銀座ブティック10周年で振り返る 〝決して立ち止まらない〟 男たちの夢の形

2018.04.09

 この日はSIHH2018で発表されたばかりの新作「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」(右)と「トリプルスプリット」(左)が特別に銀座ブティックに展示された。前者は、ブルーナー氏がA.ランゲ&ゾーネのマイルストーンとして紹介したため、イベント参加者たちの注目を大いに集めた。

 そして話は現在のA.ランゲ&ゾーネへと移行していく。
「現在、A.ランゲ&ゾーネのムーブメントは約95%の内製率を誇っています。もちろん、人工ルビーやスティールなど、パーツの原料は外から購入していますが、残りは基本的に自社で製造しています。2003年にはヒゲゼンマイの内製化にも成功しました。このヒゲゼンマイというパーツは2000分の1グラムという非常に軽く、小さなパーツです。ヒゲゼンマイを製造できるメーカーはほとんどなく、大多数のメーカーがスイスのニヴァロックス・ファー社から購入しています。ではなぜ、同社では技術的難易度の高いヒゲゼンマイの製造までを自社で行うのでしょうか。その理由のひとつとして挙げられるのが、ヒゲゼンマイとテンワのマッチングです。新型ムーブメントを開発する際、自社でヒゲゼンマイを製造できれば、テンワとのマッチングも社内ですぐにできますが、ニヴァロックスに発注すると、ムーブメントの情報をニヴァロックスへ出さなければなりません。しかも、時間もかかり、開発が遅れてしまいます。しかし、自社でヒゲゼンマイを製造できれば、こういった事態は起こりません」
 復興からわずか四半世紀で50個を超えるムーブメントを開発したA.ランゲ&ゾーネ。その稀有な開発力を担保する重要な要素がヒゲゼンマイの内製化であり、同社の高品質な時計作りを支える礎であることは間違いないだろう。

 銀座ブティック10周年を祝うために約2年の準備期間を経て完成した「ランゲ1・デイマティック 銀座ブティック10thアニバーサリー・リミテッドエディション」。テーマカラーのブルーを、ロゴやデイト表示、針やストラップにあしらったほか、18KWGのダイアル全面にギヨシェ彫りが施されている。20本が製作され、ケースバックにはシリアルナンバーが刻まれる。自動巻き(Cal.L021.1)。67石(ゴールドシャトン7石)。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。18KWG(直径39.5mm、厚さ10.24mm)。世界限定20本。550万5000円。

Contact info: A.ランゲ&ゾーネ ☎03-4461-8080