ユリス・ナルダンが仏・音響ブランドとのコラボレーションモデルを発表

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2019.10.25

 ミュージカルウォッチ「ストレンジャー」やアワーストライカー「サムライ」など、鳴り物時計に積極的に取り組んできたユリス・ナルダン。今回、正時と30分の時刻を告げるストライキングウォッチに、フランスの音響テクノロジーブランド、デビアレ社の音響技術を取り入れたアワーストライカーの新モデル「ファントム」が誕生した。

ユリス・ナルダン「アワーストライカー ファントム」

ユリス・ナルダン「アワーストライカー ファントム」
最大85dBもの音量で正時と30分に鳴るストライキングメカニズムを搭載する。自動巻き(Cal.UN-610)。パワーリザーブ約42時間。Tiケース(直径43mm)。30m防水。予価840万円(税別)。

音響ブランド、デビアレ社の技術を取り入れたストライキングウォッチ

 デビアレ社の主力製品である高音質ワイヤレススピーカー「ファントム」の名を冠する同モデルは、従来のストライキング・ウォッチに比類のないストライキング機構を搭載する。

底面側に配されたメンブレンの下には8つの開口部が設けられ、これらを通じて音が伝わる。バックケースにはデビアレ社とのコラボレーションモデルを表す"LIMITED EDITION WITH DEVIALET"の刻印が見える。

 従来のストライキング機構では、ハンマーがゴングを打つことで振動した空気が、ムーブメント内でさまざまな部品を響かせて音を出す。しかし、「ファントム」ではゴングによって振動した空気が、ムーブメント内ではなく、トランスミッションアームを介して時計の底面側に配されたメンブレン(膜)に伝わり、振動させることで音が出る仕組みだ。

 多くの部品が配置され、空気量の少ないムーブメント内よりも、表面積の大きい底面の膜を震わせた方がより多くの空気が動き、大きな音が鳴るのだ。これはまさにコーン型のラウドスピーカーに例えられる機能と言える。また、ケースもSSや18Kゴールドより響きやすいチタン製とすることで、その音量は100mm離れた状況下で最大85dBに及ぶ。

 なお、ダイアルに配された模様は音の振動波を可視化した「クラドニ図形」で、デビアレ社のスピーカー「ファントム」の保護カバーに採用されているデザインだ。この透かし模様の下には着色されたガラスが配され、ムーブメントを保護している。

 スピーカーの技術を時計に転用することで、これまでにない音量を得たアワースストライカー ファントム。その音を確認したい愛好家は世界に多いかもしれないが、残念ながら販売数はその音量にちなんで世界限定85本と少数だ。

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