ロンジン新作「ハイドロコンクエスト」は、時計好きこそ驚かされる高級ダイバーズウォッチ

2026.04.08

2026年、ロンジンは「20~50万円台の価格帯でプレゼンスを示す」ことを、改めて標榜した。そんな中でいち早く発表されたのが、新しい「ハイドロコンクエスト」だ。30万円台という、高級腕時計というカテゴリーの中では“入門機”に位置する価格帯ながらも、その品質は時計を複数本所有しているような愛好家こそ、うならされるものがあるだろう。

ロンジン ハイドロコンクエスト

鶴岡智恵子(クロノス日本版):写真・文
Photographs & Text by Chieko Tsuruoka(Chronos-Japan)
[2026年4月8日公開記事]


30万円台の“高級”ダイバーズウォッチ

 弊サイトはもちろん、すでにさまざまな場所で語られている、近年の高級腕時計の価格高騰。世界的なインフレや外国為替の影響により、各社は毎年のように値上げを余儀なくされている。こういった中で、「高級腕時計のエントリー」に位置付けられやすい20~30万円台のモデルは、減りつつある。特に海外ブランドとなると、その傾向はより強い。そんな中で2026年、ロンジンが「20~50万円台の価格帯でプレゼンスを示す」ことを宣言。もともとロンジンがベーシックな価格ながら、非常に高い品質の外装──ケースやブレスレット、文字盤の発色や質感に至るまで──を誇ることは、時計好きの間では知られていた。しかし、改めてこの価格帯で勝つことを標榜したうえで、その嚆矢としてリリースされた新作「ハイドロコンクエスト」は、「30万円台ならこれくらいの品質だろう」という想像を、良い意味で裏切られる快作であった。

ロンジン ハイドロコンクエスト

ロンジン「ハイドロコンクエスト」
自動巻き(Cal.L888.5)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mmまたは39mm、厚さ11.7mm)。30気圧防水。各32万4500円(税込み)。

ロンジン ハイドロコンクエスト

ロンジン「ハイドロコンクエスト」
自動巻き(Cal.L888.5)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mmまたは39mm、厚さ11.7mm)。30気圧防水。各34万3200円(税込み)。

ロンジン ハイドロコンクエスト

ロンジン「ハイドロコンクエスト」
自動巻き(Cal.L888.5)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42mmまたは39mm、厚さ11.7mm)。30気圧防水。ロンジン直営店限定。32万4500円(税込み)。


外装、ムーブメントともに「さすがロンジン」と快哉を叫びたい

 過去のアーカイブに範を取ったクラシックな意匠のコレクションを多く擁するロンジンの中で、ハイドロコンクエストはスポーティーなダイバーズウォッチだ。直径41mmまたは39mm(過去には直径43mmモデルも)、39mm径の場合は厚さ12.20mmの、リュウズガードを備えたケースはいかにも堅牢で、また、12・6・9位置に配されたアラビア数字インデックスが、見やすさを追求するツールウォッチらしさにあふれている。

 一方、今年打ち出された新しいハイドロコンクエストは、従来モデルから印象を変えている。ケースの大きさ自体はそこまで変わらないものの、厚みは11.7mmに抑えられ、リュウズガードが小ぶりになったことも相まって、コンパクトにまとまっている。

ロンジン ハイドロコンクエスト

直径39mmケースのモデル。コンパクトさに驚かされたものの、公称値を見ると全長や重量は従来モデルとほとんど変わっていなかったので、もともと装着感や使用感が考慮された、まとまりのあるダイバーズウォッチなのだろう(従来モデルをしっかり見たのが随分前なので推測)。

 また、ブレスレットのコマが小さいものに改められており、かつフォールディングクラスプにはマイクロアジャストメント機構が搭載されていることから、手首回りのサイズへ、より細かくフィットさせることができる。このマイクロアジャストメント機構はバックル部分で4段階にサイズを微調整できるというものだ。本作のようにある程度重量のあるダイバーズウォッチは、手首にフィットさせるというのは装着感の向上という点で大切だ(ちなみに直径42mmモデルの場合、3列ブレスレットのタイプが約180g、メッシュブレスレットのタイプが約168g)。一方でこういった機構を組み込むと、バックルに厚みが出てしまってデスクワークの時などに気になることがあるが、本作はケース同様、コンパクトにまとめられた。留め具でバックルを上から抑える仕様であった従来モデルから変わって、シンプルな片開き式となったことから、マイクロアジャストメント機構が搭載されているにもかかわらず、かなりすっきりとした印象に仕上げられていると言える。

ロンジン ハイドロコンクエスト

写真左が新作モデル、右が従来モデルのバックル。マイクロアジャストメント機構の操作をしっかり確認するのを失念したので、操作感をレポートできず……。ただし、同じくスウォッチ グループに属するオメガが同様のタイプの機構を採用しており、その技術の転用であるとすれば、シンプルかつスムーズに微調整が可能だ。

 近年ではダイビングスーツの着用の想定にとどまらず、タウンユースで使う腕時計にこの機構を載せるブランドが増えてきたが、30万円台のダイバーズウォッチで、しかもコンパクトなものを採用できるブランドは、ロンジンを除いてそう多くはないだろう。

 ブレスレットについてもうひとつ言及すると、メッシュのタイプが初めて追加されたことは大きなトピックだ。往年のミラネーゼブレスレットを彷彿とさせるデザインで、バックル側が分割されており、コマを外してサイズ調整することができる。重量のあるヘッドに対して薄く感じられ、また、外せる部分以外は一体になっているため遊びが少ないので、着用感がどうなのかなと少し気になった(なお、本記事執筆より後に聞いたところ、実際には着用感に対する満足の声が挙がっているとのこと)。手首幅や手首回りによって感じ方は異なると思うので、購入を検討する読者は実機を手首に載せてみることをお勧めする。

ロンジン ハイドロコンクエスト

やや薄め&固めのメッシュブレスレット。こちらのタイプにも、マイクロアジャストメント機構が搭載されている。

 新しい文字盤にも注目したい。インデックスはバータイプに改められて、すっきりとしたデザインとなった。ブルーやグリーン等、発色の良さもロンジンの高い技術力が感じられる。中でも目を引くのがフロステッドブルー文字盤だ。少しシルバーがかった淡いブルーが、ツール感の強くなりがちなダイバーズウォッチに、洗練やエレガンスをもたらしている。3列ブレスレットのフロステッドブルー文字盤のモデルは、ロンジン直営店限定で販売されるとのこと。

ロンジン ハイドロコンクエスト

文字盤のカラーと相性抜群の各アウターベゼルはセラミックス製。回転する際のクリック音は小気味よく、操作のしやすさにも優れている。

 さらに30万円台の腕時計として驚かされるのが、シリコン製ヒゲゼンマイを搭載した自動巻きムーブメントCal.L888.5を搭載していること。ロンジン専用のETA製ムーブメントで、パワーリザーブ約72時間と、自社開発ムーブメントを採用する他のスイス製ブランドであれば、ハイエンドに位置付けられるであろうスペックだ。ETAをはじめとした、優秀なサプライヤーを多数擁するスウォッチ グループのスケールメリットが、存分に生かされたからこその“高級ダイバーズウォッチ”なのだ。


今後の新作の展開も楽しみなロンジン

「ハイドロコンクエスト」の新作モデルを取材し、レビューした。

 ロンジンは時計業界最大のイベントとなるウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブに出展こそしないものの、このハイドロコンクエストをはじめ、今後、多数の新作時計の発表を予定している。ハイドロコンクエストの出来栄えを見れば、これからのリリースモデルも楽しみにせざるを得ない。



Contact info:ロンジン Tel.03-6254-7350


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