ジラール・ペルゴ的〝ラグスポ〟ウォッチが持つ3つの普遍的魅力とは?「ロレアート 42mm」&「ロレアート クロノグラフ 42mm」

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2021.08.16

2016年に復活を遂げ、再びジラール・ペルゴのアイコンウォッチに上り詰めた「ロレアート」。高級感のある優れた外装とスポーティなデザイン、そして高い防水性能を持つ同作は、まさに今のラグジュアリースポーツウォッチブームの中で求められている時計のひとつと言えるだろう。そんなロレアートがオリジナルモデルから持ち続ける3つの魅力について紹介する。

写真:吉江正倫
Photographs by Masanori Yoshie
文:細田雄人(クロノス日本版)
Text by Yuto Hosoda(Chronos-japan)
2021年8月16日掲載記事


1975年デビューのスポーティウォッチが原点

 現在、高級時計のジャンルとして最も勢いがあるのがラグジュアリースポーツウォッチだ。厳密に定義付けされているわけではないが、一体型のブレスレットやマリーンスポーツすらこなせる防水性能、そしてスポーティなデザインなどを兼ね備えたモデルを指すことが多い。

1975年に発表されたジラール・ペルゴ「ロレアート」の初代モデル。当時はブレスレットのコマがH型でなかったほか、ムーブメントもクォーツだった。しかし、それでも8角形のベゼルやクル・ド・パリの文字盤など、その意匠の多くが現行モデルまで引き継がれている。

 今でこそ各社こぞって手掛けるようになった“ラグスポ”だが、その第1世代とも言える存在が誕生したのは50年近くも前のことだ。該当する時計には同ジャンルの始祖的モデルである1972年のオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」や76年のパテック フィリップ「ノーチラス」、そして75年デビューのジラール・ペルゴ「ロレアート」などが挙げられる。

 今回はこのラグジュアリースポーツ黎明期に登場し、現在も第一線でジラール・ペルゴを支えるロレアートを取り上げていきたい。


初代モデルから受け継ぐロレアートの普遍的魅力

 複数にわたってモデルチェンジを行なっているロレアートだが、その本質は75年の登場からなにも変わっていない。

 ではロレアートが持ち続ける“らしさ”とは一体なんのことなのか? ここではロレアートが初代モデルから変わらず持ち続ける3つの“普遍的魅力”を見ていきたい。

①スポーティさと高級感を両立したデザイン

 イタリアのフラマリオン出版より発刊された『GIRARD-PERREGAUX』(フランソワ・シャイユ著)によれば、ロレアートは84年のマイナーチェンジを経て、95年の自動巻きムーブメント搭載モデルを第2世代、2003年発表の「ロレアートEVO3」を第3世代としている。よって、16年に限定モデルとして復活を遂げ、翌17年にレギュラー化を果たした現行モデルは第4世代に当たる。

直線を多用しつつも、角を丸めることでスポーティさと高級感を両立するベゼル。今やロレアートのアイコンとして欠かせない要素のひとつとなっている。

 つまり、初代モデルの発表からの50年でモデルチェンジは3回。第3世代と第4世代の間に販売をしていない期間が数年あるとはいえ、長いモデルライフはロレアートという時計のパッケージングが優れていることの証明に他ならない。そして、この優れたパッケージングの軸となるのが、スポーティさと高級感を両立したデザインだ。

 一般的に直線を多用すればするほど、またデザインにおける線を太くすればするほどにスポーティな印象が強まり、逆に曲線や細い線を多用すればするだけ、フォーマルな印象が強くなる。ロレアートはこの直線と曲線の割合と、使用する線にの太さを巧みに使い分けることでスポーティさと高級感を両立することに成功した。

 最も分かりやすい例が、イタリア・フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の天蓋をモチーフとした8角形のベゼルだ。単純な円とせずに8つの直線を与えることでスポーティさを、そしてその角を丁寧に丸めることで巧みに高級感というふたつの要素を与えている。

 また、線の太さの使い分け例として分かりやすいのがインデックスとミニッツトラックだ。インデックスと時分針を太くしてダイアルに重厚なイメージを付与しつつも、間に細いバータイプのミニッツトラックを加えることでフォーマルにも対応できるキャラクターに仕立て上げている。

②外装に与えられる高品質な仕上げ

 高級感の演出はデザインで可能だが、「高級時計」であるためには高品質な仕上げは欠かせない。ロレアートの外装もデビュー以来、同モデルがラグジュアリースポーツウォッチというアイデンティティを形成するのに必要不可欠な要素のひとつであり続けた。最も見るべきはダイアル一面に施されたクル・ド・パリだ。

オリジナルモデルから優れた外装を持つロレアートだが、現行モデルでは一気にその質が上がっている。ベゼルやケースはサテン仕上げをベースに、面取り部分にはポリッシュ仕上げを施す。なお、使用されるステンレススティールは904Lだ。

 8角形のベゼルと並んで、今やロレアートに欠かせないデザインアイコンとなったクル・ド・パリ。同作のクル・ド・パリは手彫りではなくプレス加工によるものだが、ひとつひとつの面が立った、非常に高い質を持つ。その証拠に、上の写真のように強い光源下であっても光の反射を抑え、優れた視認性を担保してくれている。また、ダイアルの立体感を演出することにも一役買っている。

 なお、オリジナルモデルではクォーツのためあまり重要視されなかったムーブメントの仕上げに関しても、現行モデルではしっかりと手が入れられている。搭載するCal.GP01800は受けとローターにコート・ド・ジュネーブが、地板にはペルラージュが入れられており、また面取りもしっかりと施されている。ケースバックから観賞するのも楽しいムーブメントだ。

③軽快な装着感

軽快な装着感を実現する一体型ブレスレット。リンクのみならず、ブレスレットのコマにも丁寧にポリッシュが施される。高級品らしくブレスレットのコマ調整はネジ方式だ。

 シームレスにケースからつながる一体型ブレスレットといえば、ラグジュアリースポーツウォッチの醍醐味だ。ロレアートのブレスレットは初代モデルからデザインこそ変更されているが、しなやかで腕になじむ装着感は変わっていない。

 H形のコマとポリッシュがなされたリンクの遊びは適切で、長時間の着用でも腕は疲れにくいだろう。ただし、若干ブレスレットの厚みがヘッドの重さと比較すると薄めのため、ゆったり目にするよりもきつめに着けた方が相性は良さそうだ。


貴重な“買える”ハイクオリティなラグスポ

 初代モデルから50年近くにわたってラグジュアリースポーツとしてのツボを押さえつづけてきたジラール・ペルゴのロレアート。近年の“ラグスポ”ブームで一部ブランドに至っては、もはや購入が不可能というパターンも少なくない中で、これだけの内容を備えた同モデルが未だ店頭に並んでいるというのはありがたい話だ。

 今や貴重になりつつある“買える”ハイクオリティなラグジュアリースポーツウォッチ。ラグスポに興味があるならば、実際に手に取って見ることができる今のうちに、ロレアートを検討することをおすすめする。

ジラール・ペルゴ「ロレアート 42mm」
Ref.81010-11-431-11A

自動巻き(Cal.GP01800)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約54時間。SS(直径42mm)。100m防水。141万9000円(税込み)。

ジラール・ペルゴ「ロレアート クロノグラフ 42mm」
Ref.81020-11-131-11A

自動巻き(Cal.GP03300)。63石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約46時間。SS(直径42mm)。100m防水。190万3000円(税込み)。


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