【2022年 新作】ロジェ・デュブイ、空山基とのコラボ作「エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ」を発表

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2022.07.19

ロジェ・デュブイは、世界的なモダンアーティストである空山基(そらやま・はじめ)とのコラボレーションモデル「エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ」を披露した。両者の精神が見事に合致した本作には、独自の世界観と特別な仕掛けが備わる。日本限定28本の特別なモデルだ。

エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ


特別なエクスカリバーに宿る、空山基の精神

 ロジェ・デュブイがブランドとして掲げるテーマ“ハイパーオルロジュリー”は、搭載するメカニズムの複雑さだけでなく、表現力に磨きをかけることで、その上のレベルへと突き進むことができる、という考え方だ。このコンセプトのもとで生み出される時計は、ムーブメントのパーツにまで前衛的なデザインを取り入れることで実現する、一種の“キネティックアート”である。

エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ

ロジェ・デュブイ「エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ」
新型ムーブメントを搭載する本作。文字盤側3時位置には、厳格な品質規定をクリアしたことを示すジュネーブ・シールが刻印される。自動巻き(Cal.RD720SQ)。32石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径42mm、厚さ12.7mm)。100m防水。日本限定28本。803万円(税込み)。2022年7月19日発売予定。

 今回ロジェ・デュブイは、世界的イラストレーターの空山基とコラボレーションを果たし、長い構想期間を経て新モデル「エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ」を発表した。日本のみで展開される本作は、2022年4月に発表された「モノバランシエ」シリーズの最新作としてラインナップされる。

“写実表現技法のゴッドファーザー”と称される空山基は、女性の肉体美とロボットの構造美を組み合わせた作品「セクシーロボット」でその名を世界に知らしめた現代芸術家だ。エアブラシを駆使した技法で、多くのクリエイターに今もなお大きな影響を与え続ける、言わば“生ける伝説”である。

空山基

世界中に熱狂的なファンを持つ空山基は、プロダクトデザインにおいても数々のエポックメイキングな作品を生み出している。彼がコンセプトデザインを手掛けたソニーのエンターテイメントロボット「AIBO(アイボ)」もそのひとつ。初代AIBOは、グッドデザイン賞グランプリ、メディア芸術祭グランプリを受賞したほか、米国のスミソニアン博物館および MoMA のパーマネントコレクションに収蔵されるなど、国際的な評価を獲得した。

 セクシーロボットの丸みを帯びたラインと、磨き上げられたクロムメッキのボディは、ロジェ・デュブイのシグネチャーデザインと価値観を共有。わずか28本の特別なエクスカリバーを、新たなアート作品として創り上げた。革新的なテクノロジーと伝統のクラフツマンシップ、そして前衛的かつ精緻なデザインによって表現される、両者の世界観の融合に酔いしれることができるだろう。


クロムボディと特別な仕掛け

 大胆な発想を持ちながらも、ブランドのDNAに対してはリスペクトを持ち再解釈する、空山基の姿勢が最も現れているのは、ロジェ・デュブイのアイコンである“スターシグネチャー”のデザインだ。空山基は故ロジェ・デュブイへのオマージュとして、オリジナルの形状を残しながらも、スターの形状はそのままに、オリジナルのスターとは異なる形状に改めた。

エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ

 従来のスターシグネチャーには平面が多く用いられ、面と面のコントラストを際立たせるために異なる仕上げ同士を組み合わせている。しかし本作のスターシグネチャーは、セクシーロボットの妖艶なボディように曲線的で丸みがあり、全体的に鏡面仕上げになっている。

 またケースとブレスレットも全面がポリッシュ仕上げとなっており、これはブランドとして初の試みだ。すべてのパーツを鏡面で仕上げることで、面同士のコントラストではなく、非常に滑らかで有機的な印象を持たせるのである。

エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ

チタン製のケースとブレスレットを構成する面はすべてポリッシュ仕上げ。空山基作品としての表情を外装に与える大きな要素だ。

 そして、ほとんどの面を鏡面で仕上げた本作の主役は、オープンワークを施した文字盤の左上に配されるマイクロローターだ。空山基は、ガーターベルトの二重になったところの視覚効果からインスピレーションを得て、セクシーロボットで作り出すような光と動きの“戯れ”を本作にもたらすべく、このマイクロローターを再構築して「モアレ効果」を生み出すということを考えた。

エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ

モアレ効果をもたらすマイクロローターのベースは、18Kゴールドとタングステンを組み合わせたもの。回転軸保持を新型のボールベアリングに改め、低騒音化も実現した。

 モアレ効果とは、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことである。固定されたフリンジサファイアクリスタルと回転する金属パーツによって、モアレ効果が生まれる。ローターの可動部分に直接取り付けられたこのパーツにはギヨシェ装飾が放射状に施されており、光を反射する“山型”の規則的なパターンを彫ることで、この効果を生み出した。

 その上には固定されたサファイアクリスタルのプレートが置かれ、ブラックの規則的なラインが同じく放射状に引かれている。それぞれのラインの間に最適なスペースを見つけ、理想的な光学効果を得るために1年以上を費やし、数えきれないほどの試行錯誤が行われた。手首の動きに合わせてローターが回転することで生まれるモアレ効果は、まるで催眠術をかけるかのようだ。

エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ

本作が搭載するのは、自社開発キャリバーRD720SQ。シリコン製のパーツを使用しながらジュネーブ・シールを取得した、初のムーブメントだ。


「驚きがなければ創造ではない。前例がないからこそ興奮する」

 初のコラボレーションを果たし、2022年7月、ついに作品の発表にこぎ着けた空山基。「エクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ」について、彼は次のように語った。

ーー作品のキャンバスとして見た「エクスカリバーモノバランシエ」の印象は?

「アート作品でもコラボレーションワークでも、基本的にすべては“セクシー”であることが絶対条件。このモデルのスケルトン文字盤もそうだし、そこから透けて見える歯車の動きは実にセクシーだね。目覚まし時計を分解して組み立て直すことに夢中だった子共のころから、機械なのに生命感のあるゼンマイの動きに魅了されていたのかもしれない。それに僕は金属フェチでもあるんだよ。光り輝くものが好き。小学校の帰り道にあった鉄工所の旋盤の動きを何時間も飽きずに眺めていたり、道端に落ちている銅線の切れ端を拾ってきたり。光るものに惹かれてしまうんだ。これも食欲や性欲同様、人間の本能のひとつだと思うんだけど、そのタブーを刺激するのが最大のモチベーションである」

ロゴ

空山基は、ブランドのプロダクトデザインを手掛ける際にロゴまで変えてしまうが、今回も例外ではない。力強いロジェ・デュブイのロゴから一変、近未来感のある印象を持たせる。

ーー「エクスカリバー」の象徴でもある星形のスケルトンブリッジ部分については?

「ロジェ・デュブイへのオマージュとして、ブリッジ部分にはほとんど手を加えていない。付け根のところを少しだけシャープにしたくらい。全体の調和とこのモデルの主役であるマイクロローターの存在感をより引き立てるために」

ーーローターのモアレ効果に込めたものとは?

「ガーターベルトには二重になるところがあって、女性が動くたびにモアレが発生する。あれがとってもエロティックで。腕時計でこんな表現にこだわる人なんていなかったはずだよ。構造的にはまず無理だろうなと思っていたんだけど(笑)、ロジェ・デュブイの優れた職人が実現させてしまった。性能に妥協することなく、これほどまでに表現力の高い傑作を実現し、さらに限界に挑戦してモアレを作り出したことには感動すら覚える。そもそも最初から着地点が見えているものなんて誰も興奮しないでしょ? ましてや自分の過去作品の焼き直しなんて、ね。職人たちだって同じはず。クリエイティブって、びっくりさせることなんだから」

ボックス

本作のために特別にデザインされたボックス。ロゴも専用のものだ。

 空山基の美学とロジェ・デュブイの時計製造技術を、見事に融合させたエクスカリバー モノバランシエ ソラヤマ。発売開始は2022年7月19日だ。


Contact info: ロジェ・デュブイ Tel.03-4461-8040


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