モリッツ・グロスマン 「ムーブメント クロニクル」

FEATURE本誌記事
2019.12.07

MOVEMENTS CHRONICLE

懐中譲りの堅牢設計と、精緻な仕上げを盛り込んだ全14機種のジャーマンムーブメント

三田村優:写真 Photographs by Yu Mitamura
鈴木裕之:取材・文 Text by Hiroyuki Suzuki

 2010年9月に「ベヌー」のプロトタイプを完成させて、華々しいデビューを飾ったモリッツ・グロスマン。初代ベヌーに搭載された最初の自社製ムーブメントが、第1世代機に分類されるCal.100.0である。しかしこれは、ドイツの法令に関連して、会社登記から最初の製品発表までのタイムリミットが迫る中での“緊急会見”だったことも、今ではよく知られている。同社は後年、「初代ベヌーでやり残したこと」をすべて設計に盛り込んだ、第2世代機となるCal.100.1を発表して、ここにモリッツ・グロスマン製ムーブメントのスタンダードが完成することとなった。現在、同社が擁する自社製ムーブメントは14機種。ベヌーの系譜に連なるCal.100系列が7種、テフヌート用として開発された小径薄型のCal.102系列が5種、これにトゥールビヨンのCal.103系列と、独自のハンマーローター式自動巻き機構を盛り込んだCal.106系列が、それぞれ1種ずつ存在する。これらのうち200番台のナンバーを持つものは、ベヌー/テフヌートの設計を転用しながら、仕上げや調速脱進機などの一部仕様を変更した「ピュアシリーズ」。Cal.100系列機の中で唯一、枝番号ではない単独のナンバーが与えられたCal.107.0は、輪列設計を反転させてダイアル側に置いた「バックページ」専用機となる。

Cal.100.0[BENU]

Cal.100.0[BENU]

Cal.100.1[ATUM]

Cal.100.1[ATUM]

Cal.100.2[POWER RESERVE]

Cal.100.2[POWER RESERVE]

Cal.100.3[DATE]

Cal.100.3[DATE]

Cal.107.0[BACKPAGE]

Cal.107.0[BACKPAGE]

Cal.100.8[GMT]

Cal.100.8[GMT]

Cal.201.0[ATUM PURE]

Cal.201.0[ATUM PURE]

Cal.103.0[TOURBILLON]

Cal.103.0[TOURBILLON]

Cal.102.0[TEFNUT]

Cal.102.0[TEFNUT]

Cal.202.0[TEFNUT PURE]

Cal.202.0[TEFNUT PURE]

Cal.102.1[TEFNUT]

Cal.102.1[TEFNUT]

Cal.102.2[TEFNUT TWIST]

Cal.102.2[TEFNUT TWIST]

Cal.106.0[HAMATIC]

Cal.106.0[HAMATIC]

Cal.102.3[CORNER STONE]

Cal.102.3[CORNER STONE]


Contact info: モリッツ・グロスマン ブティック Tel.03-5615-8185