ロジェ・デュブイが、最新世代のクロノグラフモデルである「エクスカリバー スパイダー フライバック クロノグラフ」の新作モデルを発表した。本作は、ケースに温かみのある色調の18Kピンクゴールドを採用している。従来モデルを踏襲した、肉抜きを多用したアバンギャルドで立体感のあるケース形状を備え、先進技術を盛り込むロジェ・デュブイの世界観が表現されている。本作は、創業者のロジェ・デュブイのラッキーナンバーにちなんだ、88本の限定生産となる。
エクスカリバー スパイダー フライバック クロノグラフの最新作が登場
初出が2023年のエクスカリバー スパイダー フライバック クロノグラフは、クロノグラフ技術を磨いてきたロジェ・デュブイの第5世代クロノグラフに位置付けられる。搭載するCal.RD780は、モジュール式アプローチを採用せず、クロノグラフ機構をムーブメントに完全統合する思想に基づいて設計されたフライバック クロノグラフムーブメントである。この設計思想により、輪列の配置や3時位置のミニッツカウンターと9時位置のテンプ、スケルトナイズされたブリッジがシンメトリーとなり、デザイン性に優れた仕上がりとなっている。
そんなエクスカリバー スパイダー フライバック クロノグラフに加わった新作モデルは、18Kピンクゴールド製ケースが特徴だ。温かみがありつつ華やかな色調の18Kピンクゴールドが、特別なロジェ・デュブイのタイムピースを彩る。全体にはサテン仕上げが施され、先進的なスポーツウォッチにふさわしい、ストイックな印象の仕立てにもなっている。

自動巻き(Cal.RD780)。39石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPG×Tiケース(直径45mm)。100m防水。世界限定88本。2051万5000円(税込み)。
ケース形状は従来モデルを踏襲し、肉抜きを多用したアバンギャルドなケースデザインや、ハイパースポーツカーのタイヤを思わせるベゼルデザインを18Kピンクゴールドによって表現している。
独自の表示形式を持つミニッツカウンター
3時位置に配置されるのは、120°回転式ミニッツカウンター(RMC)である。クロノグラフを作動させると回転を始め、0、1、2を表示する三連針によって10分単位、外周に配置された9までのスケールで分単位を計測する仕組みだ。RMCはデザインが特徴的なだけでなく、数字も同時に動くことにより視認性に優れる点が大きな特徴となっている。なお、この三連針は特許出願中とのこと。
重力の影響による等時性悪化を抑制する傾斜したテンプ
9時位置のテンプは、12°傾斜して配置される。テンプは、重力の影響により理想的な往復運動からわずかに外れ、それが等時性の悪化の原因となるが、本作ではテンプを12°傾斜させることで、文字盤平面に平行に配置するよりもその影響を低減している。これにより、テンプを回転させて重力の影響を低減させるトゥールビヨンと同基準の安定性を実現している。また、ダイヤモンドコーティング仕上げのシリコン製ガンギ車を、ダイヤモンドコーティング仕上げのシリコン製パレットストーンと組み合わせることで、優れた耐磁性も獲得している。
クロノグラフを確実に作動させるコラムホイールと垂直クラッチ
Cal.RD780では、クロノグラフの作動と停止をコラムホイールによって制御する。コラムホイールはプッシャー操作をスムーズにするメリットがあり、クロノグラフの魅力を訴求した本作には必須の構成部品だ。本作では、ポリッシュ仕上げが施されたコラムホイールが6時位置からのぞき見えるデザインとなっており、クロノグラフ機構をムーブメントに完全統合する設計思想を反映したものと言えるだろう。
ここに組み合わされるのは垂直クラッチで、クロノグラフ機構の始動を正確に伝達し、針飛びを抑制する。さらに、クラッチにはクロノグラフ針の揺らぎを大幅に軽減するセカンドブレーキシステム(SBS)を採用しており、クロノグラフ技術を磨いてきたロジェ・デュブイの最新世代ムーブメントにふさわしい計測精度を実現している。