南極大陸をイメージした新世代の”ラグスポ”、チャペック 2020新作「アンタークティック」

NEWSニュース
2020.06.01

チャペックは、普通の時計好きと、普通ではない時計好きの両方から評価されるであろうスペシャルモデルを発表した。自社製ムーブメントが搭載され、洗練されたスタイルと外観を兼ね備えた「Antarctique(アンタークティック)」は、今日ポピュラーになっているラグジュアリースポーツウォッチのセグメントで、大きな影響力をもたらす可能性を秘めている。

南極大陸を意味する新しいラグジュアリースポーツウォッチ

  • 独自の「イージー・リリース」システムを備えたカーフまたはラバーストラップが付属

  • チャペック アンタークティック

    丁寧にポリッシュした「C」リンクが光るSS製ブレスレット

  • スーパールミノバを塗布したソードシェイプ型の針

  • チャペック アンタークティック

    メタレムによる、手作業で装飾されたダイヤル

  • オリジナルのダブル「トロンプルイユ(だまし絵)」カーブが組み込まれたケース

  • カフリンク付きのシャツでも快適に装着できる薄さとエッジが効いた仕上げ

  • 19世紀のポケットウォッチを彷彿とさせる7つのスケルトン化されたブリッジ

  • cal.SXH5.01

    4つのゴールド製慣性ウェイト(マスロット)を備えたフリースプラングテンプ

/
チャペック「アンタークティック テール・アデリー」
自動巻き(Cal.SXH5.01)。28石。2万8800振動/時。SSケース(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。パワーリザーブ約56時間。120m防水。2020年7月15日までのオーダー受付で最大99本までの限定生産。235万円(税別)。簡単に交換できる、カーフまたはラバーストラップが付属する。


チャペックの考える、高級時計の条件とは何か?

 チャペックのCEOであるザビエル・デ・ロックモーレルは新作「アンタークティック」が目指したのは「高級感を放つだけではなく、毎日身に着けることができ、称賛されるような時計であること」と述べる。そのため今回チャペックは、以下の4点に注力した。もともと同社は優れた仕上げで知られているが、いっそう強調した印象を受ける。確かにこれらは、時計の価値を高める重要な要素であり、いわゆる”ラグスポ”にも欠かせないものだ。

・ムーブメントのデザイン
・レアなテクニックを駆使した繊細な仕上げ
・厳選されたマテリアルが使用された複雑なケースの仕上げ
・細部へのこだわり


30年前に開発したラメ技術を文字盤に使用

アンタークティック テール・アデリー

チャペック「アンタークティック テール・アデリー」シークレット・アロイ文字盤
自動巻き(Cal.SXH5.01)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SS(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m 防水。2020年7月15日までのオーダー受付で最大99本までの限定生産。235万円(税別)。

 ダイアルは、チャペック社のパートナーであるメタレム社が30 年前に開発した独自のラメ技術を、このプロジェクトのために復活させたもの。手作業で施される特徴的なシマ模様が、色に深みと反射効果を生み出しているのが分かる。写真で見た限りで言うと、これは紙やすりで模様を付ける筋目模様の一種。しかし、スポーツウォッチらしく、模様を強くしているのが大きな違いだ。実物を見ていないため詳細は不明だが、表面は、”メタレム”流に、クリアのラッカーを厚吹きしているはずである。となると、本作の見た目は、いわゆるラグスポとは大きく異なっているだろう。

 本作は、ケースの造形もユニークだ。リュウズガードと120m防水というスペックは、他のラグジュアリースポーツウォッチに準じたもの。しかし、ドレスウォッチよろしく、ベゼルを極端に細く絞ったほか、ケースサイドにもわずかな絞りを入れた点が大きく異なる。また、写真で見る限り、風防はなんとドーム状である。そのため、実寸よりも薄く感じるだろう。「南極大陸」という名称とは裏腹に、チャペックはこのモデルをビジネスシーンでも使える万能時計に仕立てたわけだ。写真通りと仮定するならば、ケースの仕上がりもかなり良好だろう。

アンタークティック テール・アデリー

チャペック「アンタークティック テール・アデリー」バーガンディ文字盤
自動巻き(Cal.SXH5.01)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SS(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m 防水。2020年7月15日までのオーダー受付で最大99本までの限定生産。235万円。

アンタークティック テール・アデリー

チャペック「アンタークティック テール・アデリー」ディープブルー文字盤
自動巻き(Cal.SXH5.01)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SS(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m 防水。2020年7月15日までのオーダー受付で最大99本までの限定生産。235万円(税別)。

アンタークティック テール・アデリー

チャペック「アンタークティック テール・アデリー」ブラック・インク文字盤
自動巻き(Cal.SXH5.01)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SS(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m 防水。2020年7月15日までのオーダー受付で最大99本までの限定生産。235万円(税別)。


スポーツウォッチに相応しい新キャリバー、SXH5.01

SXH5.01

 新キャリバー(Cal.SXH5.01)のハイライトは、4つのゴールド製慣性ウェイト(マスロット)を備えたフリースプラングテンプだ。これにより強い衝撃を受けても携帯精度が悪化しにくいほか、理論上は、主ゼンマイがほどけた際の等時性も高まる。2万8800振動/時という振動数を考えると、スポーツウォッチには相応しい心臓と言えるだろう。「100%リサイクル認定済み」の18Kゴールドで製造されるマイクロローターは、スイス以外の唯一のパートナーである、ドイツのAGOSI社によって供給され、ラ・ショー・ド・フォンで加工されたものだ。マイクロローターとしては厚みのあるローターは、おそらく巻き上げ効率を改善するためだろう。

 加えてチャペックはこのムーブメントにいくつかの見どころを用意した。ムーブメントの輪列は、19世紀のポケットウォッチに触発された、7つの肉抜きされた受け(ブリッジ)で保持されている。スポーツウォッチにスケルトンムーブメントは似合わないように思うが、あえて見せたのは、”チャペック流”に仕上げられた歯車を見せたいためか。なお手作業で面取りされた受けの側面には、超高級時計よろしく、筋目装飾が施されている。

 このムーブメントは、現行品としては珍しく、4番車を中心に置かないインダイレクトセンターセコンド輪列を採用する。小さな(しかし慣性の大きそうな)マイクロローターと、この輪列が示すのは、チャペックが薄型化を狙ったということだ。一般的に、4番車を中心に置かないこの輪列は、秒針の針飛びが起きやすいとされている。しかし、チャペックはよほど秒カナのコントロールに自信があるのか、非常に長い秒針を採用している。なお、この輪列のように、2番車をセンターに置かない輪列は、針合わせの際に針飛びが起きやすい、という弱点がある。しかし、チャペックは2番車をオフセットさせた輪列を非常に得意としており、針合わせ時の問題はなさそうだ。なお、推測するに、このムーブメントの巻き上げ機構は、片方向巻き上げである。片方向巻き上げと仮定するならば、薄さと巻き上げ効率を両立した、危なげない選択と言えそうだ。


オリオン星雲をイメージした特別限定品「オリオン・ネビュラ」

アンタークティック オリオン・ネビュラ

チャペック「アンタークティック オリオン・ネビュラ」バーニッシュ(ニス塗装)仕上げ文字盤
自動巻き(cal.SXH5.01)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約56時間。SS(直径40.5mm、厚さ10.6mm)。120m 防水。世界限定10本(完売)。250万円(税別)。

 手作業によるバーニッシュ(ニス塗装)仕上げのダイアルを備えた特別バージョンであるオリオン・ネビュラは、わずか10本の限定生産。本作の特徴である、細いベゼルと、大きな開口部が強調されている。


Contact info: ノーブル スタイリング Tel.03-6277-1604


チャペックから2020年新作「ケ・デ・ベルク スルスム・コルダ」が発表

https://www.webchronos.net/news/45533/
チャペック2020新作「ケ・デ・ベルク オーロラ・ボレアリス」「ケ・デ・ベルク ブルー・オーロラ」

https://www.webchronos.net/news/45507/
アベンチュリン文字盤が美しいチャペック「ケ・デ・ベルク ミッドナイト・イン・ジュネーブS」

https://www.webchronos.net/news/41951/