ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズのスペック・特徴・実用性について解説

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2022.12.05

スイスの名門時計メーカー、ヴァシュロン・コンスタンタンの代表モデルが「オーヴァーシーズ」だ。時計業界でも屈指の歴史を持つ老舗メーカーが1996年に発表したスポーティーさが人気のオーヴァーシーズについて、詳しく見てみよう。

オーヴァーシーズ


ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズとは

ヴァシュロン・コンスタンタンの中ではスポーツタイプに分類され、高い実用性があるオーヴァーシーズ。まずはその歴史や特徴をひもといて紹介する。


ヴァシュロン・コンスタンタン「オーヴァーシーズ」の歴史

 オーヴァーシーズは突如生まれたモデルではなく、実は前身モデルがある。ヴァシュロン・コンスタンタン創立222周年を記念して1977年に作られた「222」だ。

222

ブランド創業222周年を記念して誕生した「222」。デザイナーには当時気鋭だったヨルグ・イゼックが起用された。

 222も、オーヴァーシーズと同様にスポーティーな時計として作られた。当時から高い防水性と薄さを兼ね備えなど、オーヴァーシーズと共通するコンセプトを持っていた。

 222は1970年代頃から頭角を表したクォーツ時計に対抗すべく打ち出した1本だった。この222がヒットしたことで、その後のヴァシュロン・コンスタンタンにおけるスポーティーモデルの方向性が確立した。

333

222の誕生から7年後にあたる1984年に発表された後継機の「333」。特徴的なブレスレットの6角形コマが222から踏襲されていることが分かる。

 その後、1980年代の「333」、1990年代の「フィディアス」を経て、1996年にオーヴァーシーズが登場した。

フィディアス

333の後継モデル、「フィディアス」。1989年の発表だ。写真はワールドタイマーモデル。

 オーヴァーシーズは、1996年に登場してからも度々デザインのアップデートが施されている。2004年に第2世代、2016年に第3世代のオーヴァーシーズが登場し、その間にベゼルの突起部分が8つから6つに変わるなど、そのデザインは洗練され続けている。

初代オーヴァーシーズ

1996年に誕生した初代「オーヴァーシーズ」。上記3モデルと見比べれば、オーヴァーシーズが222を起点とし、333、フィディアスの系譜上に位置するシリーズであることが明らかだ。

 ケースサイズも第1世代が37mm、第2世代が42mm、第3世代が41mmと、時計業界のトレンドに合わせて細かくアジャストさせている。

 オーヴァーシーズのように、歴史あるデザインに積極的に手が加えられていくことは、老舗ブランドとしては珍しい傾向だ。時代に合った新しい価値を見出す姿勢こそが、ヴァシュロン・コンスタンタンに不動の人気をもたらしたのかもしれない。


ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズの特徴

オーヴァーシーズ クロノグラフ

 ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズの特徴は、スポーティーなデザインと、高い防水性や高い耐磁性だ。

 ベゼル、文字盤、ブレスレットにマルタ十字のロゴが使用することで、ヴァシュロン・コンスタンタンのブランドイメージを強める象徴的なデザインも特徴で、美しいディテールを誇る。

 ラッカー仕上げが施されたダイアルや高さのあるインデックスにより、視認性も非常に高い。ダイアルの外周にはカウンターレールが配され、時刻が判読しやすい設計だ。

オーヴァーシーズ トゥールビヨン

 オーヴァーシーズを購入すると、ステンレススティール製または、ピンクゴールド製のブレスレットに加え、ラバーとレザーの2種類のストラップが付属する。インターチェンジャブル機構を採用しており、ワンタッチで簡単に付け替えることができる。

 ブレスレットの付け替えは専用の工具を使う必要がないため、ストラップさえ携行していれば旅先でも素早く変更できる。季節や気分によってスタイルを変更できるのも、長く楽しむのに魅力的なポイントだ。

オーヴァーシーズ パーペチュアルカレンダー エクストラフラット

 ビジネスシーンにはエレガントな印象を与えるアリゲーターストラップ、ラフなシーンで腕元をカジュアルに見せたいなら軽やかなイメージのラバーストラップが良いだろう。

 第2時間帯が確認できるデュアルタイムモデルや、世界37地域の時刻が分かるワールドタイムなど、モデルの違いで機能性も大きく向上するので、世界の時間を意識する際には見逃せないポイントだ。