モリッツ・グロスマンがブランド創立記念を祝う「ベヌー・トレンブラージュ」を発表

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2021.11.22

モリッツ・グロスマン創立13周年を記念して、伝統的なエングレービングの技法を用いた新作「ベヌー・トレンブラージュ」のローズゴールドとステンレススティール2モデルが発表された。

ベヌー・トレンブラージュ


トレンブラージュと名付けられた彫刻技術

ベヌー・トレンブラージュ

モリッツ・グロスマン「ベヌー・トレンブラージュ」MG-003290
自動巻き(Cal.100.1)。20石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約42時間。18KRGケース(直径41mm、厚さ11.35mm)。682万円(税込み)。

 トレンブラージュ仕上げを施す彫刻家の工房には、金属に装飾を施すための数々の工具が そろえられている。モチーフを形作りその表面に洗練された装飾模様を施すには職人の高い技術が必要とされる。

 彫刻による装飾技術は、数千年前より培われてきたものだ。エングレーバーはビュランと呼ばれる工具の角を地板に押し当て、そのまま前後左右に細かく動かし続ける。この技法はその動作が表すとおり、フランス語で「震え」を意味する「トレンブラージュ加工」と呼ばれるようになった。

 トレンブラージュ彫刻を施すためには、繊細で時にダイナミックな動作を絶えず相応の力加減で続ける必要がある。均一な仕上がりを得るためには、多くの忍耐と熟練した経験が要される。

ベヌー・トレンブラージュ

モリッツ・グロスマンの新作は、印象的なざらつきのあるマットな質感のダイアルを用いた特別なアニバーサリーモデルである。ジャーマンシルバー製のダイアルには、いくつもの専用工具を使い分けて仕上げる伝統的な技法を用いた、最上位のグレービングが施される。

ジャーマンシルバーに施される精微なハンドエングレービング

 ダイアルに用いられるジャーマンシルバーは銅・ニッケル・亜鉛の合金であり、ヴィンテージウォッチに多く採用された素材だ。表面加工をしていないジャーマンシルバーは、歴史ある時計にも見られる独特の色合いを持つ。ダイアルの立体的なトレンブラージュ装飾がヒストリカルな雰囲気をさらに強めている。アラビア数字のインデックスとスモールセコンドのスケール、そして1875年にモリッツ・グロスマンが用いた「M.GROSSMANN」のロゴがくっきりとダイアルに浮かび上がる。

 これらは1枚の地板をインデックスやスケールのラインに沿って彫ることで立体的に形作られており、ダイアルと一体となっている。シャープに仕上げられたエッジは際立ち、数字や文字の表面部分にはポリッシュ仕上げが施されている。その後、ダイアルには精巧なトレンブラージュ模様が彫られていく。

ベヌー・トレンブラージュ

 完成までに非常に多くの時間を要するこのダイアルは、卓越した技術を持つグラスヒュッテのエングレーバーの手で一枚一枚丁寧に仕上げられる。トレンブラージュダイアルは気品のある優美な仕上がりで、細かく隆起したダイアルが光の反射をやわらげマットな質感を生み出し、インデックスなど丁寧に磨かれた部分と見事なコントラストを成す。

モリッツ・グロスマンの伝統と革新

ベヌー・トレンブラージュ

モリッツ・グロスマン「ベヌー・トレンブラージュ」MG-003327
自動巻き(Cal.100.1)。20石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(直径41mm、厚さ11.35mm)。506万円(税込み)。

 トレンブラージュダイアルに用いられる熟練した技術を要する伝統的技法はモリッツ・グロスマンの哲学と合致している。ブランドの復活より13年間、同ブランドは精巧なムーブメントと卓越した技術を有する魅力的なコレクションを発表し続けている。

 新たなアニバーサリーモデルとなるベヌー・トレンブラージュもこの伝統を受け継いでおり、細部にまでブランドの特徴が表されている。ブランドを代表する手仕上げされた繊細な針は、古典的な製法で一本一本焼き戻されている。ローズゴールドケースにはブラウンバイオレットの針を、そしてステンレススティールモデルにはブルーの針をそれぞれ合わせている。

洗練された自社製キャリバー100.1

 時計師モリッツ・グロスマンの精神に基づいて設計されたムーブメントには、伝統と現代の技術による革新が組み込まれている。職人による精密な小生を実現する自社製のテンワは、空気抵抗を最小限に抑えるよう設計されている。ダイアルと同じジャーマンシルバー製の支柱構造を持つプレートに、丁寧に面取りされたエッジや手作業でポリッシュ仕上げを施されたパーツのひとつひとつが際立つ。

ベヌー・トレンブラージュ

トレンブラージュダイアルの裏側からは、自社製手巻きムーブメント キャリバー100.1の精微な仕上げを見ることができる。

 プレートに筆記体で手彫りされたブランド名は、モリッツ・グロスマン自身が手掛けた懐中時計へのオマージュだ。テンプ受けとガンギ車受けにも花模様のエングレービングが施されている。角穴車の三段のサンバースト仕上げ、軸受けに用いられるホワイトサファイア、そしてゴールド製のシャトンとそれを留めるブラウンバイオレットカラーの平型ネジなど、ムーブメントの隅々にまで職人による繊細な手作業を見ることができる。

 ケースカラーに合わせ、18Kローズゴールドケースモデルにはダークブラウンのアリゲーターストラップを、またステンレススティールケースモデルにはブルーのアリゲーターストラップを合わせている。


Contact info: モリッツ・グロスマン ブティック Tel.03-5615-8185


懐中時計のヴィンテージロゴを採用したモリッツ・グロスマン 2020新作「ハマティック・ヴィンテージ」

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