
A.ランゲ&ゾーネから、“プレSIHH 2018モデル”が発表された。2017年1月17日に他界した、ブランド再興の祖、ウォルター・ランゲにちなんだ限定コレクション「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」だ。
外観は本質的なものに絞り込み、うちには確かなものを秘める。この新作は、ウォルター・ランゲの意思と人格を1本の時計に具現化しようと考案されたものだ。誕生した本作は、彼が好んだ複雑機構のひとつであるジャンピングセコンドを搭載する。
スタート・ストップ機能付きのこの機構は、1867年に彼の曽祖父であるA.ランゲ&ゾーネ創始者フェルディナント・アドルフ・ランゲが発明し、その長男リヒャルトがこれを発展させて1877年にドイツで初めてとなる特許のひとつを取得したものだ。そしてウォルター・ランゲの祖父、フェルディナント・アドルフ・ランゲの次男のエミールが実用化を実現。つまり、ランゲ一族の歴史が深く息づいたものなのだ。
新作「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」は、このマスターピースに倣ったジャンピングセコンドの制御の原理を取り入れ、ムーブメントにはウォルター・ランゲの誕生年にちなむキャリバーナンバーL1924が刻まれる。また、リファレンスナンバーの上3桁「297」は、ウォルター・ランゲの誕生日7月29日に由来する。3種類のゴールドのカラーによって異なる限定数も、それぞれに意味を持っている(時計のキャプションを参照)。
最後に特筆すべきこととして、この「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」からは、ステンレススティール製ケースにブラックエナメルの文字盤を合わせた、世界に1本だけの限定エディションが登場する。この唯一無二の時計は2018年内に開催されるオークションに出品される予定であり、その行方には注目が集まりそうだ。
その年の新作モデルや、機構、仕上げの完成度など、毎回決められたテーマの中から、優れた10本を時計ジャーナリストたちが選出します。
クロノスドイツ版の人気連載「TEST」の翻訳記事。腕時計のデザイン、機能などをポイント性によって評価します!
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