2026年に復活を果たした稀少な角型時計「カバレット」。独自のハニーゴールドを用いたケースと精緻な文字盤が目を引く本作は、トゥールビヨンに秒針停止機能を備えるなど、A.ランゲ&ゾーネの高度な技術力とクラシカルな美意識が見事に調和した新作だ。

A.ランゲ&ゾーネでは珍しいレクタンギュラーモデル「カバレット・トゥールビヨン」のハニーゴールド製モデル。ブラックロジウム仕上げの文字盤もハニーゴールド製で、文字盤内の縁取りやロゴは、職人の手による、高さわずか0.15mmのレリーフだ。手巻き(Cal.L042.1)。47石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約120時間。ハニーゴールドケース(縦39.2×横29.5mm、厚さ10.3mm)。3気圧防水。世界限定50本。要価格問い合わせ。
Edited by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年7月号掲載記事]
ハニーゴールドを採用した稀少な角型モデル
A.ランゲ&ゾーネでは珍しいレクタンギュラーモデル「カバレット」に、同社を象徴するハニーゴールド製の「カバレット・トゥールビヨン ハニーゴールド」が追加された。本作は、2008年の初作や、2021年発表のホワイトゴールド製モデルに続く新作だ。
搭載される手巻きムーブメントのキャリバーL042.1は、12時位置にアウトサイズデイト、6時位置にトゥールビヨン、4時位置にパワーリザーブ表示、8時位置にスモールセコンドを備える。また、トゥールビヨンでありながら、リュウズ引き出し時の秒針停止機能を実現している。これは、同モデル初出の2008年当時では世界初のものであり、クラシックな外観に最高峰の技術を詰め込む、同社らしい設計思想だ。

そして、今回発表された新作で注目すべきは、同社独自のハニーゴールド製のケースと文字盤だ。温かみのある色調を持つケースに対して、文字盤にはブラックロジウム仕上げを施し、本作全体の印象を引き締めている。文字盤外周の縁取りやブランドロゴは、職人の手によって削り出された、高さ0.15mmの繊細なレリーフであり、立体感や陰影による表情を生み出す。

ムーブメントには見るべき仕上げが多数見受けられる。その中でも特筆すべきは、トゥールビヨンブリッジとケージ上面に施されたブラックポリッシュだ。これは、部品を亜鉛や錫のプレート上で均一に滑らせながら研磨する技法で、仕上げ面は乱反射なく一定方向に光を反射し、見る角度によっては、漆黒に見えることが名前の由来である。このほかにも、洋銀製4分の3プレート、グラスヒュッテストライプ仕上げ、エングレービングといった、伝統的な時計技術を堪能できる。



