クラシックカーにインスパイアされた7つの復刻レトロウォッチ

FEATUREWatchTime
2019.10.28

クラシックカーは過去へのタイムマシーンだ。では時間を計測する時計はどうだろうか? 例えばメルセデス・ベンツ「300SL」のようなヒストリックカーのスタイリングに一番ぴったりくる時計はどのようなものだろうか? 時計におけるレトロトレンドもクラシックカー同様に、近年にないほど盛り上がっている。ここでは以下の7つのモデルを提案する。

Text by Jens Koch
Photographs by Nik Schölzel

ゼニス「エル・プリメロ ツールオート エディション」

 フランスにおける最も重要な、1960〜70年代の車両を中心にしたヒストリックカーラリーである、ツールオート オプティック2000のオフィシャルタイムキーパーとして、ゼニスはスペシャルモデルを世界500本限定モデルとして発表し、ヒストリックカーのファンたちを喜ばせた。

エル・プリメロ ツールオート エディション

ゼニス「エル・プリメロ ツールオート エディション」
自動巻き(Cal.エル・プリメロ4061)。31石。3万6000振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径42mm)。10気圧防水。世界限定500本。販売終了。㉄LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス ℡03-5524-6420


エルウィン・サトラー「クロノグラフ・クラシカセクンダ」

 ミュンヘンに本社を置くマニュファクチュール、エルウィン・サトラーは主に置き時計を製作している。大きなサイズの置き時計同様に、サトラーの時計はどれもクラシカルなサブダイアルの配置を持ったエレガントで端正なフェイスに、レイルウェイのミニッツトラックを備えている。青焼きの梨型の針、シリアルナンバーのついた4点をビスでとめたシルバーのダイアルは、このブランドの置き時計を思わせる特徴である。


チュチマ「サクソンワン・クロノグラフ」

 ドイツ・グラスヒュッテに本社を置くチュチマは、改良を加えたクロノグラフを駆動させる自動巻きムーブメントを、ブランドの特徴であるクッションシェイプのケースに搭載している。このムーブメントは文字盤中央に分積算計を配し、さらに12時位置には24時間表示を備える。文字盤のレイアウトは1990年代に生産が終了しているレマニアのキャリバー5001の様式に準じている。

(左)エルウィン・サトラー「クロノグラフ・クラシカセクンダ」
自動巻き(Cal.ES 04/ETA7750ベース+LJP 7772)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径44mm、厚さ15.5mm)。5気圧防水。レザーストラップ。国内未入荷。予価120万円(税別)。㉄M&R ℡03-5816-6166
(右)チュチマ「サクソンワン・クロノグラフ」
自動巻き。SS(直径43mm)。チュチマ公式サイトhttps://tutima.com/


ロレックス「オイスター パーペチュアル エクスプローラーII」

 ロレックスは1971年に、エクスプローラーIIを冒険や登山家のための時計として発表した。以来、このモデルにはほとんど変更が加えられず、デザインアイコンとなった。ロレックスの自社製自動巻きムーブメントは、耐久性に優れ、精度の高いものとして知られている。時計を着けた人が休暇に出かける時などには、時針のみを調整して新しいタイムゾーンを表示させることができる。


IWC「インヂュニア・​クロノグラフ “ルドルフ・​カラツィオラ”」

 IWCはこのクロノグラフモデルを、1926年にメルセデスを勝利に導き、その後も多くの優勝を誇った伝説的なレーシングドライバー、ルドルフ・カラツィオラに捧げるものとして発表している。750本の限定モデルであり、車のダッシュボードにインスパイアされたような外観とサドルステッチが施されたレザーストラップはスポーツカーの歴史に結びついたものだ。

(左)ロレックス「オイスター パーペチュアル エクスプローラーII」
C.O.S.C.認定クロノメーター。自動巻き(Cal.3187)。31石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SS(直径42mm、厚さ12.3mm)。100m防水。SSブレスレット。69万3000円(税別)。㉄日本ロレックス ℡03-3216-5671
(右)IWC「インヂュニア・​クロノグラフ “ルドルフ・​カラツィオラ”」
自動巻き(Cal.69370)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SS(直径42mm、厚さ15mm)。6気圧防水。カーフスキンストラップ。76万5000円(税別)。世界限定750本。㉄IWC ℡0120-05-1868


ユニオン グラスヒュッテ「ベリザー クロノグラフ」

 アイボリーカラーの文字盤、その上に配されたカウンターとインデックス、そこに合わせられた先端のとがった針。この時計はヒストリックカーのダッシュボードに装備された計器を彷彿とさせ、速度を計測するタキメータースケールも車に関わる要素のひとつだ。マッシュルームのようなクロノグラフプッシャー、円錐状のリュウズ、シュランケンカーフストラップも同様にクラシックウォッチを想起させる。


グラスヒュッテ・オリジナル「セブンティーズ・パノラマデイト」

「セブンティーズ・パノラマデイト」は1970年代のVEBグラスヒュッテ・ウーレンベトリーブ(GUB)が製作していた時計のデザインを踏襲したものだ。GUBは旧東ドイツ時代の国営企業であり、グラスヒュッテ・オリジナルの前身とも言うべき存在である。角を丸くしたスクエアケースとサンバースト模様のブルーカラー文字盤がこの時計に個性を与えている。

(左)ユニオン グラスヒュッテ「ベリザー クロノグラフ」
自動巻き(Cal.UNG-27.10)。パワーリザーブ約60時間。SS(直径44、厚さ15.01mm)。10気圧防水。カーフストラップ。国内未入荷。
(右)グラスヒュッテ・オリジナル「セブンティーズ・パノラマデイト」
自動巻き(Cal.39-47)。39石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SS(縦40.00×横40.00mm、厚さ11.50mm)。10気圧防水。アリゲーターストラップ。103万円。㉄グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座 ℡03-6254-7266