シチズン、同社第一号の時計をモチーフとした、ギンザタナカとのコラボレーションモデルを発売

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2019.11.16

シチズンと貴金属の製造・販売等を手掛けるギンザタナカによるコラボレーションモデル「CITIZEN × GINZA TANAKA プラチナモデル」が発表された。2020年2月中旬、数量限定16本での発売となる。(クラウドファンディングサイト「未来ショッピング」にて、2019年11月14日より先行予約開始。)

日本の時計業界と貴金属業界の黎明期を牽引した二社によるコラボレーション

ブルーメタリックのカテドラル針や「16型懐中時計」から手書きでトレースし、腕時計用に再配置したインデックスなど、モチーフとなった「16型懐中時計」の特徴が随所に見受けられる。球状に削り出された文字盤やデュアル球面サファイアガラスを用いた風防により、アンティーク調の柔らかな風合いが表現されている。風防にはシチズン独自の99%クラリティ・コーティングが施されており、優れた視認性を発揮している。ストラップは、インデックスの艶感に合わせたワニ革が装着されている。自動巻き(Cal.0910)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。Pt(直径37mm、厚さ 11.6mm)。5気圧防水。世界限定16本。360万円(税別)

 シチズンとギンザタナカにはある共通点がある。それはどちらも山崎亀吉氏によって創立されたブランドであるということだ。
 ギンザタナカのはじまりは、1892年に「清水商店」(のちに「山崎商店」に社名を変更)の名で開業した貴金属装身具卸である。
 山崎氏が日本の貴金属業界に与えた功績は大きい。氏は創業当時、宝石を身につける風習のなかった日本人へその魅力を伝えるだけでなく、K18やK24といった規定を日本で初めて立案するなど、日本の貴金属業界の黎明期を切り拓いてきた。その姿は、1918年に創業され、市民のための国産時計の製造を掲げるシチズン(創業当時、「尚工舎時計研究所」)とも重なる。

ムーブメントは、惜しまれながらも生産終了となったザ・シチズンの機械式モデルと同じ、Cal.0910が採用されている。大きく肉抜きされたローターによって、受けやブリッジに施された美しいコート・ド・ジュネーブを存分に眺めることができる。ローターに刻印された星マークは、創業時より今もギンザタナカに続く品質保証刻印である「☆S(ホシエス)」だ。

 そんな両社が創業から100年の時を超えて実現させたのが、今回のモデルである。全体のデザインは、シチズンが1924年に「CITIZEN」の名で世に出した第一号の時計、「16型懐中時計」がモチーフとなっている。
 ケースは、プラチナ950を使用したギンザタナカ製のものだ。一般的なプラチナ950では、プラチナ95%にパラジウム等を配合しているが、このモデルではプラチナ95%と金5%を配合し、プラチナにステンレス並みの強度を付加させた。貴金属への豊富な知見を持つギンザタナカだからこそ実現できた特別なケースだと言えるだろう。
 日本の時計業界と貴金属業界を牽引した山崎亀吉氏。氏の偉業が100年の時を超え、一つの製品として結実したことを祝したい。

実業家であり貴族院議員でもあった山崎亀吉氏。急激に近代化の進む明治から昭和にかけて、日本の時計業界や貴金属業界の礎を築いた。

1924年に発売された、「CITIZEN」の名を冠する「16型懐中時計」。「CITIZEN」とは、永く広く市民に愛されるようにと当時の東京市長である後藤新平によって付けられた名前である。この懐中時計のムーブメントにも「☆S(ホシエス)」が刻まれている。

Contact info: シチズンお客様相談室 Tel.0120-78-4807