ラインナップを拡充するエクステリア表現の多様化 / オリエントスター

FEATURE本誌記事
2018.12.17

ORIENT STAR

オリエントスターを代表するメカニカルムーンフェイズとスリムスケルトン、そしてスリムデイト。これら3モデルのラインナップを拡充すべく、カラーリングやダイアルパターンといったエクステリア表現を多様化。そのどれもが、単なるカラーバリエーションではなく、明確な意図を持って作られている。今回、メカニカルムーンフェイズとスリムデイトより限定モデルが登場となった。

吉江正倫:写真 Photographs by Masanori Yoshie
細田雄人(本誌):文 Text by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)
RK-AM0006L RK-AM0007S

(左)メカニカルムーンフェイズ RK-AM0006L
RK-AM0007Sとは打って変わって、モダンさを前面に押し出したRKAM0006L。OSマークは従来通りインナーサークル内のみだが、インナーサークルを境目に、外周部と内側でそのカラートーンを変えているのが特徴。なお広報担当者いわく、こちらのネイビーカラーモデルは若者から高い支持を得ているという。限定500本。17万円。
(右)メカニカルムーンフェイズ RK-AM0007S
ダイアル全面に型打ちされるOSマークは1951年から使われるオリエントスターのシンボル的存在のため、クラシカルさを強調する同作と相性が良い。ストラップにはグレージング加工により光沢が与えられた。自動巻き(Cal.F7X62)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。SS(直径41mm)。5気圧防水。限定500本。17万円。


 2017年6月、オリエントスターはメカニカルムーンフェイズを発売。さらに18年6月にはスリムスケルトンやスリムデイトを投入するなど、新生オリエントスターの基幹コレクションとなりうる地力を持った新作をわずか1年足らずの間に積極的に展開してきた。
 
 17年〜18年が、新生オリエントスターを象徴すべきコレクションを生み出すための期間だったとすれば、19年はこれら新作を〝定番モデル〞に仕立てるための熟成期に充てることは想像できる。しかし、同ブランドは定番化に向けた次なる一手を早くも18年中に打ってきた。

 メカニカルムーンフェイズでは異なるキャラクターを持った2本が新作として発売された。ダイアルにアイボリーカラーを用いたRK-AM0007Sと、ネイビーカラーが特徴のRK-AM0006Lである。前者ではストラップをチャコールグレーに変更することで、ダイアルカラーと併せてクラシカルなデザインを打ち出すことに成功している。また、同作はこれまでダイアルのインナーサークル内にしか型打ちされなかった伝統のOSマークをダイアル全面で採用した。60年以上にわたって同ブランドで親しまれてきたマークなだけに、こちらもノスタルジックな演出に一役買っている。対してモダンな印象を与える後者は、既存のネイビー系ダイアルモデルよりも、明るく彩度が高い色味を持つ。このダイアルに針が埋没しないよう、ピンクゴールドPVDをすべての針に施した上で、時分針の形状を峰のように成形し、その片側に筋目を入れて立体感を与えている。また、パワーリザーブインジケーターとデイト表示をダークグレーにすることで視認性のアップを図った。

 ダイアル側からムーブメントを挿入し、裏蓋とケースサイドをテーパードすることで、ケースの厚みを薄く見せるスリムスケルトンには3つの新作が登場。中でもディープレッドモデルは、ダイアル中央に向かうにつれてトーンが高くなるグラデーション変化が秀逸だ。グラデーションダイアルは、より豊かな階調を表現するため、ダイアル面積が広い方が好都合。ベゼルを細くすることで、最大限にダイアルの面積を確保した同作と、グラデーションを用いたカラー表現とは相性が良いのも納得だ。

 エクステリア表現をバリエーション豊かにすることで、購入者に幅広い選択肢を提示するオリエントスター。その時計づくりは、初心者やコレクターを問わず、多くの時計好きに恩恵を与えている。


RK-HJ0004R

スリムスケルトン RK-HJ0004R
ベゼルを細くし、広々としたダイアルデザインを採用したスリムスケルトンには、グラデーションの美しいモデルが登場。ムーブメントは名機46系ムーブメントの新型で、パワーリザーブが10時間ほど延びた。自動巻き(Cal.F7F62)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径41mm)。5気圧防水。15万5000円。


RK-HJ0006B
RK-HJ0006B

スリムスケルトン RK-HJ0006B
スリムスケルトンにはプレステージショップ限定モデルも登場。ブレスレットのほかに、本ワニ皮革ストラップが付属する。また、同モデルのみすべてのインデックスにピンクゴールドPVDが施される。15万5000円。なお、下のRK-HJ0001Sに見られるように、スリムスケルトンならびにスリムデイトではFLA(Front Loaded Assembly)法と呼ばれるケーシングを用いることで、ケース自体を薄く見せている。その結果、実際に着用した際には、このテーパードされた側面の効果によってスッキリ見え、より“スリム”に感じられる。また、オリエントスターでは、ケースに高級感を演出するためにザラツ研磨を採用する。



RK-HK0004L
スリムデイト RK-HK0004L
スリムデイトにも300本の限定モデルが登場。12時のインデックスとOSのロゴマーク、すべての針がピンクゴールドカラーに彩られる。自動巻き(Cal.F7G62)。24 石。2 万1600 振動/時。パワーリザーブ約50時間。SS(直径40mm)。5気圧防水。限定300本。12万円。


Contact info: オリエントお客様相談室 ☎042-847-3380