生の半分損してませんが、ぜひお店などで見てみてください!)。そんな放言をしてしまうくらい、私にとっては衝撃的で、現在強く心引かれる時計のひとつだ。

 この時計の最大の特徴は、新しくなったケースデザインだ。2005年に登場したシーマスター プラネットオーシャンは丸みを帯びたフォルムを有しており、また、600m防水というハイスペックを象徴するかのように、そのケースは直径43.5mm、厚さ43.5mm(直径39.5mmモデルもあったが)と、大ぶりであった。ケースサイドとブレスレットサイド以外をサテン仕上げでまとめたツール感のある意匠や、10時位置のヘリウムエスケープバルブも、深海まで潜れる本格的なダイバーズウォッチとしてのキャラクターを感じさせたものだ。しかし今回のリニューアルで、ケースがぎゅっとコンパクト化。直径42mm、厚さ13.79mmと小型化されるとともに、ラグやブレスレットなど、エッジの立った、モダンなデザインへとアップデートされていたのだ。さらに、10時位置のヘリウムエスケープバルブが取り払われた。「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」と同様、飽和潜水時にそもそもヘリウムを入れない気密性を実現している。ポリッシュ面が多く取り入れられたことと相まって、600m防水というシーマスター プラネットオーシャンの本格ダイバーズウォッチというキャラクターはそのままに、分かりやすくモダナイズされているのだ。

オメガ「シーマスター プラネットオーシャン」

ケース・ブレスレットはモダンになった一方で、文字盤のインデックス「6」「9」の終端にスペースがあり、「シーマスター300」のサンドイッチ文字盤のヴィンテージ感をちょっと思わせるのが、個人的にツボだった(その後、フリーエディターの竹石さんの記事を読んで、この部分も大幅に変更されたと知る:https://www.webchronos.net/news/145987/)。

 バリエーションは黒ベゼル、青ベゼル、オレンジベゼルの3色に、それぞれSSブレスまたは黒ラバーストラップが搭載されたものと、オレンジベゼル×オレンジラバーの組み合わせのものとで、計7種がラインナップされた。個人的に買いたいのは、自身のファッションも鑑みて、黒ベゼルのモデル。とはいえオレンジカラーのモデルも、初期プラネットオーシャンにあったアルミニウム製オレンジベゼルみがあって良いですね。冬ボーナスをもらわずとも、この前買っておいた年末ジャンボ宝くじが当たれば、2色……いや、全色大人買いできるなぁ。


大橋洋介が「ボーナスで買いたい時計」


①ノモス グラスヒュッテ「クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー」

ノモス グラスヒュッテ クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー

ノモス「クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー シルバー」Ref.791
自動巻き(Cal.DUW 3202)。37石。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径40mm、厚さ9.9mm)。10気圧防水。77万2200円(税込み)。(問)大沢商会 Tel.03-3527-2682

「ボーナスで買いたい時計」という今回のお題。もしかして、編集部員が挙げた、「おボーナス」で買えるギリギリの価格の腕時計から、その額を推測するという、まっこと恐ろしい企画なのでは!? と、ドギマギしている。

 で、ボーナスと聞き、条件反射的に思い浮かべたのがノモス グラスヒュッテの「クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー」だ。理由はなんかカラフルでかわいいから。ついでにボタンをポチポチ押して操作するワールドタイマー機能を持つ。

 これだけではたったの2段で終わってしまうので、より詳細に考えてみよう。それは個性的だからだ。古典的なクラシック音楽とも呼ぶべき「腕時計の黄金時代」を、現代が誇る技術と設計で”再演”したモデルのよさは確かに分かる。だがそれよりも、根がミーハーだからなのか、独自の技術で未踏の領域を切り拓き、そして自分たちならではの世界観をドシドシ提示するブランドの方が自分的にはグッとくるのだ。

「じゃあほかにもあるでしょうよ、特に素材開発に力を入れているブランドとか、いっぱいあるじゃないの」と言われたらその通りである。そんな中でもノモス グラスヒュッテにグイグイ心を引かれる理由は、グラフィカルな表現を腕時計で果敢に挑戦しているからだ。

 見よ! この微妙なニュアンスを駆使するグラフィック感覚を! 3時位置の24時間表示に注目しよう。午前と午後を赤と青で分けるという色彩センス。そしてサブダイアルの類を文字盤正面から見て右下にのみ集中させるという独自のレイアウト。そのままではアンバランスになってしまうところを、なぜだかうまくまとめ上げている。

ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2025で発表された「クラブ・スポーツ ネオマティック ワールドタイマー」は、本作のほか、ブルー文字盤のモデルもレギュラーとして用意されている。また、世界各地の景色からカラーの着想を得た、限定モデル6種も登場した。

 加えて、時計ごとにそれぞれ変えているというアラビア数字インデックスのフォルムも魅力的だ。本作においてはどうにもインデックスそのもが他にくらべ「ぷっくり」しているのが妙に気を引く。

 腕時計のデザインには業界にとって定石のコードがあるはずだ。だが、ノモス グラスヒュッテには独自の「腕時計でこんなデザインしたら面白いんじゃないの」というコードの引き出しがあるように思える。ノモス グラスヒュッテのスゴさはとどのつまりここにある。「腕時計はどんな自由な発想で作ってもいいんだ!」と再認識させてくれるのだ。

 そうはいっても、である。本作のお値段はななじゅうななまんにせんにひゃくえんである。全部ひらがなで開いてもその価格は変わらない。ンー、正直わたくしの「プリティな」おボーナスでは足が出る。でも、だ。「あるうち買っときや〜」である。これは大阪のソウルミュージック専門店のポップに書かれていたと言われている真実。今をときめくレア盤だって、もとは定価で売られていた。

 それはこの腕時計も同じことかもしれない。ほら、言うだろう、自己啓発とかで、「今が人生で一番若いとき」って。激しくインフレの進む現在、この腕時計は「今が人生で一番安いとき」なのである。そう、必要なのは勇気。購入を決意する、一本筋の通った勇気だけなのである。

①シチズン「シチズン プロマスター × mont-bell」コラボレーションモデル

シチズン プロマスター×モンベル コラボレーションモデル

シチズン「シチズン プロマスター × mont-bell コラボレーションモデル」Ref.BN0247-52E
光発電エコ・ドライブ(Cal.E168)。スーパーチタニウム™ケース(直径40.8mm、厚さ12.3mm)。20気圧防水。世界限定700本。8万2500円(税込み)。(問)シチズンお客様時計相談室 フリーダイヤル 0120-78-4807

 こんなこといきなり書かれても困るだけだろうが、私はアウトドアブランドの服が、大、大、大好きである。理由は「ヘビーデューティー」かつ「派手」だから。だもんで、いつもの服装はこの調子だ。「お前の趣味とか知らないよ」と思うかもしれないが我慢してほしい。

 で、普段の趣味に合う腕時計はなんじゃんらほい、と考えて思い浮かべたのが、「モンベル」とシチズンのコラボレーションウォッチだ。自分の普段の服装にもばっちり。もう満点! 加えて、やっぱり腕時計を着けてあんなところ(山とか)や、こんなところ(やぶとか)に行きたいのである。求めるのはタフネスだ。その点、デュラテクトMRKがケースに施されたこの腕時計は、小傷や打ち傷が付きづらいところが素晴らしい。

 思いのほかチタン製の腕時計は傷がつきやすい。気づいたときには傷だらけで「しゅん……」としてしまうこともある。しかもチタンは研磨が容易ではなく傷は消しづらい。そう考えると、この腕時計は最高だ。

 さて、アウトドア用タフネスウォッチといえば、デジタル表示系という選択肢もある。それらも十分に魅力的なのだが、今回はこの腕時計に軍配を上げた。その理由は蓄光だ。液晶デジタル表示なら暗所で時刻を知りたいときには「ライトボタン」を押していちいち確認するという手間がかかる。そして動力源である電池も消費してしまう。

 だが、蓄光ならば、暗闇の中で腕時計に目をやるだけで時刻が分かるのだ! ちなみに、退屈な映画を見ているときに「あと何分で終わるのか」知りたいときにも使える。上映中にスマートフォンを光らせて時刻を知ることなんてできないでしょう? ただし、「まだこんなに残っているのかッ!」と悶絶してしまうリスクも、もちろんある。

 突然だが、自分はかれこれここ数年で10キロくらい太った。クロノスの面接に臨んだ時に着ていたシャツを、久しぶりに着用したら肉圧で生地が破れた。たまたまだろう、と思い同じブランドの同サイズのシャツを着たら、同じところで生地が破れた。

 さすがにイカンっ、と思い登山を始めようと思いつき「モンベル」で登山靴とトレッキングパンツ、トレッキングポールを夏に買い集めたのだった。この腕時計を買えば、腕時計もモンベルで「おそろ」となるのである。だが結局、登山靴は一度も足を通していない。腕時計を買っても、“平地登山”のお供になりそうな予感しかない……。



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