2026年に発表されたオリスの新作時計をまとめて紹介。自社製のスイスレバー脱進機搭載モデル誕生から60周年を記念した「オリス スター エディション」やアーバンドレスウォッチ「アートリエ コンプリケーション」が登場した。

Text by Tomoyo Takai
[2026年4月20日公開記事]
「オリス スター エディション」
「オリス スター エディション」は、1965年のスイス時計法撤廃と、翌1966年の自社製レバー脱進機搭載モデル誕生という転換点から60周年を記念するものである。1930年代に制定されたスイス時計法は、価格や生産、ムーブメント供給を統制することで過当競争を抑制した一方、技術革新の自由を制限した。

自動巻き(Cal.Oris 733)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径35.0mm、厚さ11.1mm)。5気圧防水。36万3000円(税込み)。
オリスもこの枠組みの中でピンレバー式ムーブメントに制約されていたが、1956年に招聘された法学者ロルフ・ポートマン博士が約10年にわたり規制撤廃に尽力し、1965年に同法は廃止。これにより同社は機械式時計の自社開発における自由を獲得した。

その象徴が1966年の「オリス スター」であり、レバー脱進機の採用によって精度面での飛躍を果たすと同時に、バレル型ケースを特徴とするモダニズムデザインにより新たな審美性を提示した。2026年発表の本作は、この歴史的モデルを踏襲しつつ現代的な仕様で再構築されたものである。

直径35mmのバレル型ケースに一体化したラグを備え、シルバーカラーのダイアルにはツインバトンインデックスとスクエア型針を配置。3時位置には非対称のデイト表示を採用し、「Star」「Automatic」「26 Jewels」の表記やプレキシガラスにより当時の意匠を再現している。ケースバックには1960年代のシールドクレストを刻印する。
「アートリエ コンプリケーション」
オリスは、アーバンドレスウォッチの新たな提案として「アートリエ コンプリケーション」を発表した。本作は、伝統的なムーンフェイズ表示を核に据えつつ、現代的な設計と操作性を与えた再構築モデルである。18世紀以来続く、月の29.5日周期を機械的に再現するムーンフェイズを継承している。

開発の中心となったのは、新型自動巻きムーブメント「Oris Calibre 782」である。従来のキャリバー781をベースとしながら、表示構成を大きく見直し、4つあったサブダイアルをふたつへ集約した。12時位置にムーンフェイズ、6時位置に24時間表示を兼ねた第2時間帯を配置することで、必要な情報を維持しつつダイアルの整理と視認性の向上を実現している。加えて、調整機構はリュウズとケース側面の単一プッシャーに統合され、操作系も簡素化された。
自動巻き(Cal.Oris 782)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.8mm)。3気圧防水。36万3000円(税込み)。50万6000円(税込み)。
自動巻き(Cal.Oris 782)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.8mm)。3気圧防水。36万3000円(税込み)。50万6000円(税込み)。

自動巻き(Cal.Oris 782)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.8mm)。3気圧防水。36万3000円(税込み)。50万6000円(税込み)。
カラーバリエーションは、アイボリー、ミッドナイトブルー、チェスナットの3種を用意する。いずれのモデルも過度な装飾を避け、色と質感の差異によって個性を表現する設計だ。3色のカラーバリエーションはいずれもメタルブレスレット仕様、レザーストラップ仕様が用意され、全6種類が用意される。
自動巻き(Cal.Oris 782)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.8mm)。3気圧防水。36万3000円(税込み)。46万2000円(税込み)。
自動巻き(Cal.Oris 782)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.8mm)。3気圧防水。36万3000円(税込み)。46万2000円(税込み)。

自動巻き(Cal.Oris 782)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ11.8mm)。3気圧防水。36万3000円(税込み)。46万2000円(税込み)。
インデックスはテーパー形状の多面カット、針はスクエアエンドとし、書体にはサンセリフ体を採用するなど、細部まで現代的な意匠が施されている。デザインは、2024年に入社したプロダクトデザインエンジニア、レナ・フヴィラーが担当した。クラシックモデルの再解釈にあたり、要素を削減することで視覚的な焦点を明確化し、ムーンフェイズの存在感を強調する構成を採用している。




