ユリス・ナルダンは、同社の腕時計製造の革新性を象徴する「フリーク S」コレクションより、アワーディスクを伝統的なエナメル技法で飾った「フリーク S エナメル」を発表した。鮮やかなブルーと深みのあるレッドの2モデルが展開され、各色50本が限定販売される。

ハイオロロジーと伝統工芸の融合
ユリス・ナルダンが2001年に打ち出した「フリーク」は、ダイアル、針、リュウズを廃し、ムーブメント自体が回転して時刻を示すメカニズムを持つ、革新的なタイムピースである。そのコレクションの中でも、近未来的な「フリーク S」の新作として、繊細なエナメル装飾が施された2モデルが登場した。

自動巻き(Cal.UN-251)。1万8000振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径45mm、厚さ16.65)。30m防水。世界限定50本。2553万1000円(税込み)。
新作の回転アワーディスクには、鮮やかなターコイズブルーと深みのあるルビーレッドのエナメル装飾が施されている。このエナメルはドンツェ・カドランが手掛けており、本作では、工房が誇るメティエ・ダールと、ユリス・ナルダンの先端技術の融合が実現している。

自動巻き(Cal.UN-251)。1万8000振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径45mm)。30m防水。世界限定50本。2553万1000円(税込み)。
またこのエナメルディスクは単なる装飾ではなく、時刻表示という機能の一部を担うため、製作において極めて高い精度と仕上がりが求められた。そこで工房の職人たちは、ディスクの素材に熱安定性に優れた18Kホワイトゴールドを採用。高温にさらされるエナメル装飾の過程を経ても、時刻を表示するパーツとしての完成度が突き詰められた。

ムーブメントは、従来のフリーク Sコレクションに引き続き、Cal.UN-251を内蔵している。本機において特筆すべきは、ダブルオシレーター機構の搭載だ。この機構は、角度を付けて設置されたふたつのシリコン製テンプと、それらの速度を平均化する垂直ディファレンシャルで構成され、優れた計時精度と安定性に寄与している。また本機は、特許取得の自動巻き機構・グラインダー®や、エネルギー伝達を最適化するセラミックス製ボールベアリングの採用している。約72時間のパワーリザーブと相まって、ただ奇抜なだけではない、実用性にも優れたムーブメントとなっているのだ。

この複雑なムーブメントを収めるケースは、直径45mm、厚み16.65mmという大ぶりなサイズ感で、構成するすべての部品に軽やかかつ堅牢なチタン素材が用いられている。またストラップには、バリスティックテクスチャー加工を施したラバーストラップが採用されており、良好な着用感が追求されている。



