一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのプライベートなワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は2019年11月29日に上映をした映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』で監督・主演を務めたフィリップ・ラショーが選ぶ腕時計を紹介しよう!
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
このたびフランスで実写化された『シティーハンター』といえば、1985年から『週刊少年ジャンプ』で連載を開始し、87年からテレビアニメとしてシリーズ化された北条司原作の人気漫画だ。2019年においては、2月より20年ぶりの新作アニメとして『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』が上映され興行収入は15億円超えを記録、そしてこのフランス製実写版『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』が続き、「シティーハンターイヤー」という言葉が聞かれる1年となった。
日本公開版の吹き替え声優
今回の吹き替え版声優には、神谷明・伊倉一恵コンビから、山寺宏一・沢城みゆきとなっている。それ以外の主要なキャストはTVアニメ版と同じ配役となっている。
冴羽獠役:山寺宏一
槇村香役:沢城みゆき
海坊主(伊集院隼人)役:玄田哲章
槇村秀幸役:田中秀幸
野上冴子役:一龍斎春水(旧・麻上洋子)
フィリップ・ラショー
実写版において監督・主演を務めたのが今回紹介するフィリップ・ラショーである。彼は1980年フランス生まれで、同国でコメディアン俳優や映画監督として活動してきた。ピックアップした写真は、2016年1月にフランスのラルプ・デュエズ国際コメディ映画祭のオープニングセレモニーで撮られた1枚である。フランスでのヒット作アドベンチャーコメディ『世界の果てまでヒャッハー!』で監督・主演を務めていた頃だ。
『シティーハンター』は90年代にフランスで放映されている。長年において作品のファンだった彼は、実写版に向けたプロットと企画書、手紙を原作者の北条司氏の事務所に送付し、その熱意が北条氏に伝わったことで、今回の映画化が実現したという。その熱量は「Get Wild」などのアニメで流れたされた曲の使用、“あの”カラスの登場と随所に見られる。
その手元を見てみよう。サンレイ仕上げのブルーダイアルに、ロゴマークが確認できる。フィリップ・ラショーが着用しているのは、先端が赤いひし形の指針で日付を表示するポインターデイトと、月と曜日の表示窓を備えるトリプルカレンダー、そしてムーンフェイズを備えたボーム&メルシエの「クリフトン」だ。デュボア・デプラ製のモジュール搭載モデルであり、トリプルカレンダームーンフェイズを装備しながら50万円を切るコストパフォーマンスを実現した時計でもある。発表年は2013年で、現在では白ダイアルモデルが加わっている。
ボーム&メルシエ「クリフトン」
フィリップ・ラショーは『シティーハンター』の実写化にあたり、北条司による原作をリスペクトし、オリジナリティーは損なわぬよう心掛けたという。個性的でありながらも押さえるべきポイントを大切にする姿勢が、この時計選びにも表れているようだ。