バーゼルワールドとその周辺で行われた新作展示会から良作をチョイス。大幅に得票が割れたが、4名の支持を集めた「カラトラバ Ref.5123」がトップに。多様性とコンプリケーションの大賑わいの中で、手堅いシンプルピースが首位となったのは興味深い。

 

バーゼルワールドの良作は?

1位 68point / 4persons

パテック フィリップ / カラトラバ Ref.5123

Photo:「カラトラバ Ref.5123」。手巻き。 18KRG。予価231万円。

●ショーケースの中からも感じるオーラ。見慣れたはずのカラトラバだが、まだまだ惹かれるデザインが残っていたとは! (篠田)
●ショートラグを採用して、カラトラバの端正な趣きが従来以上に際立って見える。50年代から発掘したデザインが“可愛く”思えるのはご愛敬。(菅原)



バーゼルワールドの良作は?

2位 51point / 5persons

セイコー / セイコー アストロン

Photo:「セイコー アストロン」。ソーラーGPSクォーツ。 ブライトチタン×セラミックス。26万2500円。

●人工衛星からの電波を受けて世界中どこでも正確な時刻を取得できる機能は、すでにありそうだが、この時計が世界初とは凄い。名前を歴史的名機になぞらえているのも感動的。(名畑)
●GPSによる全世界対応ワールドタイムは革新的。実用性を求める人ならこれ1本で足りてしまう。技術大国ニッポンの底力、まさにおそるべし。(菅原)
●究極の旅時計。価格も良心的でデザインもクール。評価されるべき時計。(篠田)


バーゼルワールドの良作は?

3位 44point / 3persons

ロレックス / オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー

Photo:「オイスター パーペチュアル スカイドゥエラー」。自動巻き。18KWG。予価485万1000円。今秋発売予定。

●GMTタイプの新作が目立つなかで、このモデルは新技術や操作性がとりわけ興味深かった。初の年次カレンダーも独創的だ。(菅原)
●ディスクによる24時間表示やアニュアルカレンダーは同社お初。でもロレックス然とした外装を保っている。ベゼルをセレクターに用いるという発想による勝利。リュウズだけで余計なボタンやコレクターが外観を邪魔しない。(高木)


バーゼルワールドの良作は?

4位 43point / 3persons

ブレゲ / クラシック クロノメトリー 7727

Photo:「クラシック クロノメトリー 7727」。手巻き。18KRG。価格未定。

●シリコン化やハイビート化の是非は置いといて、天真を磁石で支えて重量に抗うという考えが、何とも斬新。結果も良好の様子。その発想は、トゥールビヨンを発明した創業者と根幹は同じだ。(高木)
●シリコン部品の採用は調整作業を省くだけでなく、磁力に影響されないという特性を巧みに利用して高振動化、高精度化した点に感心した。(名畑)


バーゼルワールドの良作は?

5位 34point / 3persons

シャネル / J12 GMT

Photo:「J12 GMT」。自動巻き。ハイテク セラミック。予価54万6000円。

●ベゼルまでサファイアガラスで覆い、ダイアルの視認性もアップ。外装は大きく変わったはずなのに、一目でJ12だと分かるのは、ファーストモデルが確かにクリエーションされた証し。仕上げも向上し、デザイン的アレンジも奏功した気がする。(高木)