技術屋と評されるジャガー・ルクルトの真価。ムーブメントの特徴解説

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2021.04.27

ジャガー・ルクルトは、玄人好みで堅実なイメージを持たれがちな時計ブランドだろう。それは、ムーブメント製造において、業界内で最高級の評価を得ているからだ。技術屋として知られるジャガー・ルクルトの特徴や魅力を紹介する。

ジャガー・ルクルト レベルソ


ジャガー・ルクルトの基礎知識

まずは時計王国スイスの名門として知られるジャガー・ルクルトの概要を押さえておこう。自社一貫生産体制へのこだわりを貫き、業界では機械技術に長けた存在として広く認知されているメーカーだ。

スイス生まれのマニュファクチュールブランド

アントワーヌ・ルクルト

アントワーヌ・ルクルト(1803〜81年)。スイスのル・サンティエに生まれ、ジャガー・ルクルトを創業した。

ジャガー・ルクルトは、時計師のアントワーヌ・ルクルトが開設した工房を起源とするメーカーである。

創業時から、数多くのムーブメント開発を手掛けている。自社の時計に組み込むだけでなく、パテック フィリップやオーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンなど、他の高級時計ブランドにもムーブメントの提供も行なってきた。

1844年には、1mmの1/1000単位を測定できる機器「ミリオノメーター」の発明を成し遂げるなど、時計界きっての「技術屋」と称されている。

デザイン面でも、独創的なモデルを製造している。文字盤が反転する「レベルソ」は、ジャガー・ルクルトを代表する名作として、現在も高い人気を誇るモデルである。

真のマニュファクチュールと呼ばれる

スイスの時計産業では、細分化された分業スタイル「エタブリスール」が主流だ。マニュファクチュールを名乗るだけで、差別化を図れるという実情がある。

しかし、マニュファクチュールをうたっているメーカーの中には、一部の高級モデルのみ自社一貫生産体制で作っているケースも多い。

このような状況において、ジャガー・ルクルトは全ての時計のダイアルやケースのみならず、ムーブメントまで自社で製造している。

創業以来、一貫して守り続けてきたこのスタイルから、ジャガー・ルクルトは「真のマニュファクチュール」と呼ばれている。