エドックスは優れた防水性能を持つスポーツウォッチを得意とするブランド。そしてその伝統を受け継ぎつつ、瀟洒なゴールドカラーをまとった、ふたつの新作が登場した。
「クロノオフショア1」は、パワーボートレースの最高峰「CLASS-1」をテーマに開発され、2007年にデビューした「クラスワン」コレクションがルーツである。パワーボートのようなタフネスや高性能、ハイテク素材の使用が特徴だ。この最新作はチタン製ケースを採用。1000m 飽和潜水防水を実現している。クォーツ(Cal.EDOX102)。Tiケース(直径45mm、厚さ15.5mm)。1000m防水。29万7000円(税込み)。
(右)ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック
「ネプチュニアン」に加えられた新作。ラ・ジュー・ペレCal.G100ベースのムーブメント搭載により約68時間のパワーリザーブを実現した。「ネプチュニアン オートマティック」よりケース径を2mm小さく、厚さを3.3mm薄くし、20%軽量化されている。自動巻き(Cal.EDOX808)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。300m防水。35万2000円(税込み)。
福田豊:文 Text by Yutaka Fukuda
Edited by Chieko Tsuruoka(Chronos Japan)
NEPTUNIAN × CHRONOFFSHORE-1
先日、エドックス本社より来日した取締役兼セールス&マーケティング ディレクターのクリスチャン・オッツが、こんなことを話してくれた。彼は2007年にエドックスが日本へ再上陸した際にもお会いした、エドックスについての生き字引のような人物だ。
「エドックスは高価なラグジュアリーウォッチを目指してはいない。この価格帯で最高を目指しています。そしてその上で、エドックスの夢は、高い防水性を備えるスポーツウォッチのセグメントで世界のトップ5に入ること。例えば、いつも有名ブランドのスーツを買っている人が、たまには違うものを、というときに選ぶような。イタリアの家族経営の小さなファクトリー製のスーツで、しかしよくよく知れば歴史や伝統がある、といったようなブランドになりたいのです」
ふたつの新作は、そんなエドックスの夢を実現するために生まれたのだろう。
「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック」は、そもそもは2019年に発表された1969年製ミリタリーダイバーズの復刻版「スカイダイバー」がオリジナル。それが2021年に「スカイダイバー ネプチュニアン オートマティック」に進化し、22年に「ネプチュニアン オートマティック」に改名された。今回紹介するネプチュニアンは、それに加えられた最新のバリエーションモデルだ。最大の特徴は、「グランデ リザーブ」のモデル名の通り「ネプチュニアン オートマティック」よりパワーリザーブが長くなったこと。また、ケース径を44mmから42mmに小型化。防水性能を1000mから300mに下げることでケース厚も薄くし、軽快で洒脱な印象にしている。
「クロノオフショア1 クロノグラフ」は、エドックスのフラッグシップコレクション「クロノオフショア1」の最新作だ。「クロノオフショア1」は“海のF1”と称されるパワーボートレースの世界観を体現したタフなシリーズで、本作も1000m飽和潜水防水の高性能を装備している。大型の45mm径のチタン製ケースの9時側には、オートヘリウムエスケープバルブを搭載する。
というように、どちらも1961年に画期的なダブル・Oリングによる防水機構で特許を取得、以来、“The WaterChampion”をスローガンに高い防水性を持つスポーツウォッチを開発してきたエドックスの技術と伝統を継承した、同社を象徴する新作と言える。
しかも、どちらも瀟洒なゴールドカラー(PVD)をまとっているところがポイントだ。そのためエドックスならではのタフさはそのままに、よりシックにエレガントに着けこなすことができる。
だからこのふたつの新作は、いつもは高価なラグジュアリーモデルを買っている人が、ふと手に取る、というのにうってつけ。そしてその歴史や伝統、技術を知れば、きっと感嘆するに違いない。
「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック」と「クロノオフショア1 クロノグラフ」のふたつの新作は、まさしくエドックスの夢を叶えてくれる好モデルと言えそうだ。
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