バーガンディカラー×ブロンズケースと好相性なラドー「キャプテン クック」

FEATUREWatchTime
2021.07.20

ラドーのアイコニックコレクション「キャプテン クック」のカラーバリエーションが広がった。ブロンズケースにバーガンディカラーの文字盤とベゼル、NATOストラップを組み合わせたモデルが追加されたのだ。このモデルの魅力を詳細にお伝えする。

キャプテン クック

ラドー「キャプテン クック」
自動巻き(Cal.763/ETA C07.611ベース)。25石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約80時間。ブロンズケース(直径42mm、厚さ12.5mm)。300m防水。NATOストラップ。28万6000円(税込み)。
Originally published on WatchTime
Text by Mark Bernardo
2021年7月20日掲載記事


ヴィンテージ調のダイバーズウォッチ「キャプテン クック」に加わったバーガンディカラーモデル

「キャプテン クック」は1962年から1968年にかけてラドーが生産していたダイバーズウォッチだ。18世紀の探検家であり海軍士官であったジェームズ・クックの名を冠したこのモデルをラドーが復活させたのは2017年である。このヴィンテージ調のダイバーズウォッチのラインナップを、「マスター・オブ・マテリアル」の異名を取るラドーはハイテクセラミックスやブロンズなどをケース素材に採用して拡充してきた。ブロンズモデルの既存作にはブラウンをはじめブルーやグリーンなど、時計業界のトレンドカラーを迅速に取り込んできた。これに続いたのが今回のバーガンディカラーである。

キャプテン クック

ベゼルは傷が付きにくいハイテクセラミックス製。この素材で赤系の色を出すことは難しいとされている。

 サテン仕上げのブロンズ製ケースは直径42mm(ラグを含めた幅は48.6mm)で存在感のある大きさだ。既存の直径37mmや45mmサイズのキャプテン クックをご存じの愛好家には、スタイリッシュな中間サイズとして評価されるだろう。ブロンズケースと鮮やかなバーガンディカラーとの相性も良好だ。

 ダイバーズウォッチであるキャプテン クックのベゼルは逆回転防止式であり、つかみやすいように端にはコイン状の刻みが入っている。ベゼルには、12時位置に逆三角形のホールマーク、細いバーインデックス、15分、30分、45分位置にアラビア数字があしらわれている。特筆したいのはこのインサートの素材がセラミックスであることだ。マットなバーガンディカラーをセラミックスで実現するのは、実は非常に難しいことである。

キャプテン クック

ケースバックには3匹のシーホースが配されている。

キャプテン クック

ねじ込み式リュウズはポリッシュ仕上げだ。

 ベゼルを回転させると、ラチェット機構が誇らしげに軽快な音を立てる。サファイアクリスタル製風防はボックスタイプで、両面に無反射防止加工を施し、凸レンズ状になるよう内側にカーブしている。リュウズはねじ込み式で、ポリッシュ仕上げが施されている。リュウズは存在感がありつかみやすい大きさであるが、大きすぎることはないため全体のデザインを阻害せず、また手首にこすれるということもない。

 バーガンディカラーの文字盤は、サンバースト仕上げの輝きが印象的だ。文字盤の外周は縁に向かって下るようにカーブしており、それに合わせて長方形のインデックスが配されている。12時、6時、9時位置のインデックスはくさび形で、3時位置は日付窓に合わせて短くなっている。インデックスにはスーパールミノバが塗布されており、ブロンズの色味に合わせたイエローゴールドカラーで縁取られている。時分針もしっかりとした太さがあり、視認性が高い。幅広の時針は三角形のポインターを備え、分針はスマートな剣型だ。センター秒針の先端には、細くカーブした三角形の針が付いている。白くプリントされたラドーのロゴの上には、キャプテン クックシリーズのユニークな特徴である、人工ルビーにイエローゴールドで着色された小さな錨のシンボルがあり、腕の動きに合わせてわずかに回転する。

キャプテン クック

ベゼルにはつかみやすいように刻みがつけられている。

 裏蓋がソリッドケースバックであることは、1960年代のオリジナルモデルに忠実な仕様である。ここには3匹のタツノオトシゴが刻印されており、ダイビングに適した300mの防水性をビジュアル的に語っている。なおケースバックは、ブロンズではなくサテン仕上げのチタン製だ。ムーブメントには、ETA C07.611をベースとしたキャリバー763を採用している。このベースムーブメントはラドー以外のスウォッチ グループ傘下のハミルトン、ミドー、ティソなどでも、パワーマティック80ファミリーのベースムーブメントとして使用されている。パワーマティックとは、全巻き上げ状態で約80時間のパワーリザーブを保持する自動巻きシステムだ。

 バーガンディカラーとブロンズの組み合わせは、丈夫で柔らかなNATOのテキスタイルストラップにも連なっている。バックルはケースと同じブロンズ製で、片方の端にはバーガンディカラーのレザーが縫い付けられ、バックルのピンが入る穴を補強している。このモデルの何よりの魅力は、その高級感あふれる佇まいだろう。他のブロンズケースの腕時計と同様に、新品時にはゴールドのような高級感がありながら、価格はそれほど高くない。ブロンズならではの経年変化も、パーソナルな味わいを楽しませてくれる。

キャプテン クック

NATOストラップに縫い付けられた補強用のレザーパーツが、タフな装着への安心感を高めてくれる。


Contact Info: ラドー/スウォッチ グループ ジャパン Tel.03-6254-7330


本来の“時の流れ”に回帰する ラドー「トゥルー シークレット オートマティック」/気ままにインプレッション

https://www.webchronos.net/features/57999/
ハイテクセラミックスの革新者ラドーによる、新色&モノブロック構造の「トゥルー シンライン アニマ」

https://www.webchronos.net/features/51950/
未来をデザインするラドー CEO「マティアス・ブレシャン」

https://www.webchronos.net/features/43857/