オリエントスター 躍動するカラーダイアル

2023.12.19

2023年秋、新たに立ち上がった「Mコレクションズ」。その狙いは、明確に定めたデザインを長期的に運用し、永く愛されていくこと。自然の情景にインスピレーションを受けた幻想的な新作たちにスポットを当て、カラーダイアルが持つ可能性を探っていきたい。

M34 F7 セミスケルトン

M34 F7 セミスケルトン
地球の極域近辺で観測される発光現象オーロラ。その神秘的な光を白蝶貝とグラデーション塗装によって、ダイアルに表現している。光を受けて複雑に移り変わる色味は、オリエントスターが培ってきたダイアル製造技術の為せる業だ。自動巻き(Cal.F7F44)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径40mm、厚さ13mm)。10気圧防水。14万3000円(税込み)。
野島翼:文 Text by Tsubasa Nojima
高橋敬大:写真 Photographs by Keita Takahashi
Edited by Yuto Hosoda(Chronos Japan)


新生Mコレクションズ始動

M34 F7 セミスケルトン

M34 F7 セミスケルトン
チャコールグレーグラデーションによってオーロラを表現。ケースや時分針などのデザインは、ギリシャ神話の英雄ペルセウスにインスピレーションを得たものだ。9時位置の開口部からはテンプの鼓動が感じられる。自動巻き(Cal.F7F44)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径40mm、厚さ13mm)。10気圧防水。国内限定300本。本ワニ革ストラップ付属。15万4000円(税込み)。

 現存する星座の起源は、紀元前3000年代の古代メソポタミア文明にさかのぼるとされる。夜空にちりばめられた星々を結び合わせた英雄や動物たちは、その後ギリシャへ伝播し、ギリシャ神話と結びついていく。太古より人類は、遥か彼方の宇宙に思いを馳せてきたのだ。

 1951年、あらゆる点で“輝ける星”と呼ばれることを願い、「オリエントスター」は誕生した。70年余りが経過した今、その願いは叶ったと言って差し支えないだろう。しかし、同ブランドは歩みを止めない。コレクション再編によって「Mコレクションズ」を立ち上げ、デザインを明確に定めた長期的な運用を視野に入れた、新たな戦略を打ち立てた。

 Mコレクションズには現在、3つのコレクションが属している。モダンな「M34」、本格スポーツウォッチの「M42」、クラシックな「M45」だ。これらはフランスの天文学者、シャルル・メシエが作成した星座・星団・銀河のカタログ「メシエカタログ」から、ペルセウス座散開星団、オリオン座散光星団、プレアデス星団(すばる)をモチーフに名付けられた。

 今回は2023年10月に発売されたMコレクションズの新作より、魅惑のカラーダイアルに焦点を当てていきたい。これらのモデルのダイアルには、白蝶貝を薄く切り出した後、何種類もの塗料で色付けを行うことによって、複雑で神秘的なグラデーションが与えられている。オリエントは、70年代よりさまざまな素材や色のダイアルを開発してきた。その積み重ねが成せることだろうか、新作たちには、自然の情景に着想を得たテーマが設定されている。

M45 F7 メカニカル ムーンフェイズ

M45 F7 メカニカル ムーンフェイズ
田沢湖は、現在のオリエントスター製造拠点である秋田県に位置する、日本一の深さを持つ湖。本作では、ブラウングラデーションで、冬が近づく夜の田沢湖を表現する。6時位置にはムーンフェイズ表示が配される。自動巻き(Cal.F7M65)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径41mm、厚さ13.8mm)。5気圧防水。国内限定350本。ブレスレット付属。22万円(税込み)。

 シャープなラグや真っすぐに伸びた時分針を持ち、ギリシャ神話の英雄ペルセウスの力強さを感じさせる「M34 F7 セミスケルトン」には、ブルーグリーンまたはチャコールグレー、ブラウン(公式オンラインストア限定販売)の3種類のダイアルが用意され、神秘性にあふれた自然現象、オーロラのような輝きを放つ。

 M45は、丸みを帯びたケースと、優雅なリーフ型の針を組み合わせた、落ち着きのあるデザインを持つ。そのブラウングラデーションダイアルは、秋田県田沢湖に映る月をモチーフとしたものだ。その幽玄なテーマの通り、6時位置には、月の満ち欠けを表示する機構、ムーンフェイズが搭載されている。

 天然素材である白蝶貝は、ひとつとして同じものがない。ゆえに時計自体にも、1本1本異なる個性が宿る。その様はまるで、瞬間ごとに表情を変える自然の情景そのもの。一期一会にも等しい時計選びを楽しめるのも、本作の魅力だ。

 オリエントスターのカラーダイアルの実力は、例年、“世界をつなぐ感動の青”をテーマとして展開される「ムービングブルー」コレクションにも見て取れる。その多彩な表現力には敬服するばかりだ。

“感動の青”をモチーフにしたムービングブルーコレクション

クラシック クラシックセミスケルトン

クラシック クラシックセミスケルトン
小径ケースを持つレディースモデルは、ローマンインデックスとボックス無機ガラスを組み合わせたクラシカルなデザインを特徴とする。自動巻き(Cal.55C22)。20石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(直径30.5mm、厚さ11mm)。5気圧防水。世界限定400本(うち国内200本)。5万9400円(税込み)。

コンテンポラリー セミスケルトン

コンテンポラリー セミスケルトン
今回のムービングブルーコレクションは、“始まりの朝”がテーマ。爽やかな青と朝日の輝きに似た針色が印象的だ。自動巻き(Cal.F6R42)。22石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径39.3mm、厚さ12.2mm)。10気圧防水。世界限定850本(うち国内350本)。7万7000円(税込み)。

コンテンポラリー モダンスケルトン

コンテンポラリー モダンスケルトン
ダイアルを彩るブルーにはグラデーションがかかり、日の出から徐々に変化していく空と海の表情を表現している。自動巻き(Cal.F6F44)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。SSケース(直径41mm、厚さ12mm)。10気圧防水。世界限定1200本(うち国内400本)。9万7900円(税込み)。



Contact info: オリエントお客様相談室 Tel.042-847-3380
https://www.orient-watch.jp/orientstar/


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