ヴァシュロン・コンスタンタンが放つ歴史と風格。代表モデル7選紹介

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2021.09.16

世界三大時計ブランドに名を連ねる老舗メーカー、ヴァシュロン・コンスタンタンは、時計の歴史に名を遺す名機を世に送り出し続けているスイスの名門だ。同社の時計が持つ風格とその魅力、代表モデルなどを紹介しよう。

ヴァシュロン・コンスタンタン


ヴァシュロン・コンスタンタンとは

時計としての完成度の高さ、華麗なデザイン、そして長い歴史と世界的な知名度といった、高級時計に求められるすべての要素を備えたブランドのひとつがヴァシュロン・コンスタンタンだ。

同社の時計が持つ荘厳な佇まいは、贅を知り尽くす世界のセレブリティーを魅了し続けてきた。まさに世界を代表する時計ブランドといえるだろう。

最高の評価をほしいままにするヴァシュロン・コンスタンタンとはどのようなメーカーなのだろうか。その真髄に迫っていこう。

世界三大時計ブランドのひとつ

ヴァシュロン・コンスタンタンは、パテック フィリップやオーデマ ピゲと並び、世界三大時計ブランドの一角を占める存在だ。18世紀のスイスで産声を上げ、今や高級時計ブランドとしての揺るぎない地位を築いている。

有名時計ブランドというだけなら、数々の名前が挙げられるだろう。しかし三大時計ブランドは、それらの多くを凌駕する存在である。

身に着けることでステータスを得られる本物としての価値は、世界のエグゼクティブが集う社交界にあっても厚い信頼と羨望が寄せられているのである。

最長の歴史を誇る時計ブランド

懐中時計

1775年、当時24歳にして熟練の時計職人だったジャン=マルク・ヴァシュロンが初めて見習い職人を雇用したことをきっかけに、ヴァシュロン・コンスタンタンは時計史にその名を刻むことになる。写真は創業者のジャン=マルクが最初期に手がけた懐中時計。テンプ受けには精巧なアラベスク装飾が施されるなど、卓越した職人技が伺える。

スイスで産声を上げたヴァシュロン・コンスタンタンの創業は1755年とその歴史は古く、時計界においては極めて長い経営年数を誇る老舗中の老舗だ。

長い歴史を持つ時計ブランドは他にもあるが、1960年代に起こったクォーツ革命によって、一時的な業務停止などを余儀なくされたメーカーもある。

しかし、ヴァシュロン・コンスタンタンは、いかなる窮地にあってもその活動を続けてきた。創業から250年以上も時計界でその名が途切れたことがない、非常に稀有なブランドだといえる。


ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴

世界でも最高クラスの技術力を有するヴァシュロン・コンスタンタンは、複雑機構を持つ機械式時計の名機を数多く製造し、世に送り出している。

加えて、デザインセンスが感じられる同社の時計は、ヨーロッパの王族や貴族にも愛されてきた。そんなヴァシュロン・コンスタンタンの魅力は、歴史に支えられた、クラシカルなテイストにある。

ベーシックで飽きのこない佇まいでありながら、時流をも取り込む先進性も兼ね備えたモデルを発表し続けている。そして、時代を超えた普遍性を備えている点が、ヴァシュロン・コンスタンタンの特徴といえるだろう。

シンボルマークはマルタ十字

マルタ十字

スイス連邦知的財産庁に登録されているマルタ十字が、ヴァシュロン・コンスタンタンのシンボルに採用されたのは1880年。現在ではダイアルはもちろん、リュウズなどにもこのマークが施される。

ヴァシュロン・コンスタンタンのシンボルマークには「マルタ十字」が採用されている。マルタ十字とは、キリスト教の騎士修道会・聖ヨハネ騎士団がその象徴として用いたマークのことで、4つのV字の先端が中央で結合し、外周に8つの角を持つ十字形が特徴的なデザインだ。

このマークが意味するものは、中世騎士道の精神である。騎士として備えるべき8つの美徳を、この8個の角が表しているのだ。

最高の証 ジュネーブ・シール

ムーブメント

ジューネーブ・シールとは、スイス・ジュネーブ州が制定するムーブメント規格。審査はジュネーブで行われ、「新生企業がジュネーブ州内に拠点を置き、すべての部品製造および組み立て作業がジュネーブ州内で行われたムーブメント」が対象。ジュネーブ・シールを取得したムーブメントには、写真のように同州の紋章が刻印される。

時計の高い完成度を示す規格に「ジュネーブ・シール」がある。1868年、スイス共和国とジュネーブ州により制定されたもので、世界最高の認定基準といわれている。

ムーブメントを製造する方法は細かく規定され、各部の仕上がりなどの品質管理が厳格に求められる。さらには、組立と調整はジュネーブ州の中で行う必要があるなど、極めて厳しい基準をクリアする必要がある。

ヴァシュロン・コンスタンタンは、機械式時計のクオリティを証明する規格の中で最も高い希少価値を有するジュネーブ・シールを取得し続けている名門なのだ。


ヴァシュロン・コンスタンタンの魅力

その認知度と評価において世界最高峰のポジションを獲得しているヴァシュロン・コンスタンタンの魅力は、何によってもたらされているのだろうか。

不動の地位を確立しながらも、モノづくりへの情熱を今もなお燃やし続ける同社が、世界のトップをも魅了し続ける魅力の根源を探ってみよう。

技術力の高さ

ヴァシュロン・コンスタンタンが創業したのは1755年。スイスのジュネーブに建てた小さな時計工房から同社の歴史はスタートする。以来、画期的なアイデアと緻密な作業で、時計の製造を発展させる高い技術を生んできたのだ。

時計の生産とは異なるが、鉄道のパンタグラフも、ヴァシュロン・コンスタンタンの発明によるもの。同社が考案したひし形集電装置に着想を得て、時計の工作機械に導入した功績の大きさは計り知れない。

芸術的な美しさ

エジェリー・オートマティック・ダシヤモンドパヴェ

ヴァシュロン・コンスタンタンの大きな魅力のひとつには芸術的な佇まいがあり、その姿には最高を知り抜いた者までが感嘆の声を上げるほどだ。

機械式時計の黎明期から伝え続けてきた伝統的な技法で生み出される時計の数々は、時代を超えて多くの歴史的人物にも愛用されてきた。最高の時計を求める者たちは、その優美なデザインを愛して止まない。

どのモデルにも、熟練工の技術がふんだんに盛り込まれた業が施されている。彫刻やエナメル、ジェムセッター(石留め)など、技術の粋によって実現する高貴な表情は、他社の追随を許さない。

エジェリー・オートマティック・ダシヤモンドパヴェ

ヴァシュロン・コンスタンタンの卓越したジュエリーセッティング技術が堪能できるコレクションのひとつが、2021年発表の「エジェリー・オートマティック・ダシヤモンドパヴェ」。直径35mmの18Kピンクゴールドケースには303個、ダイアルにも574個のダイヤモンドが施されている。自動巻き(Cal.1088)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KPG(直径35mm)。3気圧防水。756万8000円(税込み)。

人気が高いヴィンテージ

ヴィンテージウォッチ

ヴァシュロン・コンスタンタンでは、20世紀に製作されたヴィンテージウォッチの中から代表作を厳選。直営ブティックで巡回展示するのみならず、一部の修復したモデルを鑑定書と2年間の保証書付きで販売する「レ・コレクショナー」を不定期で実施。数多くのヴィンテージウォッチが存在する同ブランドならではの取り組みである。

近代の世界的な大戦は、機械製造業に大きな打撃を与えた。時計製造においても、その生産力が兵器の製造に利用され、時計の製造中止を余儀なくされたメーカーは数知れない。

また、現代の技術革新に追い付けず、歴史ある時計ブランドが操業停止に追いやられたケースも珍しくない。しかし、ヴァシュロン・コンスタンタンは創業以来、その歩みを止めたことは一度もない。

同社の長い歴史は、数々のヴィンテージ時計を生み出す背景ともなっている。過去と現在を繋げるヴァシュロン・コンスタンタンのヴィンテージ時計は、世界に数多くのファンを有している。