モンブラン作家シリーズ 2020年はヴィクトル・ユーゴーへのオマージュ

2020.08.16

モンブランの作家シリーズは、筆記文化の力と芸術性によって世界の文学界に名を馳せた巨人を讃えるエディションで、1992年以来毎年発表されている。2020年の新作は、小説「レ・ミゼラブル」と「ノートルダムの鐘」が世界的に最も有名と言えるであろう、ヴィクトル=マリー・ユーゴー(1802–1885)の創造性に満ちた才能と、彼が残した文化的遺産に敬意を表したコレクションである。

モンブラン作家シリーズ
ヴィクトル・ユーゴースペシャルエディション

ヴィクトル・ユーゴースペシャルエディション

「ノートルダム・ド・パリ」は、15世紀にパリを舞台に、奇妙な鐘撞きカジモドと美しいエスメラルダへの彼の報われない愛の物語だ。ユーゴーの人道主義への情熱に忠実に、小説はカジモドやエスメラルダなどを残酷に排除する社会を非難している。小説のキャラクターとテーマは、プラチナ仕上げのフィッティングが施されたブラックプレシャスレジンで製作されたスペシャルエディションのデザインに表現された。
万年筆:本体価格¥116,000/ローラーボール:本体価格¥95,000/ボールペン:本体価格¥90,000/メカニカルペンシル:セット販売のみ(万年筆・ボールペンとのセット:本体価格¥297,000、万年筆・ローラーボールとのセット:本体価格¥302,000)

 ボディは、オートヴィルハウスにあるオークギャラリーのネオゴシック様式の木製パネル(壁板)にヒントを得たパターンに覆われた。クリップを透かしてボディに描かれている顔は、「レ・ミゼラブル」初版本でギュスターヴ・ブリオンが描いた主人公ジャン・ヴァルジャンの挿絵である。「ノートルダム・ド・パリ」でカジモドが繋がれた柱を思わせる形状の尻軸も象徴的だ。

ヴィクトル・ユーゴースペシャルエディション

ヴィクトル・ユーゴー スペシャルエディション
大聖堂の中央の薔薇窓に想を得たスケルトンのクリップで、クリップ先端はカジモドが撞いた鐘を彷彿とさせるデザイン。
ヴィクトル・ユーゴースペシャルエディション

ヴィクトル・ユーゴー スペシャルエディション
ノートルダム大聖堂のガーゴイルの特別な彫刻が施されたAu750ソリッドゴールド、ロジウム仕上げの万年筆のペン先。

フランスの文学・文化のアイコンへのオマージュ

 偉大なフランスのロマン派作家のひとりであり、小説家、詩人、劇作家、イラストレーターとして多彩な才能を発揮し、リアリスティックな要素と豊饒な象徴主義を組み合わせて、想像力豊かなリアリズムが香る独自のスタイルを切り拓いたヴィクトル=マリー・ユーゴー。ユーゴーは、自分の使命は不公平を記録することで社会の恵まれない人々を守ることである、と固く信じていた。彼は自らの作品を通して、貧困の社会的および政治的原因をあぶり出した。その多大な業績に対して、ユーゴーは1841年にアカデミーフランセーズ- Académie française – の会員に選出され、フランスの芸術と文字への影響力を証明している。

 コレクションは、小説に描かれているストーリーテリングのエレメンツに加え、ガーンジーにあるユーゴー所有の美しく装飾された家‘オートヴィルハウス’の優雅さを表現しており、その作家人生と私生活を物語っている。モンブランアトリエで製作された4つの異なるエディションは、パリのノートルダム大聖堂の印象的な建築様式から、「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンの魅力的なキャラクターにいたるまで、ユーゴーの作品が醸し出す魔法を生き生きと蘇らせた。

モンブラン作家シリーズ
ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション1831

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション1831

プラチナ仕上げのメタルとレッドラッカーで製作されたエディションは、「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・ヴァルジャンがたどる物語を表現した。
万年筆:本体価格¥464,000(世界限定1831点)
ローラーボール:本体価格¥428,000(世界限定1831点)

 ノートルダム大聖堂のゴシック建築を彷彿とさせるキャップとボディのデザインは、ベースに半透明のレッドラッカーを施したスケルトン構造が特徴で、ジャン・ヴァルジャンの刑務所での衣服から着想を得た色が採用された。尻軸のリングには、大聖堂のバルコニーの装飾を基にした特別な彫刻が施されており、カジモドがつながれていたチェーンを思わせるチェーンリンクが装備されている。尻軸の底の黄色は、ジャン・ヴァルジャンが刑務所を出たときに与えられた黄色のパスポートに想を得たもので、彼が囚人であったことをほのめかす意匠だ。限定数の1831は、「ノートルダム・ド・パリ」の初版本が出版された年にちなんだもので、1831点の万年筆、1831点のローラーボールが製造される。

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション1831

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション1831
キャップにはノートルダム大聖堂の薔薇窓の装飾が施され、キャップに書かれた番号’24601’と’9430’は、それぞれ、ジャン・ヴァルジャンが1回目と2回目に収監されたときに割り当てられた囚人番号である。
ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション1831

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション1831
キャップトップには、ユーゴーの「静観詩集」から引用された「Chaque homme dans sa nuit s en vers verslumière」(私たち一人一人はその夜が来ると光のほうへ行く。)という言葉が刻まれており、贖罪の物語を表現している。

モンブラン作家シリーズ
ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション83

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション83

このソリッドゴールドの稀少なエディションは、ノートルダム大聖堂のゴシック様式の素晴らしさからデザインのヒントを得ているが、ヴィクトル・ユーゴーの私生活も表現している。ゴールドの装飾を透かして見える透明なブルーは、ユーゴーの自邸オートヴィルハウスの展望室から楽しんだ青い空と、水彩画家としての彼のスキルを思わせる。
万年筆: 38,000ユーロ(時価)世界限定83点

 キャップに刻印された「V」とボディに刻印された「H」はヴィクトル・ユーゴーのイニシャルで、オートヴィルハウスの「中国の間」の木製パネルにも彫り込まれている。尻軸のマザーオブパールの装飾は、アカデミー・フランセーズから贈られた剣「Pair de France」のマザーオブパールの持ち手にちなんだもの。限定数の83は、ユーゴーの没年齢で、その偉大な生涯と業績を偲んだ。

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション83

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション83
キャップボディはAu750ソリッドゴールドのスケルトン装飾を施した半透明のブルーレジンで、様々な色合いのブルーラッカーで作られた薔薇窓の装飾が美しい。
ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション83

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション83
尻軸の形状は、「ノートルダム・ド・パリ」のカジモドがつながれていた鎖を表しているとともに、1920年代の初期のモンブランの筆記具でも取り上げられているモチーフでもある。

モンブラン作家シリーズ
ヴィクトル・ユーゴーリミテッドエディション8

ヴィクトル・ユーゴーリミテッドエディション8

モンブランの作家シリーズとしては初めて、世界でわずか8点という非常に限られた筆記具が登場。このエディションの職人芸の見せ場は、様々な色合いの赤いエナメルを組み合わせて作られる中央の薔薇窓の装飾で、非常に稀有な「透胎七宝技術」(pliqué-a-jour enamelling/光を透過するガラス釉)が採用されている。表面のモチーフは細かいゴールドの仕切りで押さえられており、ミニチュアのステンドグラスの窓そのものだ。このエナメル技術は、最もハイレベルな技術のひとつであり、細部にわたるまで綿密なテクニックが必要とされる。
万年筆: 165,000ユーロ(時価)世界限定8点

 ボディはブラックPVD仕上げのAu750ソリッドゴールドのスケルトン装飾を施した透明なブラックプレシャスレジン製。ブリリアントカットダイヤモンドで装飾されたAu750ソリッドイエローゴールドのフィッティング。ツァボライトとチェーンリングを装着した尻軸は、「ノートルダム・ド・パリ」でカジモドがつながれていた柱のような形を象ったものだ。

ヴィクトル・ユーゴーリミテッドエディション8

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション8
キャップの両サイドにはガーゴイルの装飾が施され、中央の薔薇窓の装飾は、様々な色合いの赤いエナメルを組み合わせた透胎七宝装飾。
ヴィクトル・ユーゴーリミテッドエディション8

ヴィクトル・ユーゴー リミテッドエディション8
Au750ソリッドゴールドのペン先は、細密なノートルダムの鐘がエングレービングされた。


Contact info: モンブランコンタクトセンター Tel.0120-39-4810


1年間に1作品だけ、特別なモンブランの万年筆

https://www.webchronos.net/news/36902/
モンブランのリミテッドエディション88

https://www.webchronos.net/news/34717/