「時刻の読み取りにくさは悦びです」。ジェラルド・ジェンタ「ジェフィカ」を街角取材

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2026.11.06

街角で時計ユーザーに、着用時計をインタビューする企画。その時まとっているモデルの購入理由や思い入れを語ってもらう。今回は、ジャンピングアワーとダブルレトログラード表示を搭載する、ユニークなジェラルド・ジェンタの「ジェフィカ」を着用するMakotoさんに話を聞いた。時刻が読み取りにくいという、ともすれば欠点ともとらえられるデザインを愛する彼から、筋金入りの“時計”好きの顔が見えてくる。

鶴岡智恵子(クロノス日本版):写真・文
Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2026年11月6日公開記事]


「ブルガリ・ブルガリ」からたどり着いた1本

 取材スタートの開口一番、思わず「これは何の腕時計ですか?」と聞いてしまった。ジャンピングアワーとレトログラード表示ということは分かったものの、初めて見るモデルであった。52歳会社員のMakotoさんは、丁寧にこの腕時計について、そして購入経緯について教えてくれた。

ジェラルド・ジェンタ ジェフィカ

ジェラルド・ジェンタ「ジェフィカ」
ジャンピングアワーおよびダブルレトログラード表示を持つ「ジェフィカ」。表示形式のみならず、文字盤中央の小窓や針の形、そしてスケールも特徴的で、ひと目見たら忘れられないアイコニックな意匠である。ブロンズが経年変化で色を変え、良い雰囲気となっていることも印象的であった。

「ジェラルド・ジェンタの『ジェフィカ』というモデルです。この白文字盤のモデルが“キリマンジャロ”なんですけど、黒文字盤のモデルもあり、そちらは“サファリ”と呼ばれます。自分がこの腕時計を購入したのが2012年頃です。初見で欲しいと思ったのですが、最初は価格が高くて驚いてしまって、手が出ませんでした。しばらくしてショップのブログから、在庫処分セールとして70%オフで販売されるという情報を得ました。『これはチャンスだな』と、買いに行きました」

 ジャンピングアワーにダブルレトログラード式表示という型破りな腕時計への所有欲は、どのようにして生まれたのだろうか?

「2006年に、『ブルガリ・ブルガリ』を購入したことがきっかけです。それからブルガリについて調べていくうちに、ダニエル・ロートとともにジェラルド・ジェンタが2000年から傘下に入っていたことを知ったのです。そうやって興味を持っていったのと、純粋にジャンピングアワーとレトログラードの動きが面白いんですよね。時刻は読み取りにくいです。でも、『時刻が読めない』というのが、むしろ自分にとっては悦びなんです」

 時計好きの間で、「手元に目を向けた時、それは時間を確認しておらず、腕時計を見ている」という話になることは珍しくない。しかし、そもそも判読性に優れないことを楽しむというMakotoさんは、好事家と言うほかない。なお、現在はスイスで修理中とのことだが、Makotoさんはブルガリの「アショーマ」のレトログラードモデルも所有しているという。

 最後に、そんなMakotoさんにとって腕時計はどのような存在なのかを聞いてみた。

「相棒です。以前は『(時刻を確認するなら)ケータイで良いじゃん』と思っていました。でも着け始めてから、途端に腕時計は相棒になり、今では左手にないと寂しくなってしまいます」

 確かに存在感たっぷりのジェフィカを一度手首に載せてしまったら、それなしにはいられなくなってしまうかもしれない。そんな引力を感じた腕時計であった。

ジェラルド・ジェンタ ジェフィカ

取材当日のシャツとジーンズに、ジェフィカのホワイトが爽やかに映えていた。


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