【78点】ロンジン/ロンジン アビゲーション オーバーサイズ クラウン シングルプッシュピース クロノグラフ

FEATUREスペックテスト
2014.04.03

シンプルなソリッドバックの飾り気はないが、パイロットウォッチとしてはむしろ正統派。内蔵するCal. L788.2(ETAのCalA08.L11)は、コラムホイールを使用。数種の装飾が美しい。

ムーブメントを子細に検分

これらふたつのロンジンキャリバーの長所として重要なのは、ETA7750に典型的なクロノグラフの作動カムを青色のコラムホイールに替えていることと、パワーリザーブが約46時間から約54時間に向上していることだ。その上、緩急針のメカニズムや耐震軸受けを変更して、脱進機回りは改善されている。
エネルギー伝達のためのパーツとローターには数種の異なる装飾研磨を入れ、クロノグラフのレバー類は鏡面に磨き上げている。各パーツは面取りされてまではいないが、これに関してはETA7750系統の前身であるバルジューの古典的汎用機も同様だ。さらに、クロノグラフ機構への動力の伝達がスイングピニオン方式なのも変わっていない。この〝スイング式〟というのは、構築的には非常に優れているというわけでもないが、確実で丈夫なのだ。
ロンジンというブランドは、リーズナブルでありながらきっちりとした丁寧な作りに定評がある。それはスイングピニオン方式をキープした、このパイロットウォッチでも反映されていると言えるだろう。その価格は38万円。インパクトのある外観を、良質な仕上げ表現しているのは魅力的だ。
良い印象を持てたのは、歩度が落ち着いていたことにもある。歩度測定機では日差で6秒の進みが見られたが、着用テスト後も7秒から8秒までの進みにとどまった。クロノグラフ作動中はさらに良い数値が出ている。振り角も平均わずか11度しか落ちていない。